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[4~5年生向け]【実習体験記】国試を見据えた臨床実習への取り組み方~レビューブックで頭の中に「疾患の地図」を作る~

こんにちは.編集部のHです.

4月からは新学年,5年生では実習が本格化し,6年生はいよいよ最終学年です.特に春は実習メインの生活をおくられる方が多いのではないでしょうか.

高学年にとってこれからが正念場という今この時期,なにをどう学んでいけばよいのか,とお悩みの方もいらっしゃることでしょう.

本日は,小児科を回った先輩の臨床実習の体験記をお届けします.

これから本格的にはじまってくる臨床実習をどう乗り切るのか,そしてどう国試対策につなげていくのか,4~5年生の方々には参考になる先輩からのアドバイスが満載です!ぜひご覧ください!


臨床実習の経験とメディックメディアのコンテンツで
国試を確実に合格する方法

T大学 Nさん


私は,これからを生きる子どもの未来に繋がる医療を実践したいという思いで,小児科志望として医学部に入学しました.

一方,他の診療科もしっかり研修医までは勉強すべきと思い,CBT対策の頃から「Q-Assist(以下QA)」を見始め,『レビューブック』や『イヤーノート』,『病気がみえる』シリーズも適宜用いて勉強を進めました.そんな中,私が特に重視していたのが臨床実習です

主体性が求められる臨床実習で何をどのように学ぶべきか迷われている方も多いと思います.

これから臨床実習を行う方実習中で悩まれている方に向けてこの体験記を書かせて頂きます!

●臨床実習では何をどう学ぶ?

臨床実習は,担当症例によって,さらには大学によって学ぶ内容が学生間で大きく異なるものになると思います.

一方で,確実に学ぶべきこと,学べることは,共通して存在すると思いますので,その点を中心にお話させて頂きます.

●病棟での実習

一般的に内科・小児科など病棟メインの診療科では,1日の流れとして,「朝カンファ→朝回診・カルテ記載→診察,検査や治療など→夕カンファ→夕回診・カルテ記載」のようなものが一般的かと思います.

カンファではロングorショートプレゼンが求められます.

ロングプレゼンの際,担当患者さんの現病歴や検査所見,治療方針などを細かく把握する(場合によっては自分で入院時サマリーを作成する)経験をすることで,少なくとも担当症例が国試に出題された時には瞬間で答えが分かるようになると思います.

ショートプレゼンは,主にその前のカンファからの担当患者さんの変化を中心とした発表になります.

自分の担当患者さんをきちんと把握することが重要です.

検査結果が出ていればその結果の解釈を自分で考えることが勉強にもなりますし,温度板や施行された検査・治療,患者さんの訴えを最低限把握するようにしましょう.

例えば,白血病治療中の患者さんであれば,血球数は著明に減少していることも多いかと思いますが,「Hb●だからRBC●単位の輸血適応があるはずだ」などと考えることができれば,近年の臨床的対応を問われる国試対策にも有効です.

こういった臨床的感覚は臨床実習でしか学ぶことはできないので,臨床実習をしっかり行う意義の一つだと思います.

▼編集部より

確かに近年臨床的な対応を問われる国試増えてますよね〜

先日行われた第118回国試でも下記のような問題が出ていました.

疾患と治療を1対1で覚えるだけではなく,しっかり考えながら学んできたかが問われています.

クエスチョン・バンク
※呼吸器症状を伴う縦隔腫瘍への対応が問われた.正解はb.

また,特に私が重視すべきだと思うのは,X線・CT・MRI所見です.

近年の国試は画像が問われることも多いですし,事前に多くの画像症例を見ておくことが重要となります.

例えば,腹部CTであれば自分なりの臓器同定手順を事前にパターン化し,それにそって何例もとにかく練習してみると,精度が上がると思います.

実際の国試は1スライスしか見られませんが,こうした練習をしていると将来の臨床にもつながりますし,自然にパッと見で臓器のオリエンテーションが分かるようになってきます.

さらに,ベッドサイドでの診察をする際には,一般的な問診をする中で(時折雑談もする中で)患者さんとのコミュニケーション力を養っていくと同時に,臨床推論スキルも身につけることができます.

身体診察をする際には,時間と状況が許せば頭からつま先までOSCEで習ったことを一通り実践するとスキル向上に役立ちます.

聴診などはしない先生もいるかもしれませんが,回数を重ねなければ聴診力は向上しないので,とにかく聴けるときに聴くべきだと思います.

その他,機会があるときに採血やルート確保できると,より臨床実習らしさが増すと思います.

●オペ室での実習

外科・マイナー科などの実習はオペ室がメインになると思います.

オペ室実習は,長時間の手術を見ているだけではよく分からない上に,疲れるだけに陥るおそれもありますので,先生に聞けそうならなるべく質問してみると勉強になると思います.

最低限の患者情報は事前に把握し,画像所見と実際の手術所見を照合させると勉強になります.

また,術野に入ると印象にも残りやすく,国試の時まで鮮明に記憶が残りやすいです.

●実習中の教材の使い方

私は実習と同時進行で「QA」を進めましたが,その他の書籍も適宜活用しました.

私の場合はオリジナルのまとめノートをevernoteを用いて作成していたので,そこにiPadで購入した「イヤーノート」や「病みえ」の疾患の概略や治療の部分を貼り付けることで知識を体系化することに徹していました.

特に,直前期は国試に何が出題されたかを把握したくなると思いますが,その際には『レビューブック』を活用することで,一目で出題されたものを整理できました.

レビューブックでは,国試に出題された語句に下線が引いてあり,なおかつ情報量も他の書籍と比較して,最も国試に最適な量であり見返しやすいため国試前に見返しやすかったです.

小児科志望ということもあり,『レビューブック小児科』を最もよく見ておりましたが,小児科という膨大な出題範囲を整理する際にも『レビューブック』が役立ちました.

例えば小児呼吸器であれば,まず『レビューブック小児科』の「呼吸器」章の目次部分をみることで,小児呼吸器疾患の鑑別を把握し,その後各部分を国試出題箇所を意識しつつ通読することで知識を強固にすることができました.

大学病院の小児科は,国試レベルのcommon diseaseと比較すると非常に難しい症例を扱っていました.

一方で,患児の診察の仕方や検査所見の見方など,国試を解くのに必要な知識はしっかり学ぶことができましたし,仮に国試に出題されない疾患であったとしても臨床的にどう対応するかなどは国試に役立てることができました.

さらにはNCPRや 乳幼児健診,そのほか専門外来見学等幅広く実習させて頂く中で,国試小児科を解くのに必要な基盤となるものを作ることができました.

もちろん,実習で全ての疾患を学ぶことができるわけではありませんから,国試に必要十分な知識を身につけるためにも,実習で取り扱わなかった症例など,「QA」や『レビューブック』などを用いて頭の中に疾患の地図を作り,知識の漏れを無くすように努めました

レビューブック まとめ
▲実際に『レビューブック』を参考にevernoteに作っていたまとめ

●最後に

私は小児科志望ということもあり,全身を診る診療科なのだから全ての診療科での実習が将来的にも国試的にも役立つだろうという思いで実習・国試勉強に臨みました!

実習で得た知識は,直前講座や模試で問われた知識同様実際の国試本番に多数出題されましたし,そういった問題が出ると自信を持って正解を選べますから,精神的に安心できると思います.

後輩の皆さんも是非,臨床実習は真面目にやることをお勧めします.

QA直前講座や模試のような国試に特化したコンテンツで問われた知識と同様に,実習の中で実際の症例で経験したこと,そして実習と同時進行で勉強していたQAやレビューブック,病気がみえるから得た知識も,国試本番で多数出題されました.

特に実習内容は,自分が直接経験したことが問われるわけですから,自信をもって,安心して正解を選ぶことができました.

後輩の皆さんもぜひ,メディックメディアのコンテンツ片手に,臨床実習に真面目に取り組むことをお勧めします.


いかがでしたでしょうか.

『レビューブック小児科』や「イヤーノート」,「QA」といった教材を用いて知識を整理しつつ,国試を見据えて臨床実習に真摯に取り組んだ先輩の勉強法は,きっと皆様の参考になることかと思います.

これからの臨床実習も,着実に知識をつけながらしっかり乗り切っていきましょう!

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