新着記事

その他

【みんなの心電図 〜非専門医のための読み方〜 第6回】P波はⅡ誘導とV1誘導を見よ (刺激伝導系その1  心房の伝導)

 

 

みんなの心電図

〜非専門医のための読み方〜

 

第6回 P波はⅡ誘導とV1誘導を見よ (刺激伝導系その1 心房の伝導)

 

 

———————————–

バックナンバーはこちら

———————————–

 

 

刺激伝導系の興奮は上大静脈開口部にある洞結節から始まります.

 

 

 

 

心房では細胞同士がギャップコネクションにより接着しており,
ここをイオンが通過することで,伝導が起こります.

 

 

 

 

後にでてくるプルキンエ線維高速道路にたとえると,
心房の刺激伝導はじわじわゆっくり細胞間を伝わっていく,

一般道のイメージです.

 

刺激伝導系を整理するうえでは
「高速道路のように周囲と隔絶された伝導専用経路であるのか?」,
「伝わる速度が遅いのか,早いのか?」といった
性質の違いを整理することが大切です.

 

網目のような一般道をじわじわ伝わる電気の流れ一つ一つを
頭で理解することは難しいです.
そこで,出発地“洞結節”から目的地“心室”に向かって流れる
心房の電気を(細かい道筋の違いはいったん無視して),
右心房に流れるものと左心房に流れるものの2つに大別して考えます.

 

 

右房に流れた電気によりできる波を「右房波」
左房に流れた電気によりできる波を「左房波」といいます.
通常の洞結節は右房流出路付近にあることから

伝導は右房から始まります.
したがって,右房波と左房波のタイミングは

右房波→左房波の順番に出現します.

 

 

 

 

次に,12種類もある誘導のうち,
どこに着目してこの右房波と左房波をみればよいのでしょうか?

 

 

その答えは「Ⅱ誘導」「V1誘導」です.
Ⅱ誘導では右房波も左房波も電極に近づきます.
電極に近づく電気は心電図で上向きに記録されるのでしたね(第4回).

 

したがって,上向きの単峰性P波となります.

 

 

 

 

一方でV1は患者さんの右胸につく電極ですから,
先に出現する右房の電流は近づき,
後に出現する左房の電流は遠ざかっていきますね.
したがって,上向き→下向きの順番で二相性のP波になります.

 

 

 

 

右房波と左房波の見え方は

電極との位置関係によって12誘導で様々です(第5回).
しかし一番高くて見やすいのがⅡ誘導であり,
右房波と左房波のコントラストがはっきりとするのがV1誘導です.
このため,P波をみる際にはⅡ誘導とV1誘導をみるクセをつけることを

オススメします.

 

 

今日のまとめ
●心房波(P波)は「Ⅱ誘導」と「V1誘導」に注目する

 

著者:Dr. ヤッシー
内科医.心電図読影へのあくなき探求心をもち,
循環器非専門医でありながら心電図検定1級を取得.
これまでに得た知識・スキルを臨床現場で役立てることはもちろん,
教育・指導にも熱心.若手医師でなく,
多職種から勉強会開催の要望を受けるなど,頼られる存在.

 

——————————————————–

本連載の続き・バックナンバーはこちら

——————————————————–