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【医師国家試験”不合格”体験記】根拠のない自信に要注意!〜やるべきことを後回しにしてしまった国試対策〜
こんにちは,編集部のY.Tです.
今回は,第112回医師国家試験に惜しくも不合格となってしまった先輩の体験記をご紹介します.
勉強不足をテーマにした内容です.
自分の勉強量に自信がない方はもちろんですが,
「自分はなんとかなるだろう,大丈夫!」と思っている方にこそぜひ読んでいただきたい体験記です!
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【医師国家試験”不合格”体験記】根拠のない自信に要注意!〜やるべきことを後回しにしてしまった国試対策〜
(Y大学 K.Iさん)
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■□はじめに□■
112回国試では臨床・一般問題で4点足らず不合格となりました.
特に一般問題での失点が多く,勉強不足がモロに露呈した結果でした.
極論はただの勉強不足なのですが,
不合格に至るまでの気持ちの変化などを時系列にしてみたので,
勉強の息抜きにでも読んでいただければ(そしてあわよくば誰かのためになれば)幸いです.
■□なんとなく進級し6年生に□■
私は意外にも6年生までは順調に進級してきました.
授業や実習に熱心に取り組み,家では極力勉強しないという謎のスタイルで,
学内試験やCBTをなんとか順調に合格してきたんです.
(実際学内試験もCBT対策も授業プリントを何回か見た程度で終わりました)
しかし今思えばその体験が,後の根拠のない自信を生み出す結果となります.
■□実習が終わり,卒業試験ラッシュへ□■
私の大学では,実習が終わった6年生の7月から2ヵ月にわたって,
科ごとの卒業試験が行われます.
ここでようやく国試勉強もしなければならないと考え,
卒業試験の勉強と並行してクエスチョン・バンク(以下,QB)もはじめました.
そのかいあってか卒業試験は難なく合格できました.
ただ,グループでの勉強会で,
友達は「QB◯周した」などという話をしていて,正直焦りも感じていました.
私は卒試が終わった9月時点でQBが1周も終わっていない状態だったのです.
しかし結局,「今までなんとかなってきたのだから,国試も大丈夫だろう」と
高をくくり,勉強に本腰を入れることはありませんでした.
■□秋から年末へ,公衆衛生ブーム到来□■
そうこうしているうちに実習やテストから開放された秋がやってきました.
この頃友達は公衆衛生対策を始め,
勉強会でも公衆衛生にかける時間が多くなっていました.
周りの友達に勉強の後れを取っている私は本来,他科の勉強をすすめつつ,
公衆衛生を並行して(他人にもまして)勉強すべきでした.
しかしその時の私は公衆衛生を始めるや否やその勉強にハマってしまい,
昼夜公衆衛生漬けの日々を送ってしまったのです.
模試の成績はもちろんかんばしいものではなかったのですが,
「なんとかなる」精神は健在でした.
■□年末〜年明けへ,今度は必修ブーム到来□■
年末が近くなると,周りから必修落ちへの懸念の声が聞こえるようになってきます.
私もその流れに乗り,にわかに必修対策に走りました.
勉強の遅れから知識に不十分さが否めなかった私は,
ある程度サクサクと解ける必修問題にハマり,
クイズ感覚で必修問題の演習に明け暮れました.
この頃ようやく全てのQBを一周解き終わったのですが,
成績は(当然ながら)鳴かず飛ばずの状態でした.
直前期には一応,予備校のネット講座で臨床問題の対策もしていました.
臨床問題には知識がないからこそ先入観なしに正解できる問題があります.
そのような,受験生の正答率が低い問題を解ける快感だけがその時の心の支えでした.
■□そして勉強不足のまま国試へ…□■
国試本番は不思議と緊張はありませんでした.
成績の良い同級生が極度に緊張しているのをみて
「あんなに緊張しなくてもいいのに…」と不思議に思ったほどでした.
冷静に考えれば国試で緊張しないほうが異常です.
大して勉強しないで臨むと不思議と緊張しないものなのですね.
厚労省のHPで結果を見た時も落ち込むことはなかったです.
むしろ「ですよね…」という感じで安心したのを覚えています.
国試勉強は結局のところ,周りと同じことをしていれば(できていれば)良いのですが,
私のような誤った方向性に走ってしまうと悲惨な結果が待っています.
今やるべきことは何かということを意識し,
もし勉強が遅れているとすれば,周り以上に頑張らなくてはいけません.
当然のことながら,勉強に近道や裏技はありません.
私は今,これを読んでいただいている皆さんと一緒に良い春を迎えることができるよう,
友人と進捗状況を確認しあいながら勉強しています.
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いかがでしたでしょうか.
自分の状況を理解して,勉強の計画を立てていくことが
大切だということが分かりましたね.
みなさんも,今何をするべきかを意識しながら
国試まで頑張っていきましょう!
K.Iさん,貴重な体験記をありがとうございました!
(編集部Y.T)