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┃QB改訂ポイント紹介┃古い問題の掲載数を減らしました

古い問題の掲載数を減らしました

今回は例年よりも大きく改訂を入れており,主に以下のような観点から,出題から時間が経過している問題の掲載数を減らす対応を行いました.

このような対応をした理由は大きく分けて3つあります.

理由1.小社では「QBの各問題の解説が最新の国家試験を解くためにどれだけ寄与したか」ということを継続的に調査しておりますが,出題から約20年を超えるような古い国試の問題の寄与が大きくないこと

理由2.学生の勉強法がここ数年で大きく変化し,様々な講義動画を見たうえでさらに問題を解く流れが主流となり,問題演習だけで細かい知識まで網羅的に掲載する必要がなくなってきていること

理由3.厚生労働省 医師国家試験出題基準検討部会にて,出題方針の変更(単純な知識を問う問題は共用試験CBTに譲っていき,国試では出題を減らす方向)について議論・報告されていること

1つずつ解説していきます.

理由1.古い国試問題の寄与率は大きくない

小社では「QBの各問題の解説が,最新の国家試験を解くためにどれだけ寄与したか」ということを継続的に調査しております.

▲調査の例.毎年国試終わりの学生さんに協力いただきながら地道に調べています.

この調査からは,「出題から20年を超えるような古い国試の問題が,最新の国家試験を解くために寄与する割合は大きくない」ことがわかっております.

この傾向は以前からみられておりました.ただし,以前は講義動画による学習が現在ほど浸透していなかったため,「QBで知識を網羅する」必要があり,掲載問題についても,網羅性を重視していました.ここで理由2に続きます.

理由2.学生の勉強法の変化とQBの立ち位置の変化

先ほども少し述べましたが,学生の勉強法がここ数年で大きく変化し,様々な講義動画を見たうえでさらに問題を解くという学習の方法が主流となりました.

QBの使われ方・立ち位置が変わってきたことで,QBの問題演習だけで「近年の出題頻度が低く細かな知識」まで網羅していく必要性も低くなってきていると考えられます.

理由3.国試出題基準の変更について

厚生労働省(医道審議会 医師分科会医師国家試験出題基準改訂部会)にて,医師国家試験の出題方針の変更について継続的に議論・報告がされておりました.実際にこうした議論を反映した新しい出題基準(令和6年版医師国家試験出題基準)が2023年3月31日に公開されており,令和6年(第118回)の試験から適用することが確定しております.

厚生労働省 医師国家試験出題基準改訂部会(https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000686397.pdf)より引用

ここでは,上記のように,共用試験CBTとの重複削減臨床実習の経験に即した出題傾向臨床実習前に修得可能な単純な知識を問う領域の除外,について触れられています.

こうした流れも受けて,QBに掲載していた「出題年度は古いけれど,知識の補強として残していた問題」についても掲載を絞っていくことにいたしました.


Q&A:旧版に掲載していた問題はどこにあるの?

前版(QB2023)から削除された問題の一覧については以下のページをご覧くださいませ.また,対応した問題セットも公開予定です.

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