[4〜6年生向け]国試体験記:聞いて,見て,教える! 国試に活きるポリクリの過ごし方
こんにちは,編集部K.Aです.
毎週月曜に配信中の「国試からみる,臨床実習のポイント!」に関連して,
今回は実習中から国試を見据えて過ごした先輩の体験記をお届けします.
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聞いて,見て,教える! 国試に活きるポリクリの過ごし方
(J大学:Y.Mさん)
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「ポリクリで見たから解けた!」
という国試の問題は,近年増えてきていると思います.
実際に,手技や検査の器具が画像で出題され,
見たことがあるかないかで回答可能かどうかが決まってしまう,
いわゆる“画像一発問題”が近年出題されます.
しかし,そういった問題は見る機会の有無に左右され,
いくら真面目に実習をこなしていたからといって,必ず解けるものではありません.
じゃあ実習を真面目にこなさなくても良いのか,といえば,
決してそんなことはないと思います.
僕は,ポリクリはそういった検査や器具の問題が解けるだけでなく,
むしろ各論や臨床問題の知識の定着に大いに役に立ったと思います.
なぜそう思ったのか,僕なりの実習の過ごし方と,
それがどのように役に立ったかをお話ししたいと思います.
◆先生方は疾患を説明するプロ◆
先生方は,医学的知識のない患者さんにその疾患について説明するという使命があります.
つまり,その科の先生方は疾患のプロでもあり,その疾患を説明するプロでもあります.
ポリクリでは先生方のクルズス(講義)があります.
このプロの講義を積極的に利用するほかありません.
僕は講義では毎回必ずメモを取り,ノートに残しておきました.
例えば,COPDについて,
「1秒率の低下」,「肺の過膨張」,「横隔膜の平坦化」,「口すぼめ呼吸」
なんていう教科書的知識は,
先生が患者さんに説明する,
「この病気は吸えるけど吐きづらい病気だよ」
この一言で片付いてしまいます.
◆患者さんを見て臨床問題を解く思考回路を身につけよう◆
多くの担当患者さんでは疾患名はネタバレしていますが(笑),
その患者さんが何歳の方か,身体所見は,検査は何をしているか,結果はどうか,治療で何をしているか,予後は……
という一連の情報さえ押さえれば,
あとその疾患について必要な知識は,疫学と病態ぐらいです.
こうやってポリクリに取り組むことで,臨床問題を解く思考回路が身につきます.
◆知識の定着には「体験」と「人に教える」◆
学習の定着率をグラフに示したものとして有名な“ラーニングピラミッド”というものがあります.
それによると,「参考書を読む」ことによる知識の定着率は10%なのに対し,
「視聴覚,デモンストレーション」は20〜30%にも及びます.
つまり,いかに机で参考書を広げて読んで勉強するより,
実習で聞いて見て感じることが知識の定着につながるということです.
このことからも実習中では本をおいて,体験することが大事だと思います.
ちなみに,ラーニングピラミッドで最も上位に位置するのが「他の人に教える」で,
学習の定着率は,実に90%なのです!
実習で得た知識を自分のものにして,友達にどんどん教えるのが良いと思います.
そうすることで友達の知識が増えるだけでなく,
何よりも自分の知識の定着につながります!
勉強法や,実習の利用法は人それぞれで,向き不向きもあると思います.
ただ僕なりの実習の過ごし方は上記の通りで,机上では知り得ない事も沢山知ることができたし,体験できたように思います.
これからの実習の過ごし方の一助にしていただければ幸いです.
(編集部K.A)