[5,6年生向け]マッチング体験記③:集団面接・長い準備時間の落とし穴
みなさん,こんにちは.編集部Y.Mです.
今回は3回目となるマッチング体験記をお送りいたします.
集団面接での貴重な体験を教えていただきました!
◆◆◆
集団面接・長い準備時間の落とし穴
(東京医科歯科大学 K.O)
◆◆◆
■背景
集団面接は,7~8人のグループで,受験番号順に行われました.
1グループに15~20分程度使うので,番号によってはかなり長い待ち時間となります.
待ち時間は自由に使ってよいと言われたので,だいたいどのグループも集まって,
自己紹介や作戦会議をしていました.
自分たちのグループは面接まで1時間以上あり,十分な準備ができた…つもりでした.
しかし,逆にこれが裏目に出てしまい,あまり良いとは言えない面接になってしまいました.
準備時間が十分にあると陥ってしまいがちな失敗もあるということで,参考になれば幸いです.
■準備したこと
自分たちが待ち時間にしたことは以下の3つでした.
①自己紹介と進行役の決定
②議論の進行の仕方の決定
③出題される可能性のあるテーマについて意見を出し合う
①は進行役を引き受けてくれる人がいたためすんなり済みました.
②については,面接時間の15分は意外と短いのではないかということで,
あらかじめ決めておくことにしました.
基本的な進行の仕方は大きく分けて以下の2つであると考えました.
・思いついた人が思いついただけ意見を言う
・1人1つずつ意見を言う
自分たちは集団面接で失敗の原因となりがちな,「意見の偏り」を防げると考え,後者を選びました.
③については,過去にテーマとなった内容や時事問題,別の病院のマッチング試験で問われた内容などを出し合い,
それぞれについて意見を挙げていきました.
その中には偶然,実際に面接で出題されたテーマも含まれていました.
■面接開始
しかし,一見良さそうに思えるこれらの準備が裏目に出てしまったのです.
まずは,②による失敗です.
あらかじめ決めたことに沿って,意見は1人1つというルールを守りつつ,
思いついた人から手を挙げていくようにしました.
ところがそれにより,最後の方になった人が何も思い浮かばなかった場合に,
既に意見を言った人は発言を遠慮して議論が滞ってしまったのです.
その状況がプレッシャーとなり,意見を求められている人はさらに焦って考えられなくなる,
という悪循環も生まれてしまいました.
また,そのテーマで自分が話せるのは一度きりと思うと,
同意の発言(「確かにそうですね,私も〇〇だと思います.・・・」など)
が出しづらいという弊害もありました.
結果的に,沈黙が多くまた不自然なディスカッションとなってしまったのです.
さらに,③による失敗もありました.
本来であればテーマに沿ってその場で考えて,自分なりの意見を言えばいいのですが,
なまじ事前に皆で意見を用意してしまったがために,
用意した意見の中からまだ言われていないものを探す,
と考えてしまうようになったのです.
そのため,用意する段階であまり意見を出せなかった人は,
誰かが言っていた意見を思い出しながらなぞるということになってしまいました.
テーマがテーマだけにどの意見もそこまで単純ではなく,
思い出しながら自分の言葉で言うのはとても難しい作業です.
そのため,一部まとまりがない部分や,不自然な部分がある意見となってしまったように思います.
試験の緊張や試験官の圧迫感に押されてフレキシブルに対応することが難しかったことも,
立て直す上で大きなマイナスでした.
ただ,議論が進んでいく中で暗黙のルールにも柔軟性が生まれ,
相槌を打ったり助け舟を出したりと徐々に良くなっていきました.
■最後に
もちろんテーマやグループによって議論の進み方は様々ですので,一概には言えません.
しかし,事前にルールを作ったり話し合ったりしておくことが,
一見良さそうに思えて実は議論を硬直させてしまうこともあるということは,
長い準備時間の落とし穴として頭の隅に置いておくといいかもしれません.
______
いかがでしたでしょうか.
意外な落とし穴ですが,集団面接の際には気をつけたいですね.
(編集部Y.M)