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マッチングの面接対策 キホンのキ ~「自己PR」「志望動機」「将来像」編~

面接対策 キホンのキ

夏本番となり,マッチングも大本番を迎えている今日この頃.皆様,マッチングは順調でしょうか?

この時期の6年生が一番気になる話題は,やっぱり「マッチングの面接対策ってどうすればいいんだろう?」ということだと思います.

ペーパーテストと違って明確な合格基準の見えてこない面接を前にして,どう対策すればよいのだろうかと考えあぐねてしまいますよね.

この記事では,面接に真っ向から立ち向かおうとした際に,本質的に何を考えるべきかに差し迫り,面接対策の柱となる部分を具体例付きで解説します.

面接の三本柱,「自己PR」「志望動機」「将来像」

まず,マッチングに限らず採用試験全般において,採用側が聞きたいことは,

どんな人物が

どんな理由でうちにきて

将来どうしたいと思っているのか

でしょう.

その人自身の過去・現在・未来を元に,採用側は「この人うちにきてもうまくやってけそうかな」と判断するわけです.

そしてこれらの項目って,そのままズバリ,

どんな人物が → 自己PR

どんな理由でうちにきて → 志望動機

将来どうしたいと思っているのか → 将来像

ですよね.そうです,履歴書やエントリーシートによく記載欄が設けられているアレです.

面接では,これらの事項をベースに,「私は貴院にあっています! やりたいことがあります!」と主張するわけですから,履歴書で同事項が問われている以上,面接で何を主張するかを意識して履歴書を仕上げる必要が出てきます

つまり,履歴書を書く段階から面接対策は始まっています

面接で履歴書と矛盾のないアピールができるよう,面接を意識して履歴書の準備を行いましょう.

自己PRのポイント

自己PRでは「見せたい自分」を強調したい

自己PRでは,「私はこんな人です」ということを主張していくことになります.

ここで,「私はこんな人です」は病院の求める人物像に沿ったものであるべきでしょう.

(例)

救急をバリバリやることが売りで,とにかく体と手が動く研修医を求めています!といったような病院の場合……

悪い例

→「私は読書好きで教養豊かです」

よい例

→「中学から野球を続けてきて,体力には自信があります」

では,病院の求めていそうな人物像をどう知ればよいかというと……それは,病院見学で聞きましょう

研修医に「同期はどんな人が多いか」を聞いてもよいですし,採用に関わりそうなポジションの人と直接コンタクトを取れたのであれば,「どんな研修医にきて欲しいですか?」と聞いてみてもよいでしょう.

研修医募集のWebページでもある程度は判断できるかもしれませんが,やはり見学で直接聞くのが最良です.

また,病院見学で自分のキャラクターと合っていない病院だな,と感じた場合は,それでも面接で自分を偽って受かりに行くよりは,その病院自体を受けるかどうか再検討した方がよいかもしれません.

もし万が一自分と合っていない病院に受かってしまった場合,その後の研修生活がつらいものになりかねませんよ.

エピソードベースで「見せたい自分」を主張する

「この病院ではこういう人物が好まれそうだ」という仮説が立ったら,それに沿った「私はこんな人です」をエピソードベースで語れるようにしましょう.

なぜエピソードベースかというと,「私はこんな人です」と主張するためには,「過去にこういうことを考え,こういうことをしてきた」という根拠がなければ,客観的な信憑性に欠けるからです.

ということで,部活でもアルバイトでもなんでも構いません.自分がこういう人だと言えるエピソードを用意しましょう.

また,同じエピソードであっても,切り口次第で見せ方を変えることができます

(例)

部活の主将を努めたというエピソードを使う場合……

コミュニケーション能力をアピールしたい

→「先輩後輩問わず積極的にコミュニケーションを取り,信頼を獲得した.それが主将への抜擢につながった」

真面目さをアピールしたい

→「真っ直ぐ部活に打ち込み続け,“あいつしかいない”と主将に抜擢された」

その病院にあなたの魅力が十分伝わるようなアピールの仕方を検討しましょう.

志望動機のポイント

一貫性を大切にする

志望動機では,あなたがその病院の何に魅力を感じて,その病院で何をやりたいのかをアピールすることになります.

ここで,まず大前提として,「その病院に感じた魅力」と「その病院で何をやりたいのか」は方向性を一貫させないと面接官に「アレ?」と思わせることになってしまいます.

(例)

内科が強いが,外科は常勤医が数名という体制の病院の場合……

悪い例

→「外科手術の現場に多数立ち会い,外科的手技の基本を身に着けたい」

よい例

→「数多くの内科的疾患に触れ,どの科に進んでも必要となる内科的な基礎を身に着けたい」

さらに,「その病院で何をやりたいのか」は,自己PRで主張するあなたのアピールポイントとも地続きになっている方が説得性が増すでしょう.

志望動機を違和感なく受け取ってもらうためには,自己PRと志望動機の一貫性が重要になります.

志望動機のタネは病院見学で貪欲に拾う

その病院についてあなたが魅力を感じているのは,給与でしょうか,勤務体制でしょうか,それとも福利厚生でしょうか?

そうした待遇・処遇面を志望動機として前面に出すことはあまり好ましくありません.

その病院が強みとしていそうなことを,魅力を感じた点としてきちんと言語化するようにしましょう.

その際,特定の科の年間症例数や常勤医の数など,Webページやパンフレットから分かる情報をきちんと調べ,研究して,動機の一部とすることももちろん大切です.

ですが,志望動機には,見学を通して感じた生の声も反映させた方が,より納得感があり,印象のよいものになることでしょう.

(例)

救急を見学して研修医が指導医の側で密にアドバイスを貰いながら手技に取り組む様子を見た場合……

→「見学を通して,経験豊富な先生方による熱心な指導のもと,救急的な対応力を身につけられる研修環境に魅力を感じた」

見学の機会を無駄にしないよう,見学ではその病院のいいところを積極的に拾いに行きましょう

あなたが与えられるいい影響も抱負として提示

これは自己PRで主張しても構わないのですが,病院側があなたを採用するメリットを提示できるとなお良いでしょう.

そこで大切になるのが,自己PRで示した人物像と矛盾しないよう,病院側が求めているであろうメリットを提起することです.

(例)

自己PR「スポーツに取り組み続けた体力が自慢」

病院の求めるもの「地域に残ってくれる人材を育てたい」

という場合……

悪い例

→「最先端の論文を調べ,学び,吸収し続け,最新の知見を院内の皆さんと共有する」

よい例

→「持ち前の体力を活かして積極的に診療に関わっていくことで,長期にわたって地域に貢献可能なよう,救急的な対応力をいち早く身につける」

病院側の採用意図を,見学で情報を集めるなりして類推するように努めましょう.

将来像のポイント

自己PRや志望動機と地続きな将来像を

将来像として,あなたが将来的にどのような医師になりたいのかが問われることも多々あります.

ここで大切になることが,自己PRで示した自身の人物像から想像できる,志望動機と地続きになった将来像を示すことです.

(例)

自己PR「体力に自信がある」

志望動機「外科症例の豊富な貴院で積極的にオペに入って外科手技の基礎を身につけたい」

という人の場合……

悪い例

→「専攻医の頃より外科的治療の治療効果についてメタ分析に努め,大学院での学位を取得することでアカデミックな視点を養いたい」

よい例

→「一人前の外科医として,一人で執刀医を完遂できる実力をいち早く身につけることを目標とし,医師不足の地域に貢献したい」

このように,「私がどんな人物か」は「なぜ入職したいのか」に繋がり,「なぜ入職したいのか」は「将来どうなりたいのか」に繋がっているのです.

自己PR,志望動機,将来像の一貫性を意識して,言いたいことの基本線を組み上げましょう.

また,将来像は,その病院のWANTと合致しているとなお良いでしょう.

地域の中核病院であれば地域に貢献する未来を,内科の基幹施設であればそのまま専攻医として入職する未来を,といったように,病院がどうして欲しいかを汲み取った将来像を描くとベターです.


以上,マッチングの面接の柱となる,「自己PR」「志望動機」「将来像」の組み立て方でした.

参考になりましたでしょうか?

この記事が,忙しい中マッチングに勤しまれている皆様にとって,少しでも役立つものであったならば幸いです.

次回は面接本番でよく聞かれる想定質問について扱っていきますので,楽しみにしていてください!

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