実習・マッチング

[5,6年生向け]マッチング体験記:筆記試験,面接対策

7月に入り,6年生の皆さまは模試や卒試,マッチング対策で忙しいことと存じます.

マッチングにおける病院採用試験は卒業試験や医師国家試験とは雰囲気も傾向も異なります.
なのでマッチングの試験に特化した対策が必要になります.

病院ごとに試験の形式が異なりますが,小論文試験,面接試験を課す病院が多いです.

また,英語の筆記試験や医学知識を問う筆記試験,OSCE形式の実技試験を課す病院もございます.

今回は,去年の都内でのマッチングで,筆記試験と面接試験を受験した先輩の体験記を紹介します.
6年生の皆さまは直前期の確認として,5年生の皆さまは来年のマッチング対策における参考として,ぜひご一読ください.


都内市中病院の筆記試験対策と面接対策
千葉大学 T.S.さん


はじめに

私はマッチングで,東京都内の市中病院をいくつか受験しました.
受験したどの病院も筆記試験を課していたため,様々な教材を使用して対策を行ってきました.

その時の経験をふまえて,今回はマッチングでの筆記試験と面接試験の対策について,失敗も含めて書いていこうかと思います.

(※小論文試験が課される病院はほとんど受けておらず,かつ対策もほとんどできていないので,小論文試験対策については割愛させていただきます.)

筆記試験対策

いつ頃から始めるべきか

筆記試験対策について,いつ頃から始めるべきか,対策方法の順序に沿って説明していきます.

① 医師国家試験レベルの知識習得

私は5年生の3月から本格的に『クエスチョン・バンク』(以下QB)を仕上げ始めました.
病院実習の合間でコツコツ勉強をやっていたおかげで,2ヵ月後の6年生の4,5月には,メジャー科の領域に関しては十分に医師国家試験の問題を解けるレベルまで到達しました.

なぜこの早いタイミングに仕上げたのかというと,マッチングの筆記試験,特に都内の市中病院での試験は国家試験レベルの内容を超えた出題がされることがしばしばあるからです.

もちろんマッチングの筆記問題を全て解けるようになるまで勉強するのはオーバーワークだとは思いますが,ある程度は医師国家試験より難しい問題に対応できる必要があります

マッチングの筆記試験対策は,早めに医師国家試験に合格に必要なレベルの知識は固めて,それ以上に専門的な知識について,時間をかけて習得する,という流れになります.
実際,私の周りにいた,都内の市中病院を受験した同級生は,多少の個人差はあれど早い段階で医師国家試験レベルの知識の暗記は済ませていたかと思います.

②過去問演習&『イヤーノート』通読

医師国家試験レベルの知識習得を終えたら,その次はマッチングの筆記試験の過去問演習『イヤーノート』(以下YN)の通読を行います.
なぜイヤーノートを通読するべきなのか,それは過去問を解けばその理由が分かります.

『YN』はかなり分厚い書籍であり,医師国家試験対策レベルの知識だけでなく,内科専門医試験レベルもある程度網羅しています.
そのため,過去問演習をした際に,まだ知らない知識に遭遇したら『YN』を参照してください.
すると大抵の場合は問題を解く上で必要な知識やヒントが掲載されています.

そして上記の2つと同時並行で,分からない問題,頻出疾患に関しては「Anki」という暗記に特化したアプリを用いてひたすら暗記する作業を繰り返しました.
この「Anki」はマッチングとその後の国試対策で非常に役に立ったアプリです.
「もはやこれ無しでは暗記できない!」というほど便利ですので,興味のある方はぜひ使ってみてください.

筆記試験対策についての反省点

自分のマッチング対策における反省点は,あまりに『YN』の通読に注力してしまい,過去問演習を始めるタイミングが遅れたことです.

具体的には,医師国家試験やマッチングの筆記試験で問われるような疾患について,文字通り全部暗記する勢いで『YN』を通読して,その中で暗記すべき内容を「Anki」に移動させて覚える,という方法で勉強をしました.
この方法はあまりに非効率過ぎたと思います.
その結果7月下旬からマッチングの終わりまで,短期間で過去問演習をこなさなければならず,かなり苦しい思いをしました.

隅々まで暗記するといった完璧さを追い求めるのではなく,
過去問に早い段階から取り組み,病院ごとの問題の傾向(頻出疾患など)を知ってから,優先順位をつけて『YN』通読や知識の暗記といった対策を行う
のが重要だと思います.

面接対策

「なぜ医師を志望したか」や「志望の診療科はどこか」など,どこの病院でも聞かれそうな内容の質問についてはスラスラ回答できるまで練習しましょう.

『ハローマッチング』などに目を通して,志望する病院の面接試験において過去にどのようなことが聞かれたかについて調べ,
また病院見学で,病院に勤めている研修医から,実際に面接試験を受けた時にどのようなことを聞かれたかをできる限りリサーチしておいて,
自分なりに質問されるテーマを予想し,そのテーマに対する答えを準備しておく
ことも重要です.

また面接試験の際に突拍子もない質問について尋ねられることがあります.
(私の場合は脈絡なく「自分自身のキャッチフレーズは」と問われました.)

こればかりはその場でのアドリブ力が求められますが,そのような場面に出くわしても動揺しないように,友人とその対策をしておくとよいかもしれません.

最後に

以上,長々と書きましたが,今回紹介した方法はあくまで対策方法の一つでしかありません.
病院見学で出会った先生方や知り合いの先輩などに実際に話を伺って,聞いたことから良いとこ取りをした対策方法を編み出していきましょう!
マッチング頑張ってください!


この体験記はお役に立ちましたでしょうか.
自分が行きたい病院がどのような試験を課すのかを知り,そしてできるだけ早く対策を始めることが大切なようです.

6年生の皆さまは今月からマッチングの試験が始まりますが,『YN』に目を通しておけば,読んだところが筆記試験に出るかもしれません.

面接試験では,よく聞かれる質問や病院ごとに予想される質問についてバッチリ対策しておきたいですね.

今年のマッチングのスケジュールについては下記記事を参照してください.

5年生の皆さまも,今のうちから行きたい病院の試験についてリサーチして対策を始めておくと,来年マッチングで有利に立ち回れるかもしれません.

これから梅雨明けで本格的に夏が来ますが,夏の暑さに負けずに頑張りましょう.

それではまた.

(編集K.S.)

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