実習

[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その1)
検査全体を見て学ぼう

5年生のみなさん,こんにちは!
編集部のM.Tです.

 

早速ですが,みなさんが1年以上の時間を費やす臨床実習….
これが研修医生活だけではなく,国家試験にも大きく関係していることをご存知ですか?

 

国試を通してみなさんは
「研修医になるにあたって必要な知識」がしっかり身についているか問われます.
ここで勘違いしてはいけないのが,「国試では学問として医学を修めているかだけではなく,
実習を通して臨床で重要なことを十分に学んだかも問われる」ということです.

 

今週から数回にわたって,113回国試の問題を例に挙げながら,
臨床現場を学ぶ上で,実習をどう過ごすのがいいかについて,お話したいと思います.
題して!「国試からみる,臨床実習のポイント!」
第1回の今日は「検査全体を見て学ぼう」です.

 

■ 検査前に何の確認や準備が必要か

 

まずは113回国試から1問ご紹介します.

 

【113B15】
内視鏡下生検により採取された検体でH-E染色による病理組織診断を行うために,検体を直ちに浸すのはどれか.
a 蒸留水
b 重曹水
c 酢酸溶液
d パラフィン
e ホルマリン溶液

 

正答率69.6%の必修の問題で,正解は「e ホルマリン溶液」です.
皆さんこの出題の意図をどう解釈しますか?
ただの病理学の問題にしては「検体を直ちに浸す」という文言が気になるところです.

 

臨床検査技師の方がすぐに動けるような病院であれば,
「気管支鏡検査をしたいので,透視室に準備をお願いします」
と連絡を入れて,あとは検査の時間に透視室に向かうだけ,なんてこともできるのですが,
大学病院など,検査の件数が多い大病院においては,
研修医が各種検査の準備をする場面がたくさん出てきます.
当直中でスタッフがいない時間帯などはなおさらです.

 

今回の【113B15】では
「検体がとれてから,ホルマリン溶液が用意できないなんて言わせませんよ?
検査において何が必要か,しっかり事前に理解して,準備できるようにね?」
という,先生からのメッセージが裏に隠れているような気もします.
(僕自身,研修医のときは呼吸器内科の指導医から「うちの病院だから自分たちで準備しなくてもやらせてもらえているだけで,大学病院だと自分たちで準備するんだから,覚えとくんだぞ!」と口を酸っぱくして言われました…笑)

 

実習生が検査の準備を任されることはもちろんありませんが,
研修医になって仕事でバタバタする中で覚えるよりは,
落ち着いて勉強できる実習生のうちに,色々マスターしておく方がよさそうです.
内視鏡で映る映像や,先生方の手技を見て学ぶことはもちろん重要ですが,
そのもう一歩先,「何を準備していないと検査が成り立たないのか」を含めて
臨床実習を通して勉強しておきましょう.

 

今日の「国試からみる,臨床実習のポイント!」はここまで!
紹介した問題の詳しい解説は,
QBonlineや『113回医師国家試験問題解説』でチェックしてみてくださいね!

 

次回は「せっかくだから病棟キョロキョロ」をお送りします.お楽しみに!

 

(編集部 M.T)

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