イヤーノート2025 内科・外科編
【重要!】112回医師国家試験の変更点(出題数・日程・合格基準など)
※本記事は112回医師国家試験以前に公開されたものです.定番記事の情報は毎年更新しておりますので,こちらもご参考下さい
こんにちは.編集Aです.
気付けば10月も2週目に入りましたね.
6年生は卒業試験真っ只中で,国試対策は一時中断しているという方もいるかと思いますが,
これから国試直前期を迎えるにあたり,今日は既報も含めて
「第112回医師国試(以下「112回」)の変更点」をもう一度整理してみたいと思います.
112回を受験する方々はもちろん,来年受験する5年生の皆さんもぜひ目を通しておいてください.
※2017年9月末現在の情報です.
【1】出題数が400問,日程が2日間に!
これはさすがにもう皆さん大丈夫でしょうか.
112回からは,“必修問題以外の一般問題”が100題減り,合計「400題」になります.
そして試験日数は,従来の3日間から「2日間」に.
日付は平成30年2月10日(土)・11(日),時間は両日とも9:30~18:30が予定されています.
ただし確定ではないとのことなので,必ず受験票とともに届く資料を確認しましょう.
【2】合格基準・合格点の区分が変わる!
これまで,合格基準は3つに分けて設定され(必修問題,必修以外の一般問題,必修以外の臨床問題),
それぞれ独立して採点されていました.
しかし112回からは,(1)必修問題,(2)必修以外の問題(一般+臨床)という
「2つの合格基準」に変わります(下図).
また,合格基準の区分の変更にあわせて,
「必修以外の臨床問題」の配点が「1問1点」になっています(詳細は後述).
さて,こうした大きな変更が予定されているわけですが,
シンプルに考えると,以下のような疑問を持つ人も少なくないかと思います.
一緒に考えてみましょう.
=====================================
◆Q1.「問題数が減る…ということは,国試はラクになるの?」
=====================================
日程が2日間になり出題数が100問減りますから,
試験期間中の負担は当然減りますよね.
(3日間という日程は,集中力や精神力を保つうえでなかなかハードでした)
でもここで注目したいことは,問題数ではなく「出題範囲」です.
国試には出題基準が定められており,
112回対応の最新の出題基準(平成30年版医師国家試験出題基準)をみると,
111回までの出題基準と比べて,大きく削減された情報はありません.
各分野の予定出題割合が示されており,これに問題総数を掛ければ
その分野の出題数が概算できますが,
公衆衛生を除く全分野からまんべんなく問題数が減らされており,
特定の分野の出題数だけが目立って減っているわけではないんです(メディックメディア調べ).
(参考:以前の記事はこちら)
出題数は減っても,試験範囲は変わっていない….
つまり,「試験対策」として網羅・対応しなければいけない内容は減っておらず,
これまでの受験生と同様の勉強量が必要といえます.
この意味では,国試はラクにはなっていないんですね.
=================================================
◆Q2.「臨床問題の配点が下がった…ってことは,臨床問題の重要性は下がったの?」
=================================================
違います!
逆に“臨床問題の重要性が高まった”のが,今回の変更の肝なんです.
111回までは,一般問題は1点、臨床問題は3点という配点でした.
このため,一般と臨床が合計される「必修問題」では,臨床問題が重要といえましたが
必修以外の一般問題と臨床問題には,それぞれ別々の合格基準が設けられており,
それらをクリアする必要がありました.
配点は1点と3点で違っても,これらが合計されることはなく,
一般問題と臨床問題は同数の出題量だったので,1問の重さは同じだったわけです.
112回では,一般問題と臨床問題が合計される合格基準に変わったので,
臨床問題の配点が,一般問題同様「1点」にそろえられました.
一般と臨床の1問の重さはこれまで同様変わりません.
ただし,ここからが重要.
112回では,一般問題が100問削減されますよね.
つまり,一般問題100問に対し,臨床問題が200問.
111回に比べて,むしろ「臨床問題対策の重要性が倍になった」といえるのです.
臨床問題には,臨床問題特有の思考
(診断に至るまでの過程,病態に対する対応の判断,複数の鑑別疾患の想起,検査・処置の順序立て,など)
が必要です.
もともと近年の国試でも,臨床ならではの問題が多く出題されるようになっていることは
みなさんもすでにご存知かと思います.
111回では,111A26,111B50-52,111I44 など(他にも多数)が,受験生を苦しめました.
6年生はもちろん,国試対策序盤の5年生は特に,
過去問(特に直近3回)やネット講座などで,こういった臨床問題特有の思考過程を
意識して勉強していきましょう.
◆最後に◆
試験期間中の負担は減るといいましたが,
今まで500問を3日間かけて解いていたところ,(単純計算で)400問を2日間で解くことになりますから,
1日あたりの負担は大きくなります.
3日という長丁場からは解放されますが,
国試が集中力・体力・精神力の必要なイベントであることに変わりはありません.
体調管理も国試対策の一つと位置付けて,万全な状態で国試本番にのぞめるよう,
これから直前期にかけて,気をつけて過ごしてください.
6年生はこれからのスパートでしんどい気持ちになることもあるかと思いますが,
まわりの友人と情報を確認したり,進捗を確認したり,時には息抜きしながら
国試本番をベストな状態で迎えてください.
皆さんの合格をお祈りしています!!
◆この内容は,今月下旬に発行予定の無料情報誌「INFORMA vol.60」にも掲載予定です.
全国の医学部5・6年生の国対委員・またはメディックメディアモニターの方宛てにお送りします.
(編集部A)