[5・6年生]医療ニュースから予想する国試第1回:今年注目の医療ニュースは?

みなさんこんにちは!編集部のS藤です.
やっといい気候になってきたと思っていたのに,
東京は例年よりも10日早い梅雨入りだそうですね.

今の時期だと,6年生の皆さんは学外への自由選択実習の方が多いでしょうか?
緊張することもあるかもしれませんが,色々な人との出会いを楽しんできてくださいね!

さて,今回お送りするのは,
新シリーズ「医療ニュースから予想する国試」の第1回です.

 

◆国家試験では,時事的な視点も役立つ◆

国試では,最近のニュースでよく取り上げられているようなテーマを意識した問題が,
毎年数問以上は出題されています.

実際に,107回国試で出題された問題を見てみましょう.

107E18
35歳の女性から21trisomyの児が出生する確率に最も近いのはどれか.
a 1/10       b 1/300      c 1/1,000
d 1/3,000      e 1/10,000

【解説】
正答は『b 1/300』で,正答率は53.3%でした.
高齢出産数の増加とともに,そのリスクが社会でも広く知られるようになり,
昨年は有名人のクアトロテスト結果公表,
今年に入ってからは,妊婦の採血による新しい出生前診断の導入などが話題になっていますね.
“女性手帳”導入の賛否や,
出生前診断の結果を間違って伝えてしまい,訴訟になってしまった,というニュースもありました.

このようなことが,世間で話題になっているということを頭の片隅に置いておけば,
産科や小児科の勉強をする時に,1/300という数字が無味乾燥な暗記ではなく,
より強く心に残るようになるのではないでしょうか.

高齢出産でダウン症児が生まれる確率は,テレビ番組などでも取り上げられ,
最近では医療関係者ではない一般の方でも,知っている人が増えてきています.
ぜひ,覚えておいてくださいね!

他にも,以下のような出題がありました.

●放射線関連の問題
問題数は例年より多く,
内容を見ても,画像検査による被曝線量胎児期の被曝の影響など,
原発事故の社会的影響により,今まさに医師が現場で患者さんに質問されていそうなことがテーマになっています.

●被災地での勤務によるPTSD
被災地で救援活動に従事した方々のメンタルヘルスについては,
メディアでたびたび取り上げられています.

●有機リン剤による化学テロ発生時の対応
医療ニュースではありませんが,昨年は特別手配者の逮捕が続き,
オウム真理教や地下鉄サリン事件について再び世間の注目が集まった年でした.
地下鉄サリン事件で起こってしまった,
医療機関での二次被害防止のための正しい対処が問われました.

●結核関連の問題
最近,ますます注目の集まっている疾患です.
今年に入ってからも,医療施設での集団感染などが報道されていますね.
107回国試では結核関連の問題が6問も出題されましたが,
今後も引き続き狙われると予想されます.

 

◆今年注目の医療ニュースは?◆

とはいえ,医学生の皆さんは忙しいし,もう6月だし,
他にもたくさん勉強しなくてはいけないことがあるのに,
国試に出そうな医療ニュースを,今から自分で調べていくのは大変ですよね.

ということで,次回からのメルマガでは,
最近の医療ニュースのうち,特に重要なテーマについて,
「ニュースの概要」「今までの国試での出題パターン」
「今後出題されそうな内容」
などをまとめてご紹介していく予定です.

“出題予想”と言ってしまうと大げさなのですが,
ニュースになっていることの中でも,今までも国試でたびたび取り上げられている,
重要なテーマについてポイントを絞ってご紹介しますので,
実習や勉強の合間にでも,軽く読んでいただけると嬉しいです.

取り上げる医療ニュースは,
風疹・先天性風疹症候群結核不妊治療遺伝性乳癌・卵巣癌
などを予定しています.

どうぞお楽しみに!
(編集部S)

 

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