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【医師国家試験”不合格”体験記】「今までなんとかなっている」はリスクファクター

[117回国試受験生]4月以降のアルバイト募集

マッチングで忙しい時期かと思いますが,実は医師国家試験まで残り160日を切りました. 国家試験対策はもうスタートできていますか?
今回は第112回医師国家試験に立ち向かったものの,残念ながら不合格となってしまった先輩の体験記をご紹介します. 不合格となってしまったからこそわかる「もっとこうすべきだった」という反省が,これから医師国家試験に立ち向かう皆さんにとって有益な内容となっているはずです. ぜひ読んでみてください.

◆◆◆ 「テスト前だけ頑張って,今までなんとかなっている」はリスクファクター (T大学 Uさん) ◆◆◆

私は,第112回医師国家試験を受けたものの,一般・臨床が8点足りず,不合格となってしまいました. ですが,全く勉強をしなかったわけではなく,自分の合格を信じて直前期まで努力していたつもりでした.

◯そもそも基礎力が全くなかった

私は運動部に所属しながら,6年生までアルバイトにも精を出しつつ,飲み会にも参加し,ほぼ最下位でなんとか進級する,という学生生活を送ってきました. 国試に関しては,「ストレートで6年生まで進級したし,まぁみんな受かるだろうから,なんとかなるでしょう」と完全にナメていました. まさか自分が落ちるなんて全く思っていなかったのです.
「先輩たちもみんな受かったし,新卒の合格率は90%以上.なんとなくやっていれば受かるのでは」,「基礎力は少し自信ないけど,テストの直前だけ頑張ってストレートで6年生まで進級できた…
なんとなく頑張れば合格する」と思い込んでいる方こそ,現実をしっかり見据えて,着実な計画を立て,しっかり模試で偏差値50以上は取り続けて(偏差値は体温あれば受かるとかいう先輩の言葉を鵜呑みにしてはいけません…),安全圏で合格して欲しいです.
直前になったら頑張って,そしたらなんとか…なりません!危険圏は本当に危険です. 6年生の夏ごろから気を引き締めて国試対策に臨むことを強くオススメします

◯国浪して気づくモチベーションと合否の相関

国浪して予備校に通っている中で1つ気づいたことがあります. 「親に言われたから」,「医学部に入れば安泰だから」というモチベーションの人,「それ故に医学にあまり興味がない. 果たして自分は本当に医師として向いているのか?」ということを考えていた人が国浪生になっていることが,驚くほど多いです.
もちろん,ずっと医師になりたいと思っていて,しっかり勉強したにも関わらず及ばなかった,という人もたくさんいます. ですが,「親に言われたから」といった言葉が少しでも他人事でないと感じる人は,他の人よりさらに注意深く,掘り下げた勉強を早めに始めることをオススメします.

医者になろうか云々悩むのは全く結構ですが,周りが研修医として働き始める中,ただの無職である国浪生になることの方がよっぽど辛いことはお伝えしておきます!

◯周りの情報に振り回されてしまった

「国試は情報戦」だとか,「勉強会のできない人が落ちる」と巷で言われているかもしれませんが,それもあくまで噂の1つにすぎません. 1人の勉強でもやることをしっかりやれば,確実に結果は付いてきます.
私はいろいろな人の勉強法が気になってしまい,iPadでまとめノートを作ってみたり,手書きのノートも作ってみたり,みんなが早めに見ていたビデオ講座に,直前期になって手を出してしまったり,と今思えば勉強方法の軸がブレブレでした. その結果,ほとんどの予備校の講座やテキストも受講しただけで復習することもなく,振り返ると頭の中が散らかった状態で本番に挑んでしまった気がします.
本当に大事なことは,自分のまとめノートでも,予備校の教科書でもなんでもいいので,何回も繰り返し見直して完璧にすることです. いろいろなものに手を出してすべて中途半端な知識のまま本番を向かえることが,国試せん妄を誘発します.

◯直前期に気づく必修の危うさ.ないがしろにされて落ちた一般・臨床力

卒試が終わり,12月頃から私は本腰を入れて国試勉強に励んだものの,模試の偏差値はずっと35程度で低空飛行でした. しかも必修は55%→65%→77%と上昇傾向ではありましたが,一度も8割を超えませんでした. ちなみに,12月の模試の時点で私の大学では8割を超えていない人はほぼいませんでした.
そして2月に入り,突然必修の危うさに気づきました. 慌てて国試1週間前に『レビューブック必修・禁忌』を購入し,『クエスチョンバンク必修』を解きまくり,本番は86%になったものの,直前期になおざりにしていた一般・臨床問題で良い得点が取れず,結果,不合格となりました.

◯いつか覚える!はいつまでも覚えない

私が国試での勉強で1番反省していることは自分の習慣でした. 「何回か見ていれば覚えるのでは…」と思っているうちは,いつまでも覚えません. 覚えられないものはコピーして,覚えられないファイルに入れて1日2回は見返す勉強法や,ノートを見た後に天井を見つめて暗唱できるか試してみる勉強法もいいと思います.
また,ただ丸覚えに走るのではなく,時間のあるうちに内容を理解しながら覚えるということも大事です. 直前期に一から理解する時間はないので,夏ごろまでに深く理解する勉強を,そして秋からは実践を見据えた問題演習,直前講座などに集中できる計画をきっちり立てるようにしましょう.

— 自分の状況を見つめ直して,計画的に勉強していくことが大切だということがわかりますね. ぜひ,自分に当てはめて,参考にしてみてください.
まだ暑い夏が続きますので,体調管理に気をつけて頑張ってください. 編集部一同,心より応援しております!
(編集部 M.S)

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