[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その1)
実習でOSCEの復習をしよう!

こんにちは,編集部のM.Tです.
5年生のみなさん!もう臨床実習には慣れてきましたか?

1年以上を費やして行われる臨床実習!
これが研修医生活だけではなく,
国家試験にも大きく関係していることを,
皆さんご存知でしたか?

今週から数回にわたって,110回国試の問題を例に,
臨床実習と国試の関係についてお話したいと思います.
題して「国試からみる,臨床実習のポイント!」
第1回の今日は「OSCEと国試の関係性」をテーマにお送りします.

■ 実習でOSCEの復習をしよう!

OSCEは皆さんご存知の通り,
学生が臨床実習を受けるにあたり,
最低限必要なレベルの診察手技が
習得できているかをみる実技試験です.

ではなぜそのOSCEの復習を実習の中でするべきなのか.
110回国試で出題された問題を見ながら考えていきましょう.

【110H8】
甲状腺の診察で正しいのはどれか.
a 頸部を後屈して行う.
b 甲状腺は甲状軟骨と舌骨との間に触知する.
c 唾液を嚥下すると甲状腺は頭側へ移動する.
d 甲状腺の血管性雑音は頸動脈分岐部分で聴取する.
e 甲状腺を触知すれば甲状腺腫大があると診断する.

皆さんすぐに答えがわかりますか?
正解はcです.OSCEの頭頸部診察における評価項目には
「嚥下してもらいながら正面から,
もしくは背部から甲状腺葉部を触診する」
という内容があります.
つまり,OSCEに向けた練習の際に
皆さん確実に練習しているはずです.
しかし,この問題の正答率は84.1%であり,
誤答した受験生が意外といることがわかります.

1年以上ある実習を何もせずに過ごしていると,
手技のポイントはすぐ記憶から消えていきます.
そうならないよう,実習に積極的に参加し,
OSCEで練習した診察手技について,しっかり復習をしましょう.

ちなみにOSCEレベルの内容が国試で出される場合,
「必修問題」として扱われることが多くなります.
「必修問題」は得点率80.0%が合格基準であり,
1つの誤答が大きく響く,受験生泣かせの問題群です.
余裕を持って合格するためにも,
このレベルの問題はできるだけ落としたくないですね.

ただ,病院実習では回る科によっては
手技を行う機会がない場合があります.
さらに,実習が終わってから国試本番までは意外と時間があり,
どうしても実際の手技については記憶が薄れがちです.

110回国試受験直後の学生さんの中には,
「実習で回る科にあわせて,『診察と手技がみえる』を読み進めた」
「診察手技については『レビューブック必修・禁忌』でこまめに確認していた」
と言ってくださった方も.
ぜひ参考にしてみてくださいね.

これで第1回を終わりにします.
次回も国試の問題を使って,臨床実習について考えていきます!
お楽しみに!

(編集部M.T)

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