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[5〜6年生]医師国家試験【体験記】急がば回れ!ごまかさない臨床問題演習で真の実力を身に着けよう

こんにちは.

2021年も下半期に入りましたね.
非常に暑い日が続いているので,体調を崩さないようご自愛ください.

さて,今回は国試における臨床問題についての勉強法をご紹介します!

やや発展的な勉強法ですので,

時間をかけてじっくり国試対策していきたい5年生の方
すでにある程度国試勉強が進んでいて,さらなる得点アップを狙っていきたい6年生の方

そんな方々にオススメしたい内容となっております.

ぜひ参考にしてください!


ごまかさない臨床問題演習で真の実力を身につけよう

(T大学 Y. Iさん)


臨床問題と実際の臨床では思考回路が違う

国試勉強を進めていくと,
徐々に問題に既視感を感じ始め,解ける問題が増えてきます.

しかし,この段階では,問題を完全に理解していなくても解けるという
いわゆる「ごまかし」が通用していることが多いです.

選択肢のおかげで消去法が使えてしまったり,
症例文に多少知らないことがあっても
知っている知識だけで答えが導けてしまったりすることが多々あるからです.

そもそも,自力で問診や検査の立案をせずに必要な情報が列挙されている状況も,
実際の臨床とは乖離しているといえます.

そんなわけで,正解にたどり着くことだけを考えて漫然と臨床問題を演習していても,
本当の臨床の思考回路を身に着けることはできません.
そして,国試勉強としてもある程度のところで伸び悩む時期に突入します.

これを打破するために,
私は国試の臨床問題から最大限臨床の考え方を学ぶための工夫をしました.

今回はそんな臨床問題演習の工夫をご紹介します.

ごまかさない臨床問題演習の極意①:問題文は上から下に飛ばさずに読む

臨床問題を素早く解こうと思ったら,
簡単なのは問題文の末尾や画像を見ることです.
特異的な検査所見や画像所見はたいてい最後に載っているからです.

しかし,この解き方は臨床の思考回路としては現実的ではありません.
特異的な検査は,
自分がある疾患を疑って検査をオーダーしてこそ得られるものだからです.

そこで,私は問題文を絶対に読み飛ばさずに順に読むことを意識しました.

それだけではなく,途中で立ち止まって鑑別疾患を列挙したり,
検査プランを考えたりと,
徹底的に臨床の思考回路を追体験するようにしました.

この訓練をしていると,
「臨床において必要な思考回路だけど自分が知らないこと」がみえてきます.

例えば
「低Na血症の鑑別の進め方」「胸水の評価の仕方」「膀胱癌の治療方針の決め方」
といったものです.

私はこれらを調べてEvernoteにまとめていました.
(臨床問題だけでなく実習でもこういったものを抽出してまとめていくと,
国試でも今後の臨床でもきっと役立つ,自分なりの有意義なノートがたくさんできますよ!)

臨床問題を順番どおりに読み,一歩立ち止まって考え,必要な考え方をまとめる.
これを繰り返すことで,臨床の思考回路がわかるようになり,
選択肢がなくても自信をもって正解にたどり着くことが増えていきました.

ごまかさない臨床問題演習の極意②:すべての所見を理解しようとする

臨床問題には,1問1問学べるポイントがたくさんあります.
例えば,循環器の問題で症状と検査で診断にたどり着いたとき,
その聴診所見を無視していませんか?

こんなときこそ聴診所見を勉強すると,
次からは聴診の時点で診断を絞ることができるようになるといったことが多々あります.

私は,複雑な症例や気になる臨床問題に限っては,
Problem Listのようなものを作成していました.
そうすると,適当に読み飛ばしていた症状や所見の存在に気付きます.

イヤーノートなどを参照しながら
その所見は臨床のどんな場面でどんな意味を持つのか?
を考えるようにすると,

ここから
「臨床において必要な思考回路だけど自分が知らないこと」
が見つかる場合も.

これもEvernoteに整理します.

ごまかさない臨床問題演習の極意③:はじめから選択肢を見ない

ごまかさない臨床問題演習の最後の極意は,
選択肢を見る前に一歩立ち止まって考えることです.
(※こちらは非常に発展的な勉強法となりますが,余裕のある方はぜひ試してみてください!)

これだけでも,
「自力で検査プランを立てる」
「症例データから自力で診断する」
などの臨床の思考回路を経験できます.

ちょっと緊張感があって楽しいですし,
自分で思いついたことが選択肢にあると意外と嬉しいものです.
いきなり選択肢を見始めるクセのある人には,オススメです.

これら経験は,次に似た問題を解くときに役立っただけでなく,
一般問題の得点力の大幅アップにもつながったと思います.


いかがでしたか?

国試対策としてだけでなく,
実際に臨床に出てからのことも見据えた発展的な勉強法となっております.

みなさんの国試対策の参考になれば幸いです!

(編集部M.N)

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