国試

【全学年向け】「Anki」を活用したデジタルノートの作り方!

本日は,「Anki」のアプリを活用し,オリジナルのデジタルノートを作成することで見事117回国試合格を勝ち取った先輩の体験記をお届けします!
メディックメディア編集部に来てくださる医学生アルバイトさんの多くがデジタルノートを使っているようです.いよいよ国試勉強を本格化させようと考えている6年生も,5年生以下の方にも参考になるお話だと思います.ぜひ参考にしてみてください!

 


画像もカード化できる!?
「Anki」を活用した国家試験対策の学習方法
(J大学・Aさん)


 目次 

  • 1.  「Anki」とは?
  • 2.  「Anki」の具体的な使い方
  • ・テキストのカード化
  • ・画像のカード化
  • ・効果的な活用方法
  • 3.  「Anki」を主軸とした勉強法のメリット・デメリット
  • 4.  まとめ

1. 「Anki」とは?

すでにご存知の方をいるかもしれませんが,まずAnkiのご紹介をします.簡単にいうと,自分で作成した単語帳を忘却曲線に沿ったタイミングで表示してくれることで効率的に暗記を進めることができるアプリです.
アカウントを作成することで,学習に用いるデッキ(単語帳)やその学習記録を複数のデバイス間で同期することが可能で,友人とお互いに作成したデッキを共有することなども可能です.

 

私の場合は,各診療科ごとに以下の3つのデッキを作成していました.
1. Q-Assistのレジュメ内容
2. 卒業試験の過去問から作成したもの
3. 主にQBから作成した国試直前期用

2. 「Anki」の具体的な使い方

テキストのカード化

まずは,Ankiのカードの作成について説明します.いくつか例を提示しながら紹介していきます.これが私がAnkiを作成している際の基本的な画面になります.

Mac一台で作業が完結するように,画面の左側に,4年生の頃に書き込んだりしていたテキストを表示し,右上で講義動画を視聴,右下でAnkiの作成をしていました.そして,先生が口頭で述べていた考え方なども含めてAnkiに入れるようにしていました.
Ankiの作成方法は十人十色ですが,出来るだけこのカードのように何故そうなるのかであったり,覚えるのに役立つ情報なども合わせてカードにするようにしていました.
また,覚えている部分は黒字のままで,覚えられえていないところを赤字にすることによって覚えやすいようにしていました.他にも自作の語呂であったり,覚えるコツなどをカードに書いておくことも効果的だと思います.

画像のカード化

これまで紹介したように授業内容を文章として入れることもできます.しかし,Ankiでは画像をカードに使用することができてとても便利なので,その方法と作成例をいくつか紹介したいと思います.
作成方法としては,Macの画面上にQ-Assistのテキストを開きスクリーンショットを撮影し,その画像ファイルをAnkiにドラッグ&ドロップするだけです.

📝 カードの例①:画像所見

こちらは,書き込みをしていないオリジナルのテキストの画像を問題とし,Q-Assist受講後に解説の書き込みをした画像を答えとしました.
<画面左:問題>                   <画面右:答え>

画像問題は国家試験でもかなりの数が出題されるため,苦手意識を持たないためにも積極的に画像Ankiを作成すると良いのかなと思います.

📝 カードの例②:イラストや表

また,Q-Assistnのメインプリントに掲載されている表や解剖生理のイラストを使って,次のようなカードも作成していました.
<画面上:問題,画面下:答え>           <画面上:問題,画面下:答え>

iPadとGoodnotes5を使用して解答部分を赤く塗りつぶしたものを問題とし,授業内で書き込んだ補足メモも載った状態の画像を答えとしました.
覚える項目が多く,位置関係なども重要な解剖の知識では有用です.

📝 カードの例③:統計のグラフ

さらに,QBオンラインに掲載されている統計グラフの画像からもカードを作成していました.
<画面上:問題,画面下:答え>

QBの問題ならQBでやれば良いのでは?と考える人もいると思いますが,知識をつけるという観点では,選択肢なしでも自力で答えを導くことは効果的で,Ankiはそのためにとても有用だと思っています.
その問題をただ何回も解くだけでは,問題で着替えれている内容のみに注目してしまい,他の項目の印象が薄くなることがあると思います.しかし,このようなA〜Eが何かを自分で述べるという形式のカードを作成すれば,出題される項目が変わっても対応が可能です.
実際に117回の国家試験ではこのグラフが出題されていたので,Ankiに入れておいて良かったなと思いました.

3. 効果的な活用方法

ここまで,Ankiのカード作成方法について書いてきました.私はカードの枚数も多かったためAnkiに多くの時間を割く必要がありましたが,実際にどのように活用していたかを紹介できればと思います.

📝 活用方法①:移動時間を利用する

国試に向けた勉強をしていく中で「少しでも勉強時間を増やしたい」という人も多いかと思います.自分自身部活動を国試2ヶ月前まで続けていたこともあり,常にそう思っていました.
AnkiならiPhoneですぐに勉強できるので,登下校の電車などのスキマ時間を活用していました.カードの学習状況もアカウントを作っておけばMacやiPadと同期することができるので,夜に大学で直前までMacで勉強していた続きから帰り道にiPhoneで再開することができました.

📝 活用方法②:アドオン機能で現状を把握し,勉強のモチベーションを維持する

Ankiにはアドオン機能がたくさんあります.自分はそこまで多くを有効活用していたわけではないのですが,使用していたものの一つにヒートマップ機能があります.
この画像にある青色のタイルのようなものが,1日に学習したカードの枚数を示しています.枚数が少ないと色は薄く,枚数が多いほど色が濃くなります.

このアドオンによって,自分がこれまでにやった学習の成果を視覚的に把握できるため,継続してAnkiを続ける一つのモチベーションにもなっていました.
自分のスタイルに合ったアドオンを選んで導入していくことで,学習の効率を上げたり,モチベーション維持に繋げることができていました.

3. 「Anki」を主軸とした勉強法のメリット・デメリット

【メリット】確実に知識を定着させることができる

自分は復習をしても結局ノートを眺めるだけであまり覚えることもできずに時間を無駄にしてしまうタイプでした.また,実際に自分が覚えられているかどうかを確認するということもあまりせず「試験などで問われて初めて覚えられていないことが分かる」というようなタイプでした.
しかし,Ankiを使った勉強ではどちらも解決されたように思います.
まずAnkiのシステムとして,忘却曲線に沿ったタイミングでカードを表示してくれます.加えて,自分で解いていて分からなかったらその表示間隔を早めにすることもできますし,逆の場合は少し先送りすることもできます.
これによって「覚えられるまで何回も見て頭に叩き込む」ことができます.「覚えていると思ったのに試験本番で聞かれたら分からなかった」ということも少なくなると思います.これがAnkiの最大のメリットだと思います.

【デメリット】作業が単調・カードの枚数が多いとかなり時間がかかる

Ankiでの学習は良くも悪くも非常に単調です.問題作成ではなく実際に学習する際には,次々と出てくる問題に対してひたすら答え続けるだけになります.
私自身Ankiを解いているうちに,その単調作業に飽きてきて集中力が続かないこともありました.これがAnkiを主軸にする勉強スタイルのデメリットかなと思います.
試験が近づいてくるとそのような単調作業を繰り返すことが精神的に負担になってしまう人もいるかもしれません.
私はその対策として,30分ごとぐらいに気分転換にお菓子を食べたり,友達と話したり,昼食の後にはジムに行って体を動かしたりしていました.根を詰め過ぎてしまわないように適宜気分転換をしながらAnkiを進めていくのがいいかもしれません.

4. まとめ

医師国家試験は必要とされる知識の量がかなり多いです.そのため授業を受けたり,ノートをまとめたりするインプットの時間が多くなってしまいがちですが,結局はその知識を試験本番で活用できなければ意味がないと思います.
Ankiを使用した学習では常にアウトプットをしながら知識を入れていくことができるため,非常に医師国家試験対策には有効だと思います.
また,カードの作成も決して難しいものではないですし,自分で作成するからこそ自分の弱点を補強することにも利用しやすいと思います.
この記事を読んで少しでも興味を持って下さった方がいれば,ぜひ一度Ankiをはじめとしたデジタルアプリを有効活用してみてください.

 


 

 

いかがでしたか?

Ankiを活用してみたいと思った方は,この体験記を参考に,自分なりのデッキを作ってみてください!
自分の学習スタイルにあったオリジナルノート作成方法のヒントになれば幸いです.

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