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[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その3)
教科書の知識をベースに臨床のイメージを!

皆さんこんにちは,編集部のM.Tです.
今週もお届けします,「国試からみる,臨床実習のポイント!」
第3回の今日は「教科書丸暗記では対応できない問題」についてお送りします.

■ 教科書の知識をベースに臨床のイメージを!

これから国試対策をする上で皆さんに
知っておいてほしいことの1つに,
「最近の国試はより臨床的なことを問う傾向にある」
というのがあります.

「国試なんて学生レベルの教科書を丸暗記できれば,
まあ余裕で解けるだろう」
と油断していると,痛い目にあうかもしれませんよ…!
ここで,実際に110回で出た臨床問題をみてみましょう.

【110B57】
次の文を読み,56~58の問いに答えよ.
32歳の男性.発熱と咳嗽とを主訴に来院した.
(中略)
その後の経過:胸部X線写真と喀痰のGram染色標本の検鏡結果から肺炎球菌による細菌性肺炎と診断し入院となった.入院初日からセフトリアキソンの投与を開始したところ,入院3日後までに咳嗽は減少し食欲も出てきた.入院3日目の体温は36.8℃,脈拍80/分,整.血圧116/58mmHg.呼吸数16/分.SpO2 96%(room air).血液所見:白血球6,300(桿状核好中球14%,分葉核好中球61%,好酸球3%,好塩基球2%,単球7%,リンパ球13%),血小板22万.CRP 4.4mg/dL.胸部X線写真で所見の改善を認めた.初診時に採取した喀痰および血液の培養からは肺炎球菌が検出された.その後も症状は改善傾向が続き,入院4日目に採取した喀痰の細菌培養検査では肺炎球菌が陰性化していたが,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌〈MRSA〉が検出された.
B57 この患者に対する適切な治療はどれか.
a メロペネムを追加投与する.
b バンコマイシンを追加投与する.
c セフトリアキソン単独投与を継続する.
d セフトリアキソンをメロペネムに変更する.
e セフトリアキソンをバンコマイシンに変更する.

臨床長文と呼ばれる3連問の一部を抜粋して紹介しました.
肺炎球菌による細菌性肺炎に対しての治療中にMRSAが検出された症例ですが,
皆さんならどのように対応するでしょうか.

「MRSAにはバンコマイシンが有効」というのはCBTでも頻出の内容ですし,
皆さんすでによくご存知かと思います.
その知識からか,受験生のうち23.0%がb,55.0%がeを選択していました.
ですが正解はc.MRSAは検出されただけであり,
現行の治療で十分改善傾向がみられているので,
抗菌薬を変更・追加する必要はありません.正答率は19.8%でした.

このように学生レベルの教科書を丸暗記するだけでは,
かえって誤答してしまうような問題も国試では出題されています.
治療薬については今のうちから実習を通して,
「何に対して,いつ,どのように使うのが適切か」を
臨床実習を通してしっかり勉強しておくようにしましょう.

今日はここまでです.
次回は「過去問演習だけではイメージしにくい科」についてです.
それではまた来週.

(編集部M.T)

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