
イヤーノート2026 内科・外科編
「周りはみんな映像授業で勉強しているけど,自分はどうも集中できない……」
「聞くよりも,自分のペースで読んで覚える方が得意なんだよな……」
医師国家試験の勉強を始めると,多くの人が映像授業を活用します.しかし,中には「映像授業が合わない」と感じている方もいるのではないでしょうか.
私は,映像授業をほとんど使わず,QBオンラインと「イヤーノート」を使い込むことで国試を乗り越えました.
CBTで学年トップ10に入った成功体験から生まれたこの方法が,国試対策のヒントになれば幸いです.
この勉強法は少し昔の勉強法かもしれません.ですが,以下の4つに少しでも当てはまる人は,ぜひこの記事を最後まで読んでいただきたいです.
・動画を長時間見続ける集中力がない
・講義を聞くより,テキストを読んで覚える方が得意
・大学の講義はある程度真面目に聞いていた
・動画は見ていないものの,Q-Assist(QA)は購入している
国試勉強法をお話する前に,少し遡ってCBTの話をさせてください.
当時,周りがこぞって映像授業で対策する中,私はQBCBTをひたすら解いていました.というのも,大学の授業は比較的真面目に受けていたため,改めて映像授業でインプットする必要性を感じなかったからです.
結果は,学年でトップ10入り.この成功体験が,「自分には映像授業よりも,問題演習とテキストの読み込みが合っている」という確信に繋がりました.
もともと集中力がなく,1コマの映像授業すら見終わる前にスマホを触ってしまう私にとって,国試対策でも映像授業を見られるのかという不安がありました.「どうすれば最も効率よく合格できるか?」を考え抜いた結果,たどり着いたのが「QBを解きまくり,知識をYNとQAプリントに集約していく」という勉強法だったのです.(私は5年生の9月頃からこの方法で勉強を始めました.)
この勉強法では「人は間違えたときにこそ記憶する」という考え方が大切です.そのため,知識があやふやでも,まずは問題を解くことから始めました.
【Rule 1】
まずはQBを解く! 知識が不十分でも,ためらわずに問題を解き始めます.大切なのは,なんとなく正解した問題を「△」マークに修正しておくこと.「わかったつもり」を防ぎ,2周目以降に効率よく問題演習をすることができます.
【Rule 2】
解説をVOICEまで熟読する! 国試は過去問と似た問題が出ることもあります.そのため,QBの解説を隅々まで読み込むことが合格への最短ルートだと考えていました.選択肢の吟味はもちろん,「VOICE」には,先輩たちの経験が詰め込まれています.
科目別の進め方
メジャー科では,上記に加えて”「イヤーノート」への参照”を行いました.
QBの解説欄にはYNの参照ページがリンクされています.解説を読んだら必ずそのページに飛び,QBには書かれていなかった周辺知識や図表を確認します.特に,「イヤーノート」の青字で書かれている部分は過去の国試で出題された箇所なので,最優先で覚えましょう.
また,自分が何度も間違える分野や,複雑な疾患概念については,Goodnotesなどを使って「まとめノート」を作成しました.YNの図版をコピーして貼り付け,自分なりの解説を書き加えることで,オリジナルの弱点ノートが完成します.このノートは国試直前期に大活躍し,実際に本番でも多くの問題で役立ちました.
マイナー科にはメジャー科のようなYNがありません.そこで活躍するのがQ-Assist(QA)の講義プリントです.
マイナー科は画像所見が特に重要になるため,QBの解説にある画像や,ネットで検索した典型的な画像をQAプリントにどんどん貼り付けていきます.さらに,疾患ごとの比較表などもコピペして,「自分だけの最強の参考書」に育て上げていくイメージです.
この方法は,YNを読むよりも少し手間がかかりますが,能動的な作業が多いため知識が定着しやすいです.メジャー科の中でも特に苦手意識のある科目については,この方法を試してみることをおすすめします.
・自分好みの教材で,見直しがしやすい
「イヤーノート」やQAプリントに情報をまとめ,自分だけの書き込みを加えていくため,復習の効率が格段に上がります.
・「イヤーノート」に慣れることができる
国試対策では,より専門的な「イヤーノート」を使いこなすことが鍵となります.この勉強法なら,QBを起点に自然と「イヤーノート」を読み込む習慣がつくため,苦手意識を持つことなく「イヤーノート」を使いこなすことができます.
・1周目に非常に時間がかかる
解説の熟読や情報集約に手間がかかるため,最初の1周を終えるまでにはかなりの時間と根気が必要です.
・周りの理解を得られにくい
仲間が映像授業どこまで見たんだと話している中で,この勉強法を続けるのは,時に不安になるかもしれません.
今回ご紹介したのは,あくまで「映像授業が苦手な一人の医学生」がたどり着いた,少し変わった勉強法です.みんなにおすすめできるものではないかもしれません.
しかし,私は,国試勉強で最も大切なのは,”自分に合った勉強スタイル見つける”ことだと思います.
映像授業が合わないかもと思っているあなたにこの記事がとどけばいいなと思っています.
この記事が,あなたの国試合格の一助となったら嬉しいです.
体験談執筆:119回国試合格(K大学Sさん)