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第113回 医師国家試験【体験記】時期・目的別『イヤーノート』のオススメの使い方〜買ったはいいけど,どうやって使うの?〜

こんにちは,編集部のY.Tです.

今回は113回医師国家試験に合格した先輩から『イヤーノート』(以下,『YN』)の使い方について教えていただきました.

6年生で購入してからの『YN』の具体的な使い方や,

『ATLAS』の活用法を紹介してくださったので,

「買ったのはいいものの,使い方がいまいち分からない…」と悩んでいる方や,

まだ購入されていない方にもオススメの内容となっています.

ぜひ,お読みください!

 

◆◆◆

第113回 医師国家試験【体験記】時期・目的別『イヤーノート』のオススメの使い方

〜買ったはいいけど,どうやって使うの?〜
(東京慈恵会医科大学 K.Gさん)

◆◆◆

 

□■『YN』を購入した時期〜6年生で買っても遅くない!〜■□

 

私が『YN』を購入したのは,6年の4月でした.

購入時期としては周りの友人よりも少し遅めだったと感じます.

『YN』は情報量が多いので

「買ったはいいけど,どうやって使うの?」となる方もいらっしゃるのではないでしょうか.

そこで,6年で購入した僕がオススメできる使い方を3点ご紹介します!

 

□■①実習で使おう:5年9月~6年7月■□

 

私が『YN』を初めて目にしたのは病棟実習のときだったと思います.

私の大学では,4年9月から5年の7月までがポリクリ(見学型臨床実習),

5年9月から6年7月までがクリクラ(参加型臨床実習)という流れでした.

 

クリクラの腎臓内科で血液透析を行っている患者さんを担当したのですが,

当時透析に関する知識はそれほどなく,

専門書を読むのはちょっとハードルが高いなと感じていました.

その時,病棟の本棚に置かれていた『YN』を先生に勧められ,

「血液透析」の項目で原理や適応,合併症などを確認しました.

 

他にも,「人工換気法」や「栄養療法」など,

臨床でよく遭遇するけど普段の勉強では手薄になりそうな項目も,

実習の役に立ちました(最近は国試でも頻繁に出ていますしね).

このころから「『YN』ってまとまっていて便利だなあ」と思うようになり,6年4月での購入に至りました.

(以前からアプリ版を持っていた友人はiPadなどで見ていて,書籍派の私としては羨ましい限りでした笑)

「買ったはいいものの,使い方がいまいち分からない」実習中の方はぜひ『YN』を開いてみてください.

 

□■②試験勉強で使おう:6年8月~国試■□

 

実習やマッチングが終わって卒試や模試の時期になると,

試験対策として『YN』を使う機会が増えました.

そこで,私は「わからなかった部分」「わかったけど自信がない部分」は

次のように色分けして線を引いていました(下図).

・直近3年分の国試で問われた→赤

・模試で問われた→青

・卒試で問われた→緑

 

 

この色分けをした理由は2つあります.

1つ目は試験の時期がバラバラだったから,

(卒試は10月と11月に2回,模試は9月,11月,1月に3回,国試は2月),

そして2つ目は各試験で求められているものが微妙に違ったからです.

私の大学の卒試はかなり細かい内容が問われることがあり,

卒試前には役に立っても国試前ではオーバーワークなところがありました.

そこで,「頭の片隅には置いておくけど国試前は見なくていいよ」という意味で緑線を引いていました

一方で,直近3年分の国試で問われたことは

細かい知識でもほぼ全ての受験生が勉強してくると想定されるので,

「これは忘れてはいけない!」という意味で赤線を引きました.

模試で出題された内容はその中間という意味で青線を引きました.

そして,線を引いたけれど別の機会でもう一度見返したところは追加で該当する色の線を引きました.

このようにすると,あとで『YN』を見返した時に,

自分の引いた線が「優先順位」として視覚的にみえるので,

直前期にとても効果的でした.

(編集注:『YN』アプリ内にもマーカー機能があるので,アプリでも使える勉強法ですね!)

 

『YN』にも過去国試で出題された部分は青字で書かれているので,参考になりました.

ちなみに,自分が緑線を引いた知識(卒試で出たもの)が113回の問題で新たに出たことがありました.

私が覚えている限りでは,113A75(Friedewald式)

113D60(強直性脊椎炎の腰背部痛の特徴)あたりです(下図).

卒試で見た知識を国試本番で見ることになろうとは….

 

●113A75(Friedewald式)

 

【実際の問題】

 

【『YN』の実際の誌面】

(編集注:『YN』に掲載されている式を押さえていないと解けない問題ですね.)

 

●113D60(強直性脊椎炎の腰背部痛の特徴)

 

【実際の問題】※X線写真省略

 

【『YN』の実際の誌面】

(編集注:ASについての説明もばっちり記載がありますね.)

 

□■③ATLASの使い方■□

 

『YN』に付録としてついている『ATLAS』についても紹介します.

私は友人に勧められ,マイナー科の勉強(特に眼科,耳鼻咽喉科,皮膚科)で

『ATLAS』の図を見るようにしていました.

典型的な画像が集まっているのでぜひオススメしたいです.

『ATLAS』には画像所見だけでなく疾患の知識も書かれており,

113D20のケラトアカントーマの問題で『ATLAS』の記述が役に立ちました

 

【実際の誌面】

直前期はマイナー科を詰めこみ直す方も多いと思いますが,

『ATLAS』も見てみると良いのではないでしょうか.

 

長くなってしまいましたが,『YN』の最大の良いところは

時期や目的によって色々な使い方ができるところだと思います.

また,実習や試験で知識がごちゃまぜになったときに「立ち返る場所」としても最適だと思います.

今回の私の体験記が皆さんのお役に立てれば幸いです.

 

◆◆◆

 

いかがでしたか?

『YN』を持っている人もそうでない人も,使い方がイメージできたのではないでしょうか.

皆さんも先輩のように,自分なりに工夫して『YN』を活用してみてくださいね.

K.Gさん,貴重な体験記をありがとうございました!

 

(編集部 Y.T)

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