[受験生向け]【体験記】マッチング体験記 ~3次マッチング~
- マッチングは1次募集以外に、2次募集と3次募集がある!
- 3次募集は国家試験後に始まる!
- 国試後の短期勝負!準備は計画的に!
こんにちは,メディックメディア編集部です.
10月下旬になり,マッチングの結果発表(10月22日)から1週間弱が経ちました.希望の病院に決まった方も,これから気持ちを切り替える方も,それぞれのスタートを切っている頃でしょうか.
さて,今回は「万が一アンマッチだった場合,具体的にどう動くべきか」というテーマです. 実際にアンマッチを経験し,国家試験後の「3次マッチング」に挑んで見事研修先を掴み取った先輩・Uさんにお話を聞きました.
※本文中の「今年」「昨年」などの時期に関する表現は、インタビュー当時の時系列に基づいています。
「合格していたはずなのにアンマッチ」
〜国浪2年目の私が3次マッチングで研修先を決めるまで〜
関西医科大学 U. R. さん
まさかのアンマッチ
―――よろしくお願いします.簡単に自己紹介をお願いします.
私は2回の国試浪人を経て,この春晴れて国家試験に合格し,初期研修をスタートしました.
いわゆるストレートではなく遠回り組です.
―――これまでにもマッチングを受けたことはあったんでしょうか?
はい,一昨年(現役の時)は京都にある3つの病院の見学に行き,A病院とB病院を受験しました.
第一志望のA病院からは合格通知書(※病院によっては,合格通知書といって『内々定』のような形で事前に合否を通知して下さることがあります)をいただき,10月には実際にマッチすることができました.
■A病院の合格通知書

しかしながら,私は国家試験に落ちてしまい,A病院で研修することは叶いませんでした.
昨年もA病院を志望し,1次マッチの試験に臨みました.
試験を受けてそちらは合格通知書をいただいていたものの,なんとまさかのマッチング登録を忘れてしまい,マッチすることはできませんでした.
――― 一昨年はマッチしたけど国試浪人,昨年はUさん側のうっかりミス(マッチング登録忘れ)だったんですね.3年目の今年はどうでしたか?
A病院のマッチングを受け,一昨年,昨年と同じように合格通知書をいただき,昨年の失敗を教訓にマッチング登録も済ませ,現役の時の成功体験から「今年も大丈夫だ」と安心しきっていました.
そしてマッチング結果は…
■マッチング結果通知(イメージ画面)

現実は厳しく,アンマッチ….
現役の時にマッチしたのと同じ経過だっただけに,結果を見た時はかなり衝撃でした.「合格通知書って一体なんだったんだ…」と.
―――同じ病院の研修を二度見送ってしまったということも影響していたのでしょうか?
そうですね…,私は国試浪人で二度もA病院の期待を裏切っていますし,おそらく私以上に魅力的な学生がいたということなので,仕方ありません.
しかし,急遽,私は2次・3次マッチングのことを考えなければならなくなりました.
2次マッチを受けるという選択肢もありましたが,私はあえて見送りました.
A病院を含め京都エリアの病院に空きがほとんどなかったため,様々な病院に空きが出る3次マッチに絞った方が良いと考えたからです.
2次に応募せず3次募集へ
―――2次募集に応募しなかったんですね.不安はありませんでしたか?
3次マッチングへと進むことに強い抵抗はありませんでした.
そもそも初期研修医という職業は日本全体でみると定員割れしているので,「どこにも行けないかもしれない」という不安はありませんでした.
また,私は地方出身であることもあり,地方での研修にも抵抗はありませんでした.
ダイビングのプロライセンスを持っているので,「海が綺麗な沖縄もありか」と思っていたくらいでした.
―――3次募集は国試不合格者の枠を埋めるという性格が強いため,行きたい病院が募集をするかわからないですよね?
これは私がのんびりしすぎかもですが….仮にそうなったらいまいち納得のいかない病院で研修を受けるよりは,1年間バイトや仕事で生計を立てて,来年の1次マッチを狙うことを考えていました.周りは合格するかも分からない学生たちの中,ほぼ唯一すでに国試に合格している私,という優位な状態で受けた方が良い病院に巡り会えるのでは?とすら考えていました.
【Uさんが2次募集を見送って3次募集に絞った理由】
●初期研修の募集枠がすべて充足することはない
→希望エリア以外の2次募集に焦って応募しなくてもいい
●田舎での生活への適性がある
→希望エリアで3次募集が無くても,空きの多い地方で探せばいい
●それでももし3次で行きたい病院が無かったら…
→国試合格後にマッチング浪人し,マッチングに集中すればいいかも?
3次募集への応募の実際
―――Uさんにとって研修病院の条件って,何ですか?
私の病院選びの軸はシンプルで,「その土地で何ができるか」でした.
私は学生時代から京都で茶道をしており,茶道を続けたいがために茶道の先生のご自宅から近い順にA病院(今年,3回目でアンマッチになってしまった病院です),B病院,C病院を考えていました.
■茶道をするUさん

―――3次募集って期間が短いし,大変そうですよね?
見学に行った病院を中心に,希望する京都エリアにある5つの病院に直接メールで問い合わせをしました.国試終了後にあらかじめメール文面を用意していたので,合格発表の直後の14:07から順次送信しました.もし営業時間間際になっても返信がない場合は電話をしようと考えていましたが,4病院から迅速に返信をいただき,その内C病院で空きが出たとのお返事でした.
C病院からは面接試験が課され,必要書類として履歴書,卒業証明書,成績証明書を求められました.翌日の14:00に京都で面接だったこともあり,準備はバタバタでした.
連絡をいただいた直後,急いで証明写真を撮りに行き,履歴書を書きました.私は運良く現役の時にC病院を受けようとした際の履歴書をとっていたので少しの手直しで済みました(書類提出時に,実は現役のときに書いたものをとってあったんですよ~と,にわかではないことをアピールしてみました).
翌日は始発に近い時間に家を出て,午前中に大学で卒業証明書と成績証明書を発行いただいてから新幹線で面接に向かいました.間に合って良かったのですが,卒業証明書や成績証明書,証明写真など,事前に想定されるものは準備しておくべきだったと感じました.
面接後,他の方の面接が終わるまで待機となり,その場で合格を伝えられました.
見学時の雰囲気などはいちばん良い病院だったので,C病院で研修が受けられることになり良かったと感じています.
マッチできたことはもちろんですが,翌日にすぐ面接,さらにその場で結果を教えてもらえたことは時間のない3次マッチの状況で,かなりラッキーだった気がします.
契約書類などの手続きを済ませた後,そのまま物件の内見に向かって賃貸契約まで済ませて東京に帰ることができました.
【Uさんから学ぶ3次募集への応募スケジュール(例)】
①国試終了~合格発表まで
・見学経験のあるエリアを中心に問合せする病院候補を挙げておく
・3次募集の有無の問合せメールの下書き
・書類準備(卒業証明書,成績証明書,証明写真,履歴書)
・面接のためのスーツ・靴などの準備
②国試合格発表後
・直後から病院に問合せメールを送信
・(メール返信状況に応じて)病院の営業時間内に電話で問合せ
③病院での面接後
・(マッチの可能性が高そうなら)賃貸物件の内見など
受験生へのメッセージ
―――最後に,アンマッチになって不安に思っている受験生に対してメッセージがあればお願いします.
私の経験から伝えられることは,「3次マッチだからといって焦って不安になることはない」ということです.
自分だけが取り残されたように感じて焦ってしまう気持ちはよく分かります.
私もアンマッチが分かったときは,合格通知からの落差もあって受け入れるのに時間が必要でしたし,国試浪人していたのでなおさら「浪人生の自分が6年生と渡り合えるんだろうか」という不安も感じました.
しかし冷静に見てみると,研修医全体では「定員割れ」していて,どこにも行けないということはありません.
また,自分ひとり取り残されているという訳でもありません.
私は自大学の教官に助けていただき,関連病院を紹介するというお話もいただきました.
3次マッチを経験している先輩も意外にたくさんいることがわかり,部活・大学のOBOGさんも力になってくださいました.
私のように遠回りをしても,ちゃんと進路は決まります.
アンマッチになってもそれで終わりではなく,ルートが変わるだけで進む道はいっぱい残っています.
大切なのは周りと比べすぎず,自分の軸を持つことです.
―――ありがとうございました.
Uさんへのインタビューでした.
アンマッチになったとき相当なショックだったそうですが,そこから徐々に3次マッチングを楽しんでやろうという気持ちに変わっていったそうです.その境地にたどり着いたのは,「根が楽観的」とおっしゃるUさんならではかもしれませんが,この記事を通じて皆さんの不安が少しでも軽くなれば幸いです.

