国試

国試体験記:膨大な過去問を,効率よくこなすには?

こんにちは.編集部のK.Sです.

 

112回国試が先日行われましたね.4,5年生の皆さんは
「ついに次は自分の番か…」という気持ちになってきたのではないでしょうか?

 

しかし国試の勉強(特に過去問)は膨大ですから,
「いっぱいあるから,どうやって手をつけたらいいのかわからない…」
「なにか効率よいやり方はないの?」
と思う方も多いのではないでしょうか.

 

そんな皆さんの参考になるよう,

今回は国試までの勉強スケジュールにまつわる国試体験記をお届けします.
効率よく勉強するコツなども書いていただきましたので,
ぜひ今後の勉強方針の参考にしてください!

 

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国試体験記:膨大な過去問を効率よくこなすには?
(J大学F.Tさん)
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◆まずはネット講座で「国試」という相手を知ろう
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国試までの勉強スケジュールとして,まずはネット講座をどう活用したかをお話しします.

 

私の中でネット講座は「国家試験対策のための対策」,
いわば「相手を知る手段」という位置付けでした.

 

具体的には,私は5年生からネット講座の2年間コースを申し込み,
その年の冬までにはメジャー科目・マイナー科目をすべて視聴しました.
その上で,直近5年分の国家試験の過去問演習を行いました.

 

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◆でもネット講座だけでは「新規問題」が解けない!
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こうしたネット講座は,国試の既出事項で授業が構成されているため,
国試対策の導入という意味では有用です.
しかし,絶対的な弱点が存在することを忘れてはいけません.

 

それは,ネット講座だけだと「既出事項”以外”の項目」には
全く太刀打ちができないということです.

 

近年の国家試験は,非常に実臨床を重視しており,
病態生理を踏まえた上で勉強することはもはや避けて通れず,
既出事項の寄せ集め勉強だけでは合格点に届きません.

 

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◆合否を決める「深い知識」、効率よく勉強できないの?
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したがって,国家試験の合格の鍵は「未出事項を問う問題をいかに取るか
ということになりますが,そのためには既出事項の知識だけでなく,
より「深い知識」を増やしていく必要があります.
これを効率よくこなしていくためには,QBとイヤーノートが必要不可欠でした.

 

★QBでは近年10回の国試で出題された問題だけでなく,
それ以前の出題でも重要な問題が網羅されており,
様々な切り口から疾患を確認することができました.
そのため,一対一対応の安直な勉強になる心配がありません.

 

また解説が充実していて,間違えた選択肢も納得できました.
さらに各領域の専門医が執筆しているため,選択肢解説のみならず,
実臨床で話題となっている事項」も記載されており,
臨床的視点を養うのに最適でした.

 

なお,QBで間違えた疾患や少しでも自信のない部分があれば,
すぐイヤーノートで確認することをお勧めします.

 

★イヤーノートは,国試だけでなく内科専門医試験も範疇に含んでいるため,
実臨床における重要事項や最新の話題が満遍なく記載されています.
つまり,実臨床重視の国家試験では問われる可能性が高いということです.
各疾患における不明点は必ずイヤーノートで調べるように心掛けました.

 

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◆膨大な過去問をいかに解き進めるか?
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さて,国試対策ではQBが非常に重要となることを確認したところで,
どのように進めていくことが効率的かを考えてみたいと思います.

 

QBを完璧にするには無論一回の演習では足りず,できる限り反復することが大切です.
しかし過去問はとても量が多いため,最後まで信じて解き切る忍耐力と
きちんとした「ペースメーカー」が必要です.

 

QBを反復するための「ペースメーカー」としては,
長期休みや卒業試験などの一大イベントを目安にすると良いと思います.

 

私の場合は,6年生の4月から開始して,
●1周目:夏休み中(7月)までにQB vol.1〜5を全て解き終える
●2周目:卒業試験(11月)までに解き直す
●3周目:年末までに再度解き直す
…というようなペースで進めていました.

 

なお公衆衛生は,改訂版の『公衆衛生がみえる』が発売された
11月頃からの着手であったためスタートが少々遅くなりましたが,
年末までに2周し,翌年1月は毎週木・金の2日間丸々確保して
公衆衛生だけ演習していました.

 

QBでカバーできている部分の知識は付きましたが,
答えの暗記だけで満足しないようにしました.

 

取りこぼしを少なくするためにも,1月末の公衆衛生の勉強では,
各章のQBを解き終わったらすぐに『公衆衛生がみえる』の該当する章を
熟読していました.

 

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◆不安な部分は,紙にまとめて持ち歩こう
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また,私が使っていたのは書籍のQBのみで,QB onlineは使っていなかったため,
直前期は,間違えた部分や覚え切れるか不安な部分をパソコンのWordで入力して,
それを印刷し,いつでも見直すことができるよう持ち歩いていました.
あやふやな部分だけをピンポイントで復習でき,とても効率的でした.

 

★これらのおかげで国家試験本番では,膨大な量のQBをやりきったという自信と
それに伴って身に付いた知識が精神安定剤になり,とても余裕を持って受験できました.

 

QBやイヤーノートは国家試験対策において絶大な効果を発揮します.
また努力して習得した知識は国家試験後にも簡単に抜けることはないため,
来たる医師人生の良いスタートを切ることにも繋がります.

 

QBやイヤーノートを存分に活用して,
国家試験を俯瞰できるほどの知識を身に付けてください.
そして来る国家試験で桜を咲かせてください.

 

勉強量が多くて大変ですが,必ず自分の知財となりますので
最後までQBとイヤーノートを信じて演習しましょう.応援しています.

 

◆◆◆

 

F.Tさん,ありがとうございました.
みなさんいかがでしたでしょうか?

 

膨大な過去問を解くのは,たしかに気が遠くなりますよね….
F.Tさんの体験談を参考に,効率のよい勉強方法を見つけてください.
メディックメディア一同,応援しております!
(編集部K.S)

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