
クエスチョン・バンク 医師国家試験問題解説 2022 vol.5
●ざっくり言うと…
・マイナー科目は国試全体の15〜20%を占める.
・マイナー科目は特定の項目が繰り返し出題される.
・『QB』と『レビューブック マイナー』で効率的な学習を.
マイナー科目とは眼科,耳鼻咽喉科,整形外科,精神科,皮膚科,泌尿器科,放射線科の全7科目で構成される領域です.
毎年国試全体の15〜20%を占めており,マイナー対策なくして国試の合格はありえません.
第112回医師国家試験では全出題数が500→400問と変更されましたが,マイナーからの出題数は112回では65問(16.2%),113回では68問(17.0%),114回では60問(15.0%)と,例年通りでした.
114回でのマイナー科目の出題数の内訳は以下のようになっています.
114回でのマイナー科の出題は精神科が最多となっていますが,これは毎年のことなので,115回の国試でもマイナー科で最も多く出題されるのは精神科になると考えられます.
マイナー科目は内科に比べ,各科の疾患数が少ないため,同じ疾患が繰り返し出題されやすい傾向にあります.
そのため,勉強時間に対するコストパフォーマンスが高く,得点力アップにつながりやすい領域ともいえます.
出題頻度トップ5を科目別にまとめると以下のようになります.
【眼科】
糖尿病網膜症,白内障,加齢黄斑変性,吹き抜け骨折,ウイルス性結膜炎
【耳鼻咽喉科】
急性喉頭蓋炎,純音聴力検査,耳性帯状疱疹,クループ症候群,良性発作性頭位眩暈症
【整形外科】
関節リウマチ,リハビリテーション,褥瘡,転移性骨腫瘍,偽痛風
【精神科】
うつ病,統合失調症,アルコール依存症,せん妄,双極性障害
【皮膚科】
水痘・帯状疱疹,壊死性筋膜炎,梅毒,結節性硬化症,中毒性表皮壊死症
【泌尿器科】
前立腺癌,前立腺肥大症,腎・尿路結石,尿道カテーテル,尿検査
【放射線科】
放射線総論,放射線管理,放射線防護,放射線確率・確定的影響,放射線の単位
マイナー科目対策としてはまず,これらに代表される頻出項目を確実に押さえ,その周辺知識をつけていくというのが基本となります.
マイナー科目では特定の項目の問題が頻繁に出題されることから,過去問を解いて問題のパターンをインプットする勉強が不可欠です.
過去問題集で多くの受験生に使われているのが『クエスチョン・バンク』vol.5 マイナー編(以下『QB』)です.
弊社が毎年行っている「講師速報」でのアンケートによると回答者の88.0%が『QB』を購入していました.
『QB』には前項でお話ししたような項目別の重要度を「メシュラン」という★マークの数で記載しているため,重点的に学習すべき項目がすぐに分かるようなつくりになっています.
また,特に重要な問題に関しては「1周目問題」という形で掲載しているので時間がない方はこれらの問題を解くだけでも得点力アップが見込めます.
『QB』を使用するにあたり,同じく弊社書籍である『レビューブック マイナー』(以下『RB マイナー』)を併用することを推奨します.
具体的には『QB』を解きながら気づいたこと,ネット講座や模試で学んだことをすべて『RB マイナー』に書き込んで,マイナー科目に関する参照元を『RB マイナー』に一括化することがオススメです.
QBシリーズとRBシリーズは下図のように互いにリンクしており,併用することでより効率的な学習が可能になります.
(クリックで画像を拡大)
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余裕がある方は112回から適用された平成30年度出題基準に追加された項目に関しても押さえておくと,より確実です.
これらの項目は『RBマイナー』でも扱っているので是非とも参照して下さい.
【平成30年度出題基準に追加された項目】
●サルコペニア ●運動器症候群(ロコモティブシンドローム) ●運動器不安定症
●フレイル(の評価) ●好酸球性副鼻腔炎 ●Wathin腫瘍
●眼の先天異常(無眼球,ぶどう膜欠損,白子症,Peters異常)
●反復性脱臼 ●Kienbock病,膝関節壊死 ●関節内骨折 ●手段的日常生活動作(IADL)
●Nephrogenic Systemic Fibrosis(NSF)●若年発症性両側性感音難聴