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第113回医師国家試験【禁忌肢】採点問題はどれだった?\今年も解明!/

 

 

こんにちは.解析2年目にしてすっかり禁忌肢担当となりました編集Yです.

 

第113回医師国家試験の受験者の皆様,本当にお疲れ様でした.
また合格発表後,メディックメディア(mediLink・講師速報)からの「禁忌肢情報(医師国試成績通知書)ご提供のお願い」メールにお応えいただき,成績通知書をお送りいただいた皆様,本当に本当にありがとうございました!

 

国試の解析手法には数あれども,この禁忌肢分析だけは皆さんの成績ご提供がないとにっちもさっちもいきません.
情報提供いただいたメール文中でも,「お世話になりました」「後輩のために役立ててください」など,ありがたい言葉のオンパレードで,いつもこの時期は感激です…!

 

そのようにしてお寄せいただいた「成績通知書の禁忌肢選択数」情報から,「講師速報」での解答入力情報を組み合わせ,今年も判明しました「第113回医師国家試験 禁忌肢採点問題」.さっそく公開です.
今年は「禁忌肢採点問題の概要の復習」と「近年の禁忌肢採点問題の傾向のまとめ」からいきますよ!
なお話題騒然となった,昨年の禁忌肢分析記事も下記からご参照ください.
https://informa.medilink-study.com/web-informa/post13355.html

 

以下,長文となりますので,お時間のあるときにお読みください.
(医学生さんもDrも忙しい!)

 

 

■第113回医師国家試験 禁忌肢採点問題の概要

 

まずは去年の記事でもお伝えした,禁忌肢分析に基づく「禁忌肢採点問題」の概要と,第113回禁忌肢採点分析のまとめから.

 

1.禁忌肢採点問題は国試の全400問中,約10問

2.禁忌肢採点問題は必修問題以外(総論や各論)からも出題されている

3.禁忌肢採点問題は正答率によって左右されない

4.禁忌肢採点問題は相対禁忌を含み,かつ禁忌の軽重によって左右されない←New!

5.禁忌肢を1問でも踏んだ人は113回国試受験者全体の約3割,禁忌肢落ちした人は全国で数人

 

昨年の「禁忌肢を1問でも踏んだ人が受験者全体の約半数」には及ばないものの,今年も約3割の人が何らかの禁忌肢を踏んでいました.

4問以上禁忌肢を踏んだ「禁忌肢落ち」「禁忌肢単独落ち」も,去年ほどではないものの,数人いた模様…(涙)

2.の「必修以外の総論や各論からも禁忌肢が出題される」のは,そろそろお馴染みになってきたでしょうか.この後で実際の問題リスト,公開です.

 

さて,今年特に強調したいのは

4.禁忌肢採点問題は相対禁忌を含み,かつ禁忌の軽重によって左右されない←New!

こちらです.

 

特に,禁忌肢選択者がほとんどいなかった頃の過去の国試に馴染みがあって,既にDrとして活躍されている方に多いのですが,
これは禁忌肢採点問題じゃないと思うよ.確かに病態が悪化するけど,そこまで重篤な状態にならないし
というご意見.

 

かつての国試では「死亡もしくは不可逆的な臓器障害に至るもの」だけが禁忌肢採点問題とされていました.
が,弊社解析によれば,近年国試は,以下でもご覧頂きますように,もうちょっとゆるい「相対禁忌」と呼ばれるものも禁忌肢採点問題として採用されている.

また逆に,絶対禁忌と言えそうな問題が禁忌肢採点問題にはなっていなかったりもする.

 

112回以降の国試では,全体として禁忌肢と言ってもよい問題が20~30問ほどあり,その中から10問ほどが「禁忌の軽重にかかわらず」禁忌肢採点問題として採用されている.

ここはぜひ強調しておきたいポイントです.

禁忌肢採点問題が絶対禁忌だけだとしたら,実臨床では絶対やっちゃいけないことなので,本来は1問踏んだだけでアウトですよね.
(実際に過去の国試では,禁忌肢選択数が1問のみでギリギリセーフ,2問以上で即不合格となった時代がありました.その代わり,禁忌肢がどれであるかは今より明確だったような気がしますが…)

絶対禁忌も相対禁忌も含めて3問まではOKだよ,でもさすがに4問以上はアウトだよ,だから『医者としてやっちゃいけないこと』はまんべんなく覚えておいてね
という,もし出題者側の意図があるのだとすれば,そういうことなのだと思います.

 

さて新6年生の皆様,おわかりですね?
禁忌肢はどれが禁忌肢採点問題になるかわからない.絶対禁忌から相対禁忌まで含めて,漏れなく対策すべし
…と,こういう結論です.

 

禁忌肢採点問題になった禁忌肢もならなかった禁忌肢も,113回の禁忌の解説がすべて読める,メディックメディア『第113回医師国家試験問題解説』,4月26日発行予定です!

 

…前置き(とCM)が長くなりました.ここからは実際の問題の一覧です.

 

 

■第113回医師国家試験 禁忌肢・禁忌肢採点問題の一覧

 

まずは113回国試の弊社調べ,絶対禁忌も相対禁忌も含めた「禁忌肢問題(=禁忌肢採点問題になるかもしれない問題)」リストからどうぞ.

 

113A8 c 妊婦にビタミンA誘導体内服

113A34 a 心房細動にアトロピン投与

113A35 b もやもや病脳室内出血に血栓溶解療法

113A42 d 抗血小板薬内服中に切開術

113A43 c ブシラミンによる膜性腎症疑いにブシラミン増量

113A59 b 糖尿病腎症にビグアナイド追加(腎排泄性)

113A63 e 妊婦に経口血糖降下薬投与

113B12 bce 静脈採血の注意点

113B21 c 緊張性気胸に人工呼吸器装着

113B25 c 患者の承諾なしでプラセボ静注

113B27 e 抜けかけた胸腔ドレーンを押し込む

113B30 a 腎機能障害に腹部造影CT(造影剤投与)

113B37 c 迷走神経反射にアドレナリン静脈投与

113C28 e ストレスチェックの結果を本人の承諾なしに人事責任者に渡す

113C29 b 正常妊娠で帝王切開

113C52 ad 妊婦にNSAIDs・経口血糖降下薬投与

113C58 e 肺血栓塞栓症に運動負荷心電図検査

113D31 e 肺アスペルギルス症術後膿胸にステロイド投与

113D36 e 化膿性関節炎疑いを含む関節炎にステロイドパルス療法

113D41 c 急性喉頭蓋炎患者を帰宅させる

113D42 a 高血圧緊急症に降圧を行わない

113D43 a 腸閉塞に下剤投与

113D53 b 肺術後エアリーク持続中に胸腔ドレーン抜去

113D64 b 切迫早産にNSAIDs

113D73 de 双極性障害の躁状態にイミプラミン・パロキセチン(抗うつ薬)

113E10 c 妊婦にキノロン系投与

113E23 c 食道挿管で送気2分間継続

113E29 ab パーキンソン病に日中睡眠薬投与・身体拘束

113E36 c 前立腺肥大症に抗コリン薬単剤投与

113E37 b 脳腫瘍疑い(両側うっ血乳頭あり)に腰椎穿刺

113E41 c (英語問題)熱中症の意識障害患者に経口水補給

113E48 c ペニシリン系アレルギー患者にペニシリン系投与

113F30 ab 偽性心室頻拍にベラパミル・ジギタリス

113F55 a 閉塞隅角緑内障にアトロピン点眼

 

34問? うーん,なかなか壮観です….
択二・択三の問題(D64・D73など)は禁忌肢採点問題にはならないと言われていますが,禁忌肢としては一応並べてみました.

 

さて,では注目の,実際に「禁忌肢採点問題」と設定された問題は?
(念のため再度確認しておきますが,上記の問題リストどれが禁忌肢採点問題になってもおかしくはないですよ! 下記が禁忌肢採点問題になったのは「たまたま」です!)

せっかくなので,全受験者に対する選択率の高い順(メディックメディア「講師速報」調べ)で掲載してみましょう.

 

第1位 113E48 c ペニシリン系アレルギー患者にペニシリン系投与

第2位 113D53 b 肺術後エアリーク持続中に胸腔ドレーン抜去

第3位 113D42 a 高血圧緊急症に降圧を行わない

第4位 113A8 c 妊婦にビタミンA誘導体内服

第5位 113A35 b もやもや病脳室内出血に血栓溶解療法

第6位 113D36 e 化膿性関節炎疑いを含む関節炎にステロイドパルス療法

第7位 113B37 c 迷走神経反射にアドレナリン静脈投与

(以上,ほぼ確定情報.以下は禁忌肢選択情報が少ないためやや不確定情報)

第8位 113F55 a 閉塞隅角緑内障にアトロピン点眼

第9位 113B30 a 腎機能障害に腹部造影CT(造影剤投与)

第10位 113C29 b 正常妊娠で帝王切開

第11位 113C58 e 肺血栓塞栓症に運動負荷心電図検査

 

一挙! 判明分で上記11問でした.
眺めてみるといろいろ興味深いですね.

正直な第一印象は「禁忌肢採点問題と禁忌の重さとがほんと関連ないな…」です.

 

第1位の113E48は,必修2日目の終わりも終わりに近い頃での疲労の影響か,「アンピシリン/スルバクタム投与後に血圧低下と全身の皮疹」の既往歴を見落とした人が多数.

あとは第2位の「113D53 b 肺術後エアリーク持続中に胸腔ドレーン抜去」が,今年最高にえぐい(編集者の主観)禁忌肢採点問題!

というのも,昨年の禁忌肢採点問題に

  112A21 d 抜けた胸腔ドレーンを刺入部から再挿入する

  (胸腔内は清潔のため,汚染されたドレーンの再挿入は禁忌)

があったからです.

ドレーン再挿入の禁忌肢の翌年に,ドレーン抜去の禁忌肢を持ってくる…えぐいよ……
医学的に見ればいずれも禁忌肢として疑いはないのですが,「○○は禁忌」で単純に覚えるだけでは対応できなくなった,という事実でもあります.

 

さて,これ以外の23問につきましては,

 ・選択者がいるものの,他の情報との整合性から「禁忌肢ではあるが,禁忌肢採点問題ではない」ことが確定した禁忌肢

 ・選択者がほぼいない(禁忌肢選択者の情報が寄せられていない)ため「禁忌肢採点問題であったかどうかが不明」な禁忌肢

の2種類に分かれるわけですが,
繰り返しとなるものの,いずれもが禁忌肢ではあり,「禁忌肢採点問題とされてもおかしくはない」問題だったわけです.

 

 

■終わりに

 

以上,113回国試の禁忌肢採点問題のまとめとしては

112回国試ほど合否に大きな影響を与えなかったものの,依然として気が抜けず,対策が重要となる分野

という,当たり前のような物悲しいような結論となりました.
それから実際に,医師国試に合格して実臨床に出た際には,日常診療に直結する重要項目でもある.
しんどいけれど,地道に対策するしかありません.

これから1年,頑張れ,新受験生!

 

メディックメディアでは今後も引き続き,医学生さんを応援すべく,国試情報・禁忌肢情報についてお伝えしていきます.

 

 

(おまけ)実際の出題をみてみよう

 

第1位 113E48 c ペニシリン系アレルギー患者にペニシリン系投与

 

 

第2位 113D53 b 肺術後エアリーク持続中に胸腔ドレーン抜去

 

第3位 113D42 a 高血圧緊急性に降圧を行わない

 

第4位 113A8 c 妊婦にビタミンA誘導体内服

 

第5位 113A35 b もやもや病脳室内出血に血栓溶解療法

 

 

第6位 113D36 e 化膿性関節炎疑いを含む関節炎にステロイドパルス療法

 

第7位 113B37 c 迷走神経反射にアドレナリン静脈投与

 

第8位 113F55 a 閉塞隅角緑内障にアトロピン点眼

 

第9位 113B30 a 腎機能障害に腹部造影CT(造影剤投与)

 

第10位 113C29 b 正常妊娠で帝王切開

 

第11位 113C58 e 肺血栓塞栓症に運動負荷心電図検査