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全受験者必見!新内科専門医試験の概要・対策について完全攻略!

みなさまこんにちは!編集のN.M.です。

今回はQ-Assist講師のさとみな先生から、内科専門医試験の対策について教えていただきました。おすすめの教材やスケジュール、試験の当日の様子などを教えていただきましたので、ぜひご覧ください!

どうもみなさんこんにちは。

Q-Assist内科専門医の講師を担当しております、さとみなと申します。
私自身、新内科専門医試験を乗り越えた経験を持つ者なので、これからみなさんに様々な情報をご提供できればと思っております。
今日は、内科専門医試験の対策の仕方についてお話ししたいと思います。

 

1. はじめに〜内科専門医試験の特殊性について〜

最初に、内科専門医試験の特殊性についてお話しします。

内科専門医試験には、今までみなさんが受けてきた試験とは大きく違う点が一つあります。

それは「情報格差の大きさ」です。

   

どんな試験においても大なり小なり情報格差は存在するのですが、内科専門医試験は特に顕著なのです。大学受験は、高校や塾の先生、あるいは同級生を通じて勉強の仕方や受験の流れを学びましたし、医師国試の際も、主に同級生、時に教授や先輩を通じて多くの情報を得たことと思います。そしてその情報は、あえて自分から取りに行かずとも、なんとなく耳に入り、なんとなく理解するようになったと思います。

が、内科専門医試験となると様相が変わってきて、話を聞ける先輩が少ない、所によっては同期はほぼいない、試験の歴史が浅くノウハウの蓄積がない、などの理由から、対策の仕方に関するたいした情報を持たないまま、五里霧中の状態で試験へ突き進む人が大半になります。最近はインターネットなどで少しずつ体験談などが共有されるようになってはいますが、逆に言えば、そう言った情報は、自ら取りに行かなければ得ることはできないため、情報を取りに行く者と取りに行かない者の二者が生まれることになるのです。

 

最も危険なのが、情報がないために、「どうせ落ちないんでしょ?」と、高を括るような認識になることです。内科専門医試験は、ある種閉鎖的な試験であるために、不合格者の情報があまりありません。が、実際の数字として、第3回の合格率は約85%です。国試よりレベルの高い集団で、国試よりも合格率は低い、要はしっかり不合格が出る試験なのです。

では不合格者はどこにいるのかというと、情報量の少ない集団の中にいます。「周りは試験対策やってないし、大丈夫か」とみんなが思っている集団が危うく、多量の不合格者を出しやすい傾向にあります。そのため、合格者の周りには合格者しかいないが、不合格者の周りには不合格者が多い、といった状態が起きるのです。

ということで前置きが長くなってしまいましたが、その情報格差をある程度減らすためにも、ぜひこの記事をご一読いただければ幸いです。

  

2. 試験の概要

毎年5月〜6月の週末に行われ、ペーパーかつマークシート形式の試験です。

会場に関しては毎年異なり、5会場だったり2会場だったり様々です。

難易度に関しては、「内科認定医試験と総合内科専門医試験の中間程度」と学会が明記しています。

試験はだいたい9時〜17時前くらいまでの長丁場、2回の休み時間を設けて3時限に分けての試験となっています。 

  

▼2024年度の情報はこちら

試 験 日 2024年5月26日(日)試験時間 9:00 ~ 16:40
試験会場   横浜、神戸の2地域
出願期間2024年1月25日(木)~2024年4月15日(月)23:59まで
出願方法オンライン
受験料30,000円(税込)
※合格後、日本専門医機構から認定を受けるため、別途「同機構の認定料11,000円(税込)」がかかります
合否発表7月末頃、オンライン出願フォームに合否結果を掲載。
出典:一般社団法人「2024年度 第4回 内科専門医 資格認定試験」https://www.naika.or.jp/nintei/exam/new_senmoni_shiken/

 

3. どの教材を使用するべきか?

わかりやすい話が、QA、QB、QC。これらを利用しましょう。

のQシリーズです。

特にQ-Assistに関しては、今年度は全科揃えることができませんでしたが、来年度以降全科全項目を網羅する予定ですので、内科専門医試験対策のキー教材になっていければと思っております。

これらの教材は、内容はもちろんのこと、勉強しやすさという観点で非常に素晴らしく、mediLInkで『Q-Assistで全体像を把握→QBで問題演習→QCで地固め、適宜イヤーノートや病みえと連携』の全てを一元的に行うことができるため、効率的です。

 

内科専門医対策の問題集・講座は数多く存在しています。そのため、受験生にとっても逆にどれをやって良いのかわからなくなってきている状態であり、それこそが、“五里霧中感”を演出している要因でもある気がします。

当然、あらゆる教材を完璧にすることができるのならば解ける問題は増えると思われますが、内科専門医試験の範囲はあまりにも膨大です。対策に対策を重ねても、全く知らない知識が数多く出題されます。となれば、あらゆる教材に手を出して消化不良になるよりも、ある程度限られた教材を、完璧に習得する方が合格への近道と思います。ので、まずは上記教材を習得するところから始めるのが良いと思います。

 

その上で、上記教材以外の話です。

 ●学会が出版している『日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門医試験/過去問題集』

 ●『生涯教育のためのセルフトレーニング問題集』

まず『日本内科学会認定内科医試験・総合内科専門医試験/過去問題集』は、多くの受験生が使用していると思われますが、実際に受験生だった身としての感想は、「認定医試験の方は簡単すぎる、総合内科専門医試験の方は難しすぎる」という印象でした。

また、『生涯教育のためのセルフトレーニング問題集』もまた、総合内科専門医試験レベルであり、内科専門医試験よりやや難易度が高いかもしれません。内科専門医試験は「総合内科専門医試験よりは簡単」な難易度であることを考えると、やや不適切な気もしました。が、触れないのも気持ち悪いと思いますし、当然、触れておいた方が安心ではあります。なので、まずはQA、QB、QCを演習いただき、時間的余裕がある方はそちらの方も併せて勉強していく、といった流れが良いのではないかと思います。

●各社出版の問題集や講義動画

どれも質が高いです。が、上記の通り、消化不良が最も怖いので、勉強時間をたっぷり確保できる方や上記教材をある程度習得できた方は、取り掛かることを検討していくのが良いと思います。


▼受験生時代のさとみなの実際の対策方法

受験生時代の僕はというと、QB、QC、認定医試験の過去問、ネットに落ちている再現問題を解いて対策しました(QAはなかったため)。総合内科専門医試験の過去問、セルフトレーニング問題集は解きませんでした。なお、ネットに落ちていた再現問題は、著作権の問題からか現在は軒並み削除されており、現状、内科専門医試験に準じた問題に触れることができるのはQBのような問題集のみとなっております。

僕の場合は、ただ問題を解くだけの対策法でしたが、体系的に勉強できている感覚が全くせず、文章を読んでも頭に全然入ってこない恐怖に苦しめられながら勉強していました。各社が提供している動画教材はありましたが、どれが良いのかわからず、結局使用しませんでした。正直、動画教材を使用していればはるかに効率的に勉強できただろうと思います。

4. 実際の対策スケジュールについて

まず、いつから対策すべきか?という質問に対しては、皆様が勤務されている病院がどの程度忙しいかによるところが大きく、原則化できない、というのが正直なところです。が、あえて原則化するならば、年明けの1月頃から少しずつ触れていき、1ヶ月前頃よりフルスロットルで勉強に励む、といったスケジューリングが良いだろうと思います。

1月頃よりQ-Assist(講義動画)を視聴し、ある程度素養をつけつつ、スキマ時間でQuick Checkを進めていきます。

最初からQBやその他問題集の問題を解いてしまうと、わからないことがあまりにも多すぎて情報が何も完結しない、頭に入らない、といった状況に陥りやすいため、動画と、一問一答形式で土台を固めるところから始めます

Q-AssistとQuick Checkは3月末頃までに終われば理想的です。その後はQBで演習量を増やしていきましょう。もちろん、適宜Q-AssistやQuick Checkの復習をしてもかまいません。以上のスケジュールで対策を行えば、試験当日には十分合格に足るレベルになっていることでしょう。試験時せん妄だけ、気を付けるようにしましょう。

 

▼試験までの対策スケジュール

5. 試験当日について

各時限において途中退室は可能ですが、意外と時間はありません。

マークミス等のチェックまで含めると、あえて途中退室をしなくても良いかな、くらいの時間に終了すると思います。

また、会場によりますが、途中退室後は、退室者の待機場所として明確に指定されている場所はないので、空き場所を見つけて勉強や復習を行うくらいしかできません。

なお、問題用紙は全て回収されます。

試験終了後の体感としては、「難しすぎる…けど、似たような問題も結構あったな」といった印象になると思います。 難しいと感じるのは皆一緒ですので、あまり気を落とさぬよう、最後まで試験を受けていただければと思います。

ということで、内科専門医試験についてざっくりとお伝えしてみました。

みなさんの試験対策の参考になれば幸いです。


筆者

Dr. さとみな

さとみな先生

内科専門医でありQ-Assist講師。

軽快なトークから繰り出される

臨床エピソードや小ネタによって記憶に残る講義が人気。

https://twitter.com/muroyamuron

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