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第114回 医師国家試験分析(中編)

 

前編に引き続き,今回も114回医師国家試験を分析していきます.

正答率などのデータは,メディックメディアで行った医師国試採点サービス「講師速報」で得られた情報を用いています.

 

 

■不合格者の内訳

 

今年は一般・臨床落ちが多かった?

 

114回「講師速報」に参加してくださった方のうち,全問解答入力した方(6,173名)の成績を用いて不合格のタイプを分析してみました.

まずはその6,173名の合格率をみてみましょう.

 

  

 

実際の合格率よりも高いですが,これは「絶対に落ちた!」と確信している場合は,「講師速報」に参加しない人が多いからと考えられます.

さて,「講師速報」上,不合格者は215人です.

その内訳は以下のとおりです.

 

 

上から3つは,複数タイプによる不合格者も含む人数および割合です.

「必修のみ落ち」以降の項目は,不合格のタイプをさらに細かく分類したものになります.

114回は不合格者のうち約8割が一般・臨床問題(般臨)のみ合格基準に届かなかったため,不合格となってしまったようです.

ではここで,般臨において合格者と不合格者の間でどれくらいの点差があったのかみてみましょう.

 

 

合格者は合格基準よりも10%以上の得点率で合格となっています.

対して不合格者は合格基準に5%程度達していませんでした.

なかにはギリギリのところで不合格だった方もいたと思います.

合格基準スレスレを攻めるのではなく,ある程度余裕を持って合格できるよう勉強していきたいものですね.

 

ちなみに113回では必修が合格基準に届かず落ちてしまった人が多かったため,その情報を受けてか114回の受験生は必修問題の対策をきちんと行ったようです.

 

■禁忌肢

 

禁忌落ちは本当にいるの?

 

一つ上の項目で,禁忌落ちの割合を提示しましたが,みなさん,「禁忌肢で不合格になるなんて…」と都市伝説のように思っていませんか.

確かに,113,114回国試ではほぼいないと思われた禁忌落ち….

しかし,112回国試では,厚労省から送られてきた成績表上,禁忌肢を踏んでいたという方の報告が多数ありました

114回講師速報のデータと全国の受験生の禁忌肢選択数を照らし合わせた結果,次のことがわかりました.

 

  • ●114回では,禁忌肢問題は国試の全400問中,約10問
  • ●禁忌肢問題は必修問題以外(総論や各論)からも出題されている
  • ●禁忌肢問題は正答率によって左右されない
  • ●禁忌肢問題は相対禁忌を含み,さらに禁忌の軽重によって左右されない
  • ●114回では,禁忌肢を1問でも踏んだ人は受験生全体の約16%

 

その禁忌肢とみなされた問題はどの問題だったか,こちらの記事に詳細があります.

 

114回国試【禁忌肢】採点問題,今年も判明・大公開!

 

直近国試だけを見ていると油断しそうになりますが,112回国試では約半数の受験生が少なくとも1問は禁忌肢を踏んでいましたし,今後も禁忌肢落ちを侮ることなく勉強すべきかもしれません.

 

 

■国試の難易度

 

難問と割り切っていいレベルの問題数は?

 

114回では,不合格者のうち,21.9%の人が必修問題の合格点に届きませんでした.

いくら必修といえども,問題は簡単なものだけではなく,受験生が頭を悩ませるものも出てきます

それでは必修問題では難問(平均正答率に対して著しく正答率の悪かった問題)はどれくらいあったのでしょうか.

 

 

必修の基準として,正答率90%以上は受験生なら誰でも反射的に答えられるレベル,70〜90%未満は受験生であればだいたいが知っているレベル,70%未満は「これ必修なの?」とざわつくレベルと言われています.

113回では正答率が低い問題が少し多く,必修落ちがとても多かったのですが,今年は例年通りの難易度か,少し易しめに落ち着きました.

必修問題は簡単だからとたかをくくっていると,113回のように必修落ちが大勢出ることになりますのでご注意ください

 

では次に,114回の不合格者最多原因となった一般・臨床問題の難易度です.

 

 

前編でお話したとおり,一般・臨床問題の合格基準は72.6%でした.

とすると,例年,75%前後を占める正答率70%以上の問題はできるだけ落としたくないということになります.

また,受験生の半分以上が間違える問題(正答率50%未満の問題)は1割程度です.

当日の受験生であれば,この約1割の問題が解けなかったとしても「難しい問題だったから仕方ない」と頭を切り替えて,次の問題に進むのがよさそうです.

 

■類似問題

 

正答率高めになるから落とせない!

 

類似問題はその名のとおり,過去の出題された問題とよく似た内容の問題です.

114回国試では類似問題が400問中74問,つまり,全体の約20%ありました.

おおよそ5問に1問は過去問とほぼ同じ問題ということになりますね.

では,この類似問題の正答率をみてみましょう.

 

 

114回全体(採点除外を除く398問)の平均正答率が約84%であるのに対し,直近3回(111~113回)の国試において類似問題があった19問は正答率が特に高く,93.3%となっていました.

少なくとも,過去3回分の国試には一とおり目を通しておきたいですね.

 

 

■割れ問

 

受験生の間で解答が分かれる

 

受験生の間で解答が分かれた問題を割れ問とよんでいます.

ただし,割れ問についての厳密な定義はありません.

今回は,最もたくさんの人に選ばれている解答の選択率が6割未満かつ,次に選ばれている解答の選択率が2割以上を割れ問と定義してみました.

114回では,採点除外となった問題を除く398問のうち,38問,つまり,約1割の問題が割れ問となりました

国試当日の会場では,この割れ問をめぐって色んな所で議論が起こり,「あの問題間違えたかも…」と不安にさせられることが多々あります.

試験当日はあまり気負いすぎることなく,「たくさんの人が迷っている問題だし,気にせず次にいこう」と前向きに対応できるといいですね

 

これからの受験生は?

 

難問も割れ問も受験当日であればそこまで気にすることはありません.

ただ,これから受験生となるみなさんが過去問を演習する際,「難問だし解けなくていいやー」「採点除外なら勉強しなくていいじゃん」と考えてよいのでしょうか.

ここでポイントとなるのがリベンジ問題です.

臨床的に重要だから出題された問題でも,国試で過去に未出のものであれば正答率は低くなる傾向にあります.

そういった問題を少し表現を変えたり,問うポイントをずらしたりして再出題されたものをリベンジ問題と呼んでいます.

過去問で正答率が低い問題だからといって,問題として不適切なわけではないですし,次年度以降の国試でこうして出題されることもあります.

リベンジ問題に備えてしっかり周辺知識まで対策するようにしましょう!

 

114回国試分析,中編はここで終わりです.

後編では分野別の出題傾向などを分析します.

 

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