イヤーノート2025 内科・外科編
[6年生向け]『データマニュアル(DM)』マラソン始まります!
みなさんこんにちは!
編集部のR.Kです.
4月に入り,新6年生の方の中には114回国試へ向け,
対策を始めた方もいらっしゃると思います.
さて,次回国試に向け,今回は国試の問題形式のお話をしたいと思います.
国試で最も多いのはA形式と呼ばれる五肢択一ですが,
101回からはX2形式と呼ばれる“2つ選べ”問題,
103回からはX3形式と呼ばれる“3つ選べ”問題や
“6肢以上の選択肢から選ぶ”多肢選択問題,
“数値を組み合わせて解答する”計算問題も出題されています.
ここで,113回国家試験の出題形式の内訳(計算問題(2問)は除く)をみてみましょう.
●A形式336問(平均正答率 84.0%)(採点除外となったA5,C34,F81は除く)
●X2形式52問(平均正答率 78.0%)
●X3形式6問(平均正答率 83.0%)(採点除外となったF42は除く)
となっていました.
X形式はA形式よりも正答率がやや低くなっていますね.
これはどうしてでしょうか.
X形式の問題を解くときに学生さんが悩む理由で最も多いのは,
「1つは選べるけど,あと1つ(あるいは2つ)が選べない」ということです.
2つ,あるいは3つ選択肢を選ばせる問題では,
より深い知識をたずねてくることがあります.
113回の実際の国試の問題を例にみてみましょう.
【113A14】
眼瞼下垂の原因となるのはどれか.2つ選べ.
a 加齢
b 霰粒腫
c 甲状腺眼症
d 滑車神経麻痺
e コンタクトレンズ長年装用
選択肢を1つずつみていきましょう.
○a 加齢により挙瞼腱が伸展し,眼瞼下垂がみられる.
×b 霰粒腫では眼瞼の部分的な腫瘤がみられる.霰粒腫は,マイボーム腺の閉塞による瞼板内の炎症であり,上眼瞼挙筋およびMüller筋を障害しないため,眼瞼下垂はきたさない.
×c 甲状腺眼症では眼球突出や上眼瞼後退,眼瞼浮腫がみられるが,眼瞼下垂はきたさない.
×d 滑車神経麻痺では眼瞼下垂をきたさない.眼瞼下垂をきたすのは動眼神経麻痺である.
○e コンタクトレンズの長年装用により挙瞼腱が伸展し,眼瞼下垂をきたす.
と,いうことで,この問題の正解はaとe.
本問の正答率は35.5%でした.
そして,各選択肢の正答率はというと,
a98.0% b50.3% c13.5% d1.8% e36.4%
となっていました.
aはほとんどの人が選べていますね.
どうやらbとeで迷った人が多かったようです.
問題の内容自体もなかなか細かい部分が問われたので,
受験生泣かせな問題の一つだったのではないのでしょうか.
この問題のように,1つだけなら正解選択肢を選べるのに,
もう1つの正解がわからないからこの問題は点数を落とすかもしれない!
そんなプレッシャーは意外と大きいと思います.
このプレッシャーに打ち勝つためには,
1つ1つの選択肢が正解か不正解か,きちんと考えられることが重要です.
国試の過去問を解いていると,明らかな正解選択肢があれば,
その他の間違い選択肢は特に気にしない人も多いかもしれません.
でも,大事にしていただきたいのは,不正解選択肢の解説!
国試では,前年で不正解選択肢として挙げられていたものが,
次の年で突っ込んで聞かれる,なんてことが多いのです.
とは言え,『クエスチョン・バンク(以下QB)』で問題を解くときに,
じっくり不正解選択肢の解説まで読むという方は少ないのではないでしょうか.
また予備校の講義でも,不正解選択肢の細かい解説は省かれてしまうこともあるかもしれません.
そこで活用していただきたいのが,1つ1つの選択肢をしっかり吟味するための問題集,
『データマニュアル(以下DM)』です.
『DM』は,国試の過去問の各選択肢をバラバラにして,
選択肢ごとに○×を付けられるようにした短期集中型問題集です.
- 総論・各論・小児科・産婦人科があります.
- 2019-2020版では112回までの過去問を掲載しています.
左ページに問題,右ページに○×と解説という構成になっており,
『QB』同様,疾患ごとの項目で整理されているので集中して問題を解きやすい作りになっています.
『DM』を解く=「1つ1つの選択肢に○×を付ける力がつく」ことなので,
実力が伸びること間違いなしです!
ぜひ,国試直前期の総仕上げにご活用ください.
そして『DM』を実際に体験していただける,
毎年好評のメルマガ限定『DMマラソン』2019-2020も本日から開始します!
毎週5問,国試直前までお届けしていく企画です!
たった5問ではありますが,5問×国試までの40週(予定)で200問の問題を演習できます.
まさに,塵も積もれば山となる!
これから国試までの10ヵ月間,ともに頑張っていきましょう!
では早速,DMマラソンスタート!
★DMマラソン:各論(消化管・腹壁・腹膜疾患)に○×をつけよう!
(1)胃食道逆流症(GERD)はHelicobacter pylori除菌治療の適応となる.(105I25)
(2)早期胃癌の定義は長径が1cm未満であることである.(108I9)
(3)Crohn病では非連続性病変(skip lesion)がみられる.(108A16)
(4)偽膜性腸炎の治療薬としてバンコマイシンがある.(111G57)
(5)大腿ヘルニアは男性に多い.(112A13)
↓
★正解★
(1) 【×】HP感染に伴って生じる疾患ではなく,除菌の効果はみられない.除菌により一時的にGERDが悪化する例もみられる.
(2) 【×】長径や大きさは問わない.
(3) 【◯】病変と病変の間に健康な粘膜を有する所見で,本症で特徴的.
(4) 【○】有効性が証明されている.
(5) 【×】8割以上が女性である. 中年以降の痩せ型の女性(経産婦)に多い.
※問題文の終わりに直近の国試番号を掲載しました.
「元の問題が知りたい」,「もっと詳しく勉強したい」といったときに
QBオンラインですぐに調べられます!
ぜひご活用ください.
(編集部R.K)