イヤーノート2025(電子版)
[6年生向け]『データマニュアル(DM)』マラソン始まります!
みなさんこんにちは!
編集部のR.Kです.
4月に入り,新6年生の方の中には115回国試へ向け,
対策を始めた方もいらっしゃると思います.
さて,次回国試に向け,今回は国試の問題形式のお話をしたいと思います.
国試で最も多いのはA形式と呼ばれる五肢択一ですが,
101回からはX2形式と呼ばれる“2つ選べ”問題,
103回からはX3形式と呼ばれる“3つ選べ”問題や
“6肢以上の選択肢から選ぶ”多肢選択問題,
“数値を組み合わせて解答する”計算問題も出題されています.
ここで,114回国家試験の出題形式の内訳(計算問題(3問)は除く)をみてみましょう.
●A形式339問(平均正答率 85.3%)(採点除外となったE29,F63は除く)
●X2形式40問(平均正答率 79.3%)
●X3形式16問(平均正答率 70.1%)
となっていました.
X形式はA形式よりも正答率がやや低くなっていますね.
これはどうしてでしょうか.
X形式の問題を解くときに学生さんが悩む理由で最も多いのは,
「1つは選べるけど,あと1つ(あるいは2つ)が選べない」ということです.
2つ,あるいは3つ選択肢を選ばせる問題では,
より深い知識をたずねてくることがあります.
114回の実際の国試の問題を例にみてみましょう.
【114F30】
高濃度酸素が誘因となる早産児の合併症はどれか.2つ選べ.
a 壊死性腸炎
b 頭蓋内出血
c 慢性肺疾患
d 未熟児貧血
e 未熟児網膜症
選択肢を1つずつみていきましょう.
×a 腸管の未熟性に加え過剰輸液,哺乳過剰,腸管虚血,感染などが原因として挙げられる.
×b 早産,仮死,呼吸循環動態の未熟性,脳血管自動調整能の未熟性が原因として挙げられる.
○c 肺の未熟性に加え高濃度酸素による酸素毒性,感染,人工呼吸器による圧損傷・量損傷などが原因として挙げられる.
×d 頻回の採血や出血,エリスロポエチンの分泌抑制,鉄欠乏が原因として挙げられる.
○e 網膜の未熟性に加え高濃度酸素による酸素毒性,感染,水分過剰,輸血,低血圧などが原因として挙げられる.
と,いうことで,この問題の正解はcとe.
本問の正答率は35.0%でした.
そして,各選択肢の正答率はというと,
a21.5% b23.2% c43.2% d24.1% e88.0%
となっていました.
eはほとんどの人が選べていますが,
もう1つの選択肢で迷った人が多かったようです.
問題の内容自体もなかなか細かい部分が問われたので,
受験生泣かせな問題の一つだったのではないのでしょうか.
この問題のように,1つだけなら正解選択肢を選べるのに,
もう1つの正解がわからないからこの問題は点数を落とすかもしれない!
そんなプレッシャーは意外と大きいと思います.
このプレッシャーに打ち勝つためには,
1つ1つの選択肢が正解か不正解か,きちんと考えられることが重要です.
国試の過去問を解いていると,明らかな正解選択肢があれば,
その他の間違い選択肢は特に気にしない人も多いかもしれません.
でも,大事にしていただきたいのは,不正解選択肢の解説!
国試では,前年で不正解選択肢として挙げられていたものが,
次の年で突っ込んで聞かれる,なんてことが多いのです.
とは言え,『クエスチョン・バンク(以下QB)』で問題を解くときに,
じっくり不正解選択肢の解説まで読むという方は少ないのではないでしょうか.
また予備校の講義でも,不正解選択肢の細かい解説は省かれてしまうこともあるかもしれません.
そこで活用していただきたいのが,1つ1つの選択肢をしっかり吟味するための問題集,
『データ・マニュアル(以下DM)』です.
『DM』は,国試の過去問の各選択肢をバラバラにして,
選択肢ごとに○×を付けられるようにした短期集中型問題集です.
- 総論・各論・小児科・産婦人科があります.
- 2019-2020版では112回までの過去問を掲載しています.
左ページに問題,右ページに○×と解説という構成になっており,
『QB』同様,疾患ごとの項目で整理されているので集中して問題を解きやすい作りになっています.
『DM』を解く=「1つ1つの選択肢に○×を付ける力がつく」ことなので,
実力が伸びること間違いなしです!
ぜひ,国試直前期の総仕上げにご活用ください.
そして『DM』を実際に体験していただける,
毎年好評のメルマガ限定『DMマラソン』2020-2021も本日から開始します!
毎週5問,国試直前までお届けしていく企画です!
たった5問ではありますが,5問×国試までの40週(予定)で200問の問題を演習できます.
まさに,塵も積もれば山となる!
これから国試までの10ヵ月間,ともに頑張っていきましょう!
では早速,DMマラソンスタート!
★DMマラソン:各論(消化管・腹壁・腹膜疾患)に○×をつけよう!
(1)食道静脈瘤の内視鏡治療では結紮術を行う.(109A18)
(2)後期ダンピング症候群ではインスリンの反応性過分泌がある.(104G45)
(3)過敏性腸症候群では嘔吐がみられる.(108C4)
(4)自覚症状のない大腸憩室症に対して,粘膜切除術を行う.(109I12)
(5)大腿ヘルニアは高齢男性に多い.(110A18)
↓
★正解★
(1) 【○】食道静脈瘤の内視鏡的止血術には,内視鏡的静脈瘤硬化療法と内視鏡的静脈瘤結紮術がある.
(2) 【○】食事による一過性高血糖がインスリン過剰分泌をひき起こす.
(3) 【×】上部消化管症状である嘔吐は認められない.
(4) 【×】腫瘍性病変ではないため粘膜切除術の必要はない.筋層を欠く仮性憩室の場合,粘膜を切除すると穿孔する危険性がある.
(5) 【×】中年以降の女性(経産婦)に多い.
※問題文の終わりに直近の国試番号を掲載しました.
「元の問題が知りたい」,「もっと詳しく勉強したい」といったときに
「QBオンライン」ですぐに調べられます!
ぜひご活用ください.
(編集部R.K)