CBT・OSCE

[1〜4年生]CBT体験記:短期集中!深めるべき場所を明確に【バックナンバー】

みなさんこんにちは.
先日「QBオンラインCBT vol.5」と「CBT模試」が公開されました.
CBT対策は進んでいますか?

本日は,昨年配信したCBT体験記の中から好評だったものを再度配信いたします.

この先輩はコロナ禍での混乱の中,2ヵ月という比較的短期間で集中してCBT対策をしたとのこと.
「QA」と「QBCBT」を併用しながら勉強していたようです.
また,「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を確認する重要性を教えてくださいました.


CBT体験記:短期集中!深めるべき場所を明確に
(T大学 Sさん/CBT受験時期:4年生1月)


「QBオンラインCBT」をフル活用し,短期集中的に

私の大学ではCBTは4年生の1月に実施していました.
先輩から”CBTの対策は「QBオンラインCBT」(以下「QBCBT」)に限る!”と強く念を押されていたため,私は学年での共同購入に合わせて大学3年生の1月頃に「QBCBT」を購入しました.

私は集中力が長続きせず,あまり早くから試験対策を始めると直前期にどうでもよくなってしまう性格のため,短期集中型でCBT対策をすることに決めました.

そのために重要なのは,CBTで出題頻度の高い疾患とそうでない疾患をしっかりと見極めて対策をすること,できるようにならなければいけないレベルを明確に把握することです.

まず,大学の定期試験前に解いていた公衆衛生学分野,直前期に解く予定の追加問題(vol.5)を除く全ての問題を,CBT本番2ヵ月前の2週間(11/23-12/7)で解きました.

問題を解きながら,CBTで出題される疾患や知識に偏りがあること(特に4連問)に気づいた私は,この期間に自分の理解できてない分野や疾患で,かつCBTでよく問われる事項をリストアップしていき,12月〜1月の実習の忙しさと照らし合わせながら本番当日までの勉強計画を立てました.

そして,

①「Q-Assist」のCBT対策動画をみる

②「QBCBT」で問題を解いていく

③自分の知識が曖昧だと感じた部分はwordにその都度まとめていく

という作業をひたすらこなしました.

当初は予定通り進められるようあまり詰め込まず,1日2,3分野を目安に勉強していましたが,本番2週間前に力試しで受けた模試の結果が芳しくなかったことで不安になったため,最後の2週間は予定を変更して復習時間を増やしました

他に自分に合っていた勉強法として,私は「QBCBT」で利用できる,◎○△×マークを全ての問題で利用していました.
それぞれのマークを以下のように定義していました.

◎:その問題に必要な知識だけでなく,周辺知識も説明できるレベル

○:◎ではないけど,大体理解できていて本番で類似問題が出ても解ける

△:本問自体は解けるが,内容の理解が不十分.本番で類似問題がでたら解けないかも

×:わからない,本問を解く上で必要な知識を全く理解できていない

本番までに「QBCBT」全問題を2周し,○,△,×をマークした問題に関しては◎になるまで何周もしました.
試験当日には,△のついている問題は20問前後しか残っておらず,また,×のついている問題はありませんでした.

みんながあまりやらないけど大切なこと!
「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を確認しよう!

「勉強するべきことが多すぎてどこまでやればいいのかわかりません!全てやろうとすると時間がいくらあっても足りないのですがどうしたらよいですか?」

この質問はよく後輩にされるのですが,とってもシンプルな答えが1つあります.各科目で重要な事項や重点的に勉強すべき部分は,「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に全て書いてあるのです.
私は勉強前に「医学教育モデル・コア・カリキュラム」を読み込み,勉強すべき箇所を明確化しました.

===「医学教育モデル・コア・カリキュラム」使用して勉強内容を明確化する具体例===

例1

C-3-1)-(3) 各種のウイルスの特徴と病原性

学修目標:

①主なデオキシリボ核酸ウイルス(サイトメガロウイルス(cytomegalovirus ),Epstein-Barrウイルス,アデノウイルス,パルボウイルス B19,ヒトヘルペスウイルス,B 型肝炎ウイルス,ヒトパピローマウイルス)が引き起こす疾患名を列挙できる.

②主なリボ核酸ウイルス(インフルエンザウイルス,麻疹ウイルス,ムンプスウイルス,風疹ウイルス,ポリオウイルス,コクサッキーウイルス,エコー(enteric cytopathic human orphan )ウイルス,ライノウイルス,A 型肝炎ウイルス,C 型肝炎ウイルス)が引き起こす疾患名を列挙できる.

③レトロウイルス(ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus )の特性と一般ゲノム構造を説明し,分類できる.

出典:医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)p.29

大学の講義では他のウイルスの勉強もするかと思います.
しかし,上記のようにCBTでおさえておくべきウイルスをコアカリが明言しているのです.
これを利用しない手はありません!

また,臨床科目ではさらに顕著に重点的に勉強するべき範囲を知ることができます.

例2

D-7-4)-(3) 小腸・大腸疾患

学修目標:

(中略)

③炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・Crohn 病)の病態生理,症候,診断と治療を説明できる

(中略)

⑰消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor )を概説できる

出典:医学教育モデル・コア・カリキュラム(平成28年度改訂版)p.48

重要なことはどんな病気が列挙されているのかではなく,「CBTにおいてどこまでの知識が求められているのか」です.

③の炎症性腸疾患に関する記載では,「病態生理,症候,診断と治療を説明できる.」という文言が使われています.
潰瘍性大腸炎とCrohn 病が並記されていることからも,2つの疾患の鑑別ポイントと症候や治療の違いは整理しながら勉強した方がいいことがわかります.

一方,⑰GISTに関する記載では,単に「概説できる.」ことを求められているのです.
つまり,重要そうなこと(内視鏡でみると正常粘膜に覆われたツルッとした腫瘍で,c-kit(+),カハールの介在細胞なんてのと関係あったんだっけ...)をなんとなく言えればいい,ということを意味していると解釈しました.

このように,全ての学習項目を完璧におさえようと考えるのではなく,深めるべき内容は深め,優先事項の低い内容は余力があればやる,というように勉強にも強弱をつけることで,効率よくCBT対策を行っていきました.

CBTの結果

得点率89%,IRT:615,上位約20%でした.
無事,目標だった得点率85%以上をとることができました.

後輩へのアドバイス

新型コロナウイルス感染症の影響でステイホーム期間に入っていたこともあり,1年前からCBT対策を始めた同期も多くいる中で,2ヵ月前から始めた私は無謀な人がいると学内で噂になってしまいました笑

たしかに少なくとも3ヵ月前くらいから始めていたら,4連問の問題検討の時間を作れたり,苦手な分野の知識を深められたり,心に余裕を持って本番を迎えられたかなとも思います.

臨床医学の講義が始まった3,4年生はその場しのぎの定期テスト対策を行うのではなく,CBTや国家試験を見据えた学習をしておくとCBTの時に焦ることなく対策ができます.

また,もし早いうちからコツコツと勉強を頑張りたいと思っている1,2年生の方がいたら,講義資料頼りのその場しのぎの勉強はやめて,成書を読みながらしっかりと系統だてて学ぶことをおすすめします.
その方が高学年で臨床医学を学ぶときに病態生理と基礎医学の知識がうまく繋がり,暗記頼りの学習から脱却できると思います.

私の場合,1,2年生の時に気合いで覚えたことはCBTの頃にはすっかり忘れてしまいましたが,しっかり突き詰めて学んだ生理学や生化学の知識は記憶としてしっかりと残っていました!

また,CBT対策のために作成したまとめノートはポリクリでも大活躍しています.

さいごに

体験記はあくまで“体験記”であり,“確実に成功する方法”とは言えませんが,自分に合いそうな部分があれば参考にしていただければ幸いです.
また,CBT本番で一番大切なのは,冷静に問題を解き続けることです.自分の日々の頑張りを信じれば,きっとうまくいきます.
効率のよい学習で,CBTを無理なく乗り切りましょう!!応援しています.

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