[3~6年生向け]医師国試 新ガイドライン発表! 第15回:新ワード紹介(その12)

編集部Aです.
4年ぶりに改訂された「医師国家試験出題基準」に
新たに追加された用語を紹介しています.

今日はマイナー科目をピックアップ.
『医学各論』「III 皮膚・頭頸部疾患」の「鼻・副鼻腔の異常」に追加された
副鼻腔真菌症』を紹介します.

◆副鼻腔真菌症

副鼻腔内にはさまざまな真菌が常在しますが,
通常,健康に害は及ぼしません.
しかし,免疫低下やアレルギーなど,特定の条件下では
炎症の原因となることがあります.

「副鼻腔真菌症」は,真菌が副鼻腔内に限局するもの(非浸潤性)と,
周辺の組織に浸潤するもの(浸潤性)に分けられます.
最も頻度が高いのは非浸潤性のうちの寄生型で,
副鼻腔内に形成される真菌塊(fungus ball)が特徴的です.
予後は良好ですが,浸潤性に移行することもあるため
注意が必要です.

浸潤性は免疫低下などが原因で発症する
日和見感染症と考えられています.
しばしば骨破壊により眼窩内合併症や頭蓋内合併症(髄膜炎,脳膿瘍など)
を引き起こし,致命的な病態となることもあります.

また,アレルギー性のものもあり(アレルギー性真菌性副鼻腔炎:AFRS),
難治性で,再発率が高く,近年患者数が増えているとも言われています.

術後性上顎嚢胞とともに,悪性腫瘍(上顎癌)との鑑別が重要であり,
確定診断のためには生検や病理組織検査で真菌の証明を行います.

最近,真菌による副鼻腔炎が増えており,学会でも注目されています.

 

– – – – –
特に免疫力の低下した患者さんが罹患した場合は要注意です.

(編集A)

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