国試

[116回医師国試受験生向け]【国試体験記】記憶の定着のための,直前期の過ごし方

一気に気温が下がり,より万全な体調管理が求められる時期がやってきました…!
みなさん,いかがお過ごしですか?

今回は『卒試後燃え尽き症候群』で12月に「あ,このままじゃまずい」となった先輩の体験談です.
国試直前期に入った今も,まだギアが入りきっていないそこのアナタ…!必見です.


記憶を定着させるために,直前期にできること

(T大学 Tさん)


こぼれ落ちた記憶たち

「Q-Assist」(以下,「QA」)を一通り見て,『クエスチョンバンク』(以下,『QB』)を1周解き,卒業試験に臨んだ私は,まずまずの成績で合格したことに油断し,
勉強漬けだった反動で,卒試後しばらく全く勉強をせずに,最後の学生生活を謳歌していました.

12月も半ばになり,(そろそろ真剣に国試対策をしなければ…)と重い腰を上げたころに,卒試後の過ごし方を猛烈に後悔することになりました….

久しぶりに開いた「QA」のテキストは忘れていることだらけ,『QB』も思いがけないところでつまずいてばかり….
卒業試験を受けたときの学力はまるでありませんでした.

みなさんご存知の通り,暗記すべき事項が多い医師国家試験.
体系的に理屈に基づいて勉強することも非常に大切ですが,最終的には単純暗記になってしまう項目も多々あります.
エビングハウスの忘却曲線を授業で習った人も多いと思いますが,暗記事項の忘却スピードは侮れないものです.
卒試後に勉強をしなかったことで,それまでに記憶したたくさんのことが,いつの間にか頭からこぼれ落ちていました.

このときに改めて,医学知識を維持することがいかに難しいか,痛感しました.
そこからは,失った知識を取り戻す作業と,必修対策に追われる日々でした.

12月からの直前期に行っていたことは主に,
①「QA」のテキストを読み直すこと,② 冬期講習を受けること,
③「QBonline」で間違えた問題を解き直すこと,
④ 模試の復習をすること,⑤ 新たに『QB必修』を解くこと の5つです.

①「QA」のテキストを読み直すこと,② 冬期講習を受けること

「QA」のテキストを何度も読み込むことで卒試対策をしていた私にとって,いつの間にか「QA」のテキストは医学の勉強のスタンダードになっていました.
そのため,忘れた知識を取り戻すべく,まずは「QA」のテキストの講義部分を読み返しました.
特に問題演習だけではうまく頭の中でまとまりきらない知識は,疾患に関する情報が一連の流れでまとまっている「QA」のテキストを使うことで,自分の理解度を確認しながらうまく頭にいれることができました.

また,『QB』や模試を解くことで得た知識をその都度メモしていたので,そういった内容もまとめて確認できるのがとても効率的でした.
そして,「消化器のテキストを読んだ日には,消化器の冬期講習を受ける」というように,冬期講習を連動させながら復習をしていきました.
「QA」の冬期講習は,総復習というよりポイントが絞られた構成なので,そこまで量が膨大でもなく,私のように時間的余裕がない人にももってこいのツールでした.

③「QBonline」で間違えた問題を解き直すこと

もちろん,頭に入れた知識をoutputできなければ意味がないので,問題演習にも力を入れました.

「QB online」では,例えば【3ヵ月以内に間違えた問題,かつ2週間以内に演習していない問題】といった細かい指定でフィルタリングできるので,これを活用していました.
「以前間違えた→復習して解けるようになった」という問題が,時間があくと意外とまた間違えたりするものです.
紙の「QB」で(これは何回解いた問題だろう.そもそも最初に解いたのいつかな…)と自分で管理するのは,時間をすごくロスするし,そもそも現実的ではありません.
知識が十分に定着していない可能性がある問題を「QB online」で効率よく拾い上げながら,演習の数をこなしていきました

④ 模試の復習をすること

そして,模試の復習です.

模試は11月から1月にかけて4回受験しました.受けられるものは全て受けたと思います.
というのも,大学の学習指導の先生に
「模試で出た内容は受験者が必ずおさえてくるので,どんなに難しくても正答率が上がり採点除外になりにくくなる.仮に必修臨床問題で模試既出の内容が出題され,『他の受験生は軒並み正解していた.でも自分は誤答した』となったら,採点除外とならない3点を落とす痛手になる.各社の模試の必修問題は最低限抑えておくべき」
と言われたからです.

ただ,4回も受けるとさすがに復習に膨大な時間がかかりました.
模試は受けっぱなしでは意味がありません復習して初めて,新しい知識や問題解答の技を手に入れることができます
1つの模試を復習するのに,しっかりと復習すれば丸3日はかかります.
私は直前期に何日かに分けて,1日何時間もかけて,模試の復習を行いました.
それが結果的によかったのか,自分では正直わかりません.
ただ,「受験生の中で自分だけが知らない,という問題はない」という自信に繋がったのは大きかったと思います.

⑤ 新たに『QB必修』を解くこと

先ほどお話した「模試をできるだけ受ける意義」からもお分かりいただける通り,必修対策は非常に重要です.
必修落ちは直前期になればなるほど受験生にとって現実的なものになります.
『QB必修』は誰しもが必修対策に使うコンテンツです.
必修問題における「自分だけが解けなかった」をできるだけなくすためにも,必修対策の必要最低限として『QB必修』で十分に演習しておくことをオススメします.

超直前期に何をしたか

このような勉強をしているうちに,国家試験まで残り3日ほどになりました.
この頃にもなると,国試が不安で,知らない知識に出くわすたびに泣きそうになります.
落ちたらどうしよう,と1日に何度も考えていました.

最後に私が行ったのはやはり,自分の医学の勉強の基礎になっていた「QA」のテキストを読み返すことでした.

模試で間違えた問題も,卒業試験で分からなかった問題も,
「QA」のテキストで復習してみると「書いてあった!勉強が不十分だった!」ということが多く,
その経験から(「QA」を完璧にしておけばきっと大丈夫)という自信ができていた
からです.

(このテキストを読むの,何度目かなあ)と思いながら,読み直しの作業を最後にもう一度行いました.
最終的にQ-assistのテキストに書いてあることはほとんど覚えていたと思います.
何度も読んだテキストを最後に読んで,この1年間自分が勉強したことを思い出しながら,少しずつ自信に変えていきました.

5年の終わりごろには(国試本番までいくらでも時間がある.対策も余裕)と思っていましたが,
実際に経験してみると驚くほどあっという間で,勉強方法にはずっと悩み続けていました.

各々自分にあった勉強をしていくことが1番だと思いますが,
もし自分なりの勉強法の正解がまだわからないとなっている方がいらっしゃったら,
私の体験が少しでも勉強方法を考える一助になれば幸いです.

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