コラム

[4,5年生向け]自分に合った研修先を見つける!病院見学のススメ(その1)

4,5年生の皆さん,こんにちは.編集部M.Nです.

授業や実習が進む中で,少しずつ臨床医として働くイメージが湧きはじめたのではないでしょうか?

 

6年生の今頃にはマッチング登録が開始します.

夏休みを控えた今のうちに,1度は病院見学にチャレンジしてみてはいかがでしょうか.

 

そこで,今年の3月に初期臨床研修医を終えた元医学生編集M.Nが,病院見学についてのポイントを全6回でお届けします.

 

 

今回は1回目ということで,「病院見学の重要性」および「見学先と見学日数の決定」についてです.

5年生の方は勿論ですが,4年生の方にも読んでいただきたいテーマです.

 

4年生から病院見学に行くのは早いと思うかもしれませんが,そんなことはありません.

 

なぜ4年生から病院見学に行くべきなのでしょうか.

それは,「マッチング」とは医師になるための就職活動であり時間をかけたほうがよいにもかかわらず,病院見学に行くチャンスは意外と少ないからです.

 

(マッチングについて詳しく知りたい方は医師臨床研修マッチング協議会のサイトをご覧ください.)

 

実際に5年生から病院見学を始めた場合,平日に病院見学に行くチャンスはどれくらいあるのでしょうか.

 

某大学医学部を例にとると,

・5年生の夏休み(1~2ヵ月)

・5年生の冬休み(2週間)

・5年生の春休み(3週間)

・6年生の夏休み(4週間.8月は各病院の試験がはじまる)

という具合です.

 

どうでしょうか?

皆さんの大学も,これと大きく違わないはずです.

 

東医体・西医体があったり,想定外にも追試で休みが短くなったり,なんてことがある人もいるでしょう.

年末年始に見学,というわけにもいきませんよね.

 

ならば! ということで,ひと足早く4年生の夏から,「病院見学」ならぬ「就職活動」に繰り出してみましょう.

 

大学の実習が始まっていない4年生の皆さんでも,これを読めば,不安が解消し,やる気がでてくるはず!

勿論,「これから病院見学に行くぞ!」という5年生の方にも参考になると思いますので,ぜひ読んでみてください.

 

 

◆◆第1回-1:病院見学の重要性

 

そもそもなぜ病院見学に行く必要があるのかというと,自分に合った初期研修先を見極めるため,ではないでしょうか.

 

とはいえ,たまに「どこで研修しても同じだよ」なんていう人いますよね.

でも,その言葉,本当にそうでしょうか?

 

初期研修は,医師としての土台が築かれる大事な時期であり,自分に合った病院を見つけることが大事です.

 

私がそう思うのは,

・初期研修先が合っていたために,2年間で大きく力を伸ばした人

・初期研修先が合っていなかったために,つまずいてしまった人

その両方を見てきたからです.

 

自分に合った研修先を見つけ,後悔しない就職をするためにも,この夏はぜひとも病院見学を始めてほしいと思います.

 

自分に合った研修先を見つけるには,まず自分にとっての優先順位を明確にすることです.

 

特に重要なのは次の3点.

1.大学病院か市中病院か,市中病院ならどこの大学の関連なのか

2.興味がある科を重点的に回るのか,初期研修のうちになるべく広く回るのか

3.就職する地域の制限や希望はあるのか

 

マッチング登録は複数できますが,上記の3点に関しての優先順位があやふやだと,就職先が結局合わなかった,なんてことになりかねません.

 

あとは,

4.病棟中心か救急外来中心か

5.受け持ち患者数は多いか少ないか

6.希望科の評判と(病床数ではなく実際の)入院患者数は多いか少ないか

7.希望科の患者を当直で診る機会はどれくらいあるのか

(特に小児科や産婦人科希望の方はぜひ確認してみてください)

8.当直回数は多いか少ないか,1回あたりの当直は忙しいのか

9.指導体制や手技のチャンスは多いか少ないか

10.給料の手取りは自分にとって十分か

11.居住地は病院の寮か賃貸住宅か,きれいか

12.図書館や研修医室は充実しているか

13.休日や夜間も呼び出されることはどれくらいあるのか

14.結婚や育児をしている研修医にとってはどうなのか

などが,初期研修先を決めるにあたり確認したいことですね.

 

これらは,ホームページや合同病院説明会で分かる場合もありますが,多くは,実際に見学に行ってみないと分からなかったり,目の当たりにしてみると見学前に自分が思っていた様子と違ったりします.

 

見学を繰り返すことで,このような研修先の条件を吟味できるわけですね.

 

◆◆第1回-2:見学先の決定

 

病院見学の重要性がわかったところで,始めるにあたりまずは見学先を決めなくてはいけません.

研修したい病院に見学に行くことができればよいですが,最初から自分に合った病院はわかりませんよね.

ですから,とりあえず最初は,近くの病院や先輩がいる病院に見学に行くのがおすすめです.

見学の回数を重ねることで,より自分に合った病院に見学に行くことができるようになるはずです.

 

見学先が決まった後に考えたいのは見学日数です.

 

◆◆第1回-3:見学日数の決定

 

次は,見学期間は何日くらい希望すればよいのかについてです.

 

見学期間に関しては,特に正解はありませんが,意外と体力を使うので,まずは1日から始めてみてはどうでしょうか.

 

ただし,1日で得られる情報は限られるため,慣れてきたらもう少し長めに見学するのがよいでしょう.

数日~平日の5日間を使えば興味のある科を複数回ったり,じっくりお話を伺ったりすることができます.

 

また夜間当直の様子を見たい場合には,金曜日から土曜日の朝にかけて泊まり込むのもおすすめです.

 

 

いかがでしたでしょうか.

以上,第1回「見学先と見学日数の決定」でした.

 

病院見学は初期研修先を決めるにあたり非常に重要ですので,早め早めに取り組みましょう.

 

次回は,「見学の申し込みと準備」についてです.お楽しみに!

 

(編集部M.N)

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