CBT・OSCE

[6年生]Post-CC OSCE攻略法【体験記】

今回お届けするのは,おそらく最も効率よくPost-CC OSCE(PCC OSCE)を乗り切る方法です.
卒試や国試勉強で忙しいこの時期…先輩の体験記に学び,PCC OSCE本番までにやることを明確にしておきましょう.


PCC OSCE攻略法
(T大学 K.Oさん)


繰り返し本番の練習を

対策はいたってシンプルで,繰り返し練習をすることだと思います.
私は,公式資料(臨床研修開始時に必要とされる技能と態度に関する学修・評価項目)をダウンロードし,同級生同士で35症候分のロールプレイを行いました.
挨拶や自己紹介から始まり,指導上級医への報告に至るまで,常に時間を意識しながら練習しました.練習に際しては,患者役となった学生が公式資料にのっとってランダムで疾患を選び,交代で練習しました.

大学共通問題の出題範囲と試験時間
PCC OSCEは大学共通問題と各大学の独自問題の2部構成.
大学共通問題で出題されるのは,上述の資料のうち,ショックと心停止を除いた35症候です.
試験時間は次の通り.試験後,「時間が足りなかった」という声がよく聞かれます.
 問診(目安:7~8分)+身体診察(目安:4~5分)=12分以内
 指導医への報告(症例プレゼンテーション)=4分以内

ロールプレイを円滑に行うためには,医師役だけでなく患者役も,疾患ごとの典型的な患者像を十分理解しておく必要がありました.
そのため,練習開始前にメジャー科を中心に学習を一通り終わらせておきました.
また,診察手技に関しては,Pre-CC OSCEで使用した公式資料(診療参加型臨床実習に参加する学生に必要とされる技能と態度に関する学修(学習)・評価項目)を復習しておきました.

身体診察と指導医への報告の工夫

練習していくにつれ,かなり時間的制約の厳しい試験だということがわかり,身体診察の選び方と指導医への報告には以下のような工夫を要しました.

まず,前者(身体診察の選び方)に関しては,最初にとる診察を決めていました
浮腫を例にしますと,たとえ主訴と関係がなくても「足のむくみ」を訴える場合などには,最初に下腿を触診し,圧痕性なのか非圧痕性なのかはっきりさせました.
PCC OSCEレベルでは,圧痕性であれば心不全,腎不全,肝硬変,非圧痕性では甲状腺機能低下症を疑うことができるからです.
ここで甲状腺腫の有無を調べたり,心音を聴いたりしてもいいとは思いますが,陰性の場合は疾患をうまく絞れず,時間をかけた割に得られる情報が少ない場合があります.
そのため,浮腫の診察をまず行い,その次に診察を検討すべきだと考えます.
このように疾患の目処をつけやすい診察を先に行うことで,most probable diagnosisを絞ることができたと思います.

また部位別に手軽な診察をまとめたセットを複数作りました.
例えば,頭痛など頭部の診察が必要な場合には,「頭セット(瞳孔,Barré徴候,jolt accentuation)」を用います.
診察順序に関しては,このような手軽なものを優先し,より時間がかかるもの(MMT,腱反射など)は後回しにしていました.

なお,患者の解釈モデル(例:がんが心配)に関わる診察事項は,たとえ病歴と矛盾するものであったとしても行う方がよいでしょう.

後者(指導医への報告)に関しては,病歴や所見をプレゼン後,most probable diagnosisとその他の鑑別疾患,それらの理由まで必ず時間内に言えるよう意識しました.
練習中は,鑑別を網羅できているか,その根拠が正しいかについて,患者役が公式資料鑑別!1st impressionを駆使して判断しました.
特に鑑別!1st impressionでは,「鑑別モード」を活用しました.

鑑別!1st impression』
以前から疾患ごとの患者像を手軽に確認できる,と評判だったmediLinkコンテンツが,PCC OSCEの正式実施にあわせて大幅にブラッシュアップ(詳細はこちら).
症候ごとにcommonな原因や緊急性の高い原因を確認できる他,「鑑別モード」を使えばクイズ形式でアウトプットできます.
公式資料と対応しているので,効率よく勉強できるとご好評をいただいております.

PCC OSCEを終えてみて

実際の試験では,後日改めてよく検討してみても疾患がわからないシナリオも出題されました.
このため,本番の試験では全てがクリアカットにいかない場合も想定しないといけません.

また,コロナ禍の影響で,私の大学の試験は一部オンラインで行われるなどイレギュラーなことも大変多く,私は本番で問診に予想外の時間を取られてしまいました.
制限時間のある中で,最低限,疾患の目処をつけ,鑑別疾患を挙げること,そしてその根拠をはっきり言えること.そのために,何度も繰り返し練習してみてください.


いかがでしたか.
効率のよい勉強法で鑑別診断の基礎を習得し,来年の今頃は研修医として活躍しましょう.
K.Oさん,貴重な体験記を,本当にありがとうございました!

(編集部N)

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