[4~6年生向け]医師国家試験出題基準に加わった新ワード(その20)

こんにちは,編集Aです.
平成25年医師国家試験出題基準に新たに追加された用語を紹介しています.

今回は,『医学総論』「検査」の
「7.内視鏡検査>B.内視鏡検査の適用部位>7.小腸」の備考欄に追加された
ダブルバルーン内視鏡」です.
これから臨床実習を受講する4・5年生は,チャンスがあればぜひ実物を見てみてください.

◆ダブルバルーン小腸内視鏡

上部消化管内視鏡では,通常
十二指腸の下行脚~水平脚までの観察が限界,
大腸内視鏡も,終末回腸までの検査が限界でした.
そのため小腸病変に対しては,内視鏡による検査が困難で,
頻度は少ないものの,診断に難渋してきました.

しかし近年,小腸病変の内視鏡検査・診断を進化させているのが,
1998年に日本で開発された,ダブルバルーン内視鏡です.
先端にバルーンが付いているオーバーチューブに内視鏡を挿入するとともに,
内視鏡スコープの先端にもバルーンを装着しています.
この器具により,深部小腸の検査が可能になりました.

まず,バルーンの空気を抜いた状態で,通常の内視鏡のように挿入し,
スコープ有効長が無くなった段階で,オーバーチューブを挿入します.
オーバーチューブと,スコープ先端のバルーンを膨らませることで,
2つのバルーンで腸管を把持,固定
スコープとオーバーチューブを抜去することにより,たわんだ腸管を短縮します.

この操作を繰り返すことで,深部小腸に到達することができるのです.

小腸病変に対する内視鏡として,カプセル内視鏡もあります.
しかしカプセル内視鏡で行えるのは検査のみで,治療や処置はできません.
一方,小腸ダブルバルーン内視鏡は,出血に対する内視鏡的止血ポリープ切除など,
治療を行うことが可能です.

 

『QB必修』をお持ちの方は,
vol.1の5ページにダブルバルーン内視鏡,6ページにカプセル内視鏡の写真を掲載していますので
確認してみてください.

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