[5年生向け]国試からみる,臨床実習のポイント!(その4)
実習を通してイメージをつかめ!

皆さんこんにちは,編集部のM.Tです.
今週もお届けします,「国試からみる,臨床実習のポイント!」
第4回の今日は「過去問演習だけではイメージしにくい科」についてお送りします.

■ 実習を通してイメージをつかめ!

「実習にあわせて,ラウンドしている科の『QB』を解く」
これを僕自身は「自分の学習進度を管理しやすいように」
という単純な理由から,病院実習中に実践していました.
しかし「実習にあわせた過去問演習」をしてみて,それ以上に感じたメリットに
「問題を紙面上の文字を追って解くだけの勉強よりも,
疾患・症状・検査のイメージがつきやすい」というのがありました.
ここで110回国試の問題をみてみましょう.

【110E43】
20歳の女性.声が出なくなったことを主訴に友人とともに来院した.今朝,いつもどおりに大学に行ったが,1限目の講義が終了したころから声がかすれるようになり,1時間後には全く声が出なくなった.友人とともに保健管理室で相談したところ,医療機関へ行くことを勧められたため受診した.1年前から部活動での人間関係のトラブルを契機として,不安感や情動の不安定性が出現し治療を受けていた.受診時,筆談は可能で理解力は保たれ,意識は清明と考えられた.発声できないこと以外に神経学的所見に異常を認めない.血液生化学所見,脳波および頭部CTで異常を認めない.
この患者にみられるのはどれか.
a 解離
b 転換
c 離人症
d 被影響体験
e させられ〈作為〉体験

精神科の臨床問題を1問紹介しました.
正解は「b 転換」で,正答率は50.8%の問題です.
また,受験生の34.3%がaを選択していました.

僕が国試勉強をしているときに,「専門用語が覚えにくい」
という印象を1番受けたのが精神科でした.
実際,受験生が悩んだ「解離」や「転換」という用語を考えてみても,
やはりその単語自体からは症状のイメージが湧きづらいですよね.

国試直後の先輩方からも,
「精神科は教科書や成書を読むだけではあまり理解できない」
というコメントがチラホラ….
疾患・症状のイメージを得るには,実際にみてみるのが最も効率的です.
また先生方からお話を伺うのも,実際の経験談やエピソードとセットで
勉強することができて,記憶の定着に効果アリですよね.

また,「実際に見聞きする方がイメージがわく」ということは
「精神科」が典型例ですが,他の科にも当然共通します.
「実際に見聞きしてイメージを得るタイミング」を逃さないためにも,
「国試対策なんて,そんな急がなくていいでしょ~」と言わずに
ちょっと早めに過去問演習を始めてみてはいかがでしょうか.

今日はここまでです.
次回も似たテーマですが,
「早めの国試対策で,画像に強くなろう」をお送りします.
それではまた来週.

(編集部M.T)

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