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本当にコストパフォーマンスのいい医学部CBT対策・勉強法とは? その1
こんにちは!編集部R.Aです.
いよいよ『クエスチョン・バンク CBT(QB CBT)』の2019年版が発行されます.
本日から何回かに分けて,
新4年生(一部3年)の方向けに
CBTやOSCEのご説明をさせていただきます.
◆◆そもそもCBT・OSCEとは…?
ご存知の方も多いかと思いますが,
CBTとはコンピューターを用いた試験で,
ランダムに出題される320問を6ブロックに分けて解きます.
OSCE(オスキー)は実技試験で,
医療面接や診察,外科手技などが項目にあります.
CBT・OSCEは5年生から始まる臨床実習で,
学生に認められた医療行為を行うための「仮免許」を与える試験です.
つまり,CBT・OSCEをパスできないと実習が必須になる5年生になれません.
実質的に,5年生になるための進級試験となっています.
◆◆CBT実施時期と採点・合格基準
これまでCBTは4年生12月~2月に行う大学が主でした.
しかし,ここ数年で時期を早めている大学も多いです.
(具体的には,8月下旬から9月頃に行う大学が増えています.)
それから,合格基準が数年前より高くなっている大学も少なくありません.
CBTで出題される320問のうち,
240問が「前年度以前も出題された問題(=プール問題)」,
80問が初めて出題される「新作問題」です.
そしてプール問題(240問)だけが採点されます.
大学にもよりますが,
基本的に「プール問題の正答率64%程度」が最低の合格ラインです.
(実際の合格基準は正答率ではなくIRTというスコアが設定されています.)
「CBTの成績は国試の成績に相関する」というデータや,
「マッチング試験の際に成績を聞かれる」ケースもあり,
出来ればしっかり対策をしておきたいところです.
◆◆でも時間がない…そんなあなたは是非「臨床」から勉強を!
とはいえやっぱり,皆さん忙しいのです….
時間を無駄なく使うためにも,臨床的な勉強から,具体的には
『QB CBT』の「vol.2臨床前編」「vol.3臨床後編」を先に演習,
(「vol.1基礎編」「vol.4連問編」を後回しに)してみてください.
理由は,臨床的な知識はCBTでも配点の比重が大きく,
また,CBT以降も繰り返し問われるためです.
CBTが終わったあとは,下のような流れになると思います.
CBT→実習→国試対策開始→マッチング試験→卒試→国試
この流れの中で,基本的には問われる範囲が共通しています.
それは「臨床」,つまり,臓器別の総論・各論です.
例えば,内分泌であれば
(1)下垂体や甲状腺の解剖やホルモンなどの総論的知識
(2)下垂体腺腫やBasedow病などの各論的知識
が繰り返し問われるわけです.
そして,総論と各論では各論,
すなわち「病気の知識」の方が多く出題されるのです.
(神経や産科は例外的に総論的な知識もかなり問われます)
4年生までの学習の集大成ともいえるCBTは,
基礎医学などの非臨床系の出題は35%程度にとどまります.
残り65%が臨床系の出題で,中でも疾患各論が最も多いです.
臨床実習もベッドサイドが基本ですから,
『病気がみえる』や『イヤーノート』にまとまっているような,
その科その科の各論的知識が最も重要となります.
医師国試もやはり各論が主役.
ガイドライン上,総論と各論は半々で出題されることになっていますが,
総論の問題,特に総論の臨床問題は,結局は各論的知識で解く問題が多いので,
国試の65%は疾患各論の知識を使うとイメージした方がいいと思います.
卒試は大学にもよりますが,今は国試形式の試験を行う大学が多いので,
国試と同様と考えて問題ありません.
6年生の夏以降にあるマッチング試験は,病院によって傾向が異なりますが,
初めの「足切り用」として,国試的な知識を問う試験を行うケースが多くあります.
つまり4年生の皆さんは,これから6年生の国試まで,様々な試験が続き,
臨床系,特に各科の疾患各論を中心とした知識が問われ続けていくのです.
臨床科目は出断範囲も問われる知識も多いため,単にCBTの得点効率だけを考えれば,
一部の基礎科目や,公衆衛生の方がお得かもしれません.
ですが,CBTの先も考えると,やはり臨床的な知識を優先するのが効率的でしょう.
繰り返しになりますが,時間がない方のCBT対策は
『QB CBT』の「vol.2臨床前編」「vol.3臨床後編」を先に演習,
「vol.1基礎編」「vol.4連問編」を後回しにするのが良いでしょう.
復習も,時間が限られてきたら臨床系を優先するのがよいと思います.
(基礎医学などを勉強しなくていいと言っているわけではありません.
あくまで,優先順位の問題です.)
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今回は,CBT・OSCEの基礎や,
CBT対策をコストパフォーマンスよく行うための基本の話をしました.
次回は,コストパフォーマンスのよい
「臨床的知識の勉強法」や「メディックメディアの書籍の使い方」などをお話したいと思います.
(編集部R.A)