国試

[4~6年生向け]国試体験記
イヤーノートは「膨大な情報の入口」~蛍光ペンの色で自分の学習状況も集約(T大学 M.Aさん)

私は5年生の春に『イヤーノート』(YN)を買いましたが,
5年生の前半は,こんな分厚い本を全部読めるのか,ここに書き込んで後で見直す余裕があるのか,
本当に自分のためになるのか,半信半疑でした.
でも最終的に,ここまで使い込むことになりました(笑)↓

(▼参考:左が通常のイヤーノート,右側がAさんのイヤーノート)

繰り返し使い,読み込むことで,6年生の頃には
YNのどこに何が書かれているか,そらで言えるようになりました.
その過程を,順にお話しします.

 

◆ベースは「予備校の講座より先に+講座と併用」

私の大学では,予備校のビデオ講座を受講できるのが5年の9月以降と,他大に比べて少し遅かったので,
私も周りも,5年生の5月に『クエスチョン・バンク』(QB)と『イヤーノート』(YN)を購入し,国家試験の勉強を開始しました.
基本的にはポリクリで回っている科や次に回る科のQBを解き,
それと並行してYNを読む,という方法をみんなで実践しました.

その際,QBには書かれているがYNには書かれていないポイント
(鑑別のポイントや,解説を執筆している先生のコメント,自分が間違えた部分の解説など)YNの余白に書き込むようにしました.
余白が足りないときは付箋を使い,ページに貼ったりはさんだりしていました.

ビデオ講座が始まってからは,QBとYNと併用することになりました.
ただ,ビデオ講座のテキストや学校の授業プリントは,知識がバラバラに記載されていて復習がしにくいような気がしたので,
これらもすべて,YNの該当箇所に内容を書き込んで,吸収させていきました.

 

◆こすると消える蛍光ペンで「色を変化させる」

YNを使う際は,こすると消える蛍光ペンを使いました.
自分の苦手なポイントは,勉強していく過程で変化していくものだと思ったので,
適宜消したり,色を変えたりできるようにしたかったからです.

蛍光ペンの色も使い分けてみました.
ピンク:QBで自分が間違えたポイント,ビデオ講座・学校の講義で先生方が強調したこと
黄色:ピンクの次に大事.復習は必ずしたいポイント
青:禁忌事項
緑:治療法や対処法

こうして色で分けたことで,治療法だけ確認したいとき禁忌だけ確認したいとき
視覚的にすぐに探せたので便利でした.

5年のとき(=QBの1周目をしていた頃)には,YNはピンク色ばかりでしたが,
勉強するに従って,頭に入った知識をピンクから黄色に格下げしたり,
色を消して無色にしたりして,
国試直前期に復習したい知識を絞っていきました

 

◆「病みえ」のイラストもYNに集約

YNはどうしても絵や図が少ないので,寂しい・物足りないと思う箇所もありました.
そこで,絵や図でビジュアル的に覚えたいところ,YNにはないけど国試で便利な鑑別の表などは,
「病気がみえる」やQBの解説部分(QBの中にも病みえの図表が引用されている部分がけっこうあります)を
1/4に縮小コピーして,該当箇所のYNに挟んでいきました.
これらもすべて,YNに集約するよう徹底しました.

 

 

◆イヤーノートは「膨大な情報の入口」

これは情報の集約とは少し違う話なのですが,
ポリクリ中は先生から課題を与えられることが多く,
最初の頃は図書館に通い,膨大な資料をあさり,大量にコピーして,
課題に必要な部分や,わかりやすい部分を探す…という日々を繰り返していました.

この作業は勉強になる一方で,とにかく時間がかかるし,煩雑なので
ポリクリと同時に進めていくのが本当に大変でした.
(年配の臨床の先生の中にはYNなどの国試対策本を嫌う人もいると聞いたので,
ポリクリの調べ物ではYNを読まないようにしていました.)

ところがある日,ふと手元のYNを見たところ,
私が必死にたくさんの参考書からかき集めた知識がすべて(しかも単純化されていてわかりやすい),
YNに書かれていることに気が付きました…
略語の正式名称や,難しい漢字のふりがなもふってあり,大変ありがたかったです.

そのとき私は気が付きました.
そもそもYNは,最新のトピック(ここも大切.絶えず更新される)を含め,
国試以上の知識や,解剖・臨床・診察・鑑別でのポイントなどを集めて編集された
最高のまとめ本(しかもポリクリ生にわかりやすい)であるということに…

これに気がついてからは,課題やレポート,さらにカルテの記載に取り組む際には
まずYNでポイントを確認し,
足りない場合(病態生理の理解,最新の治療法など)に,YNに書かれたキーワードを参考にして
図書館で論文検索したり,参考書を探したりするようになりました.

医学の知識は膨大で,不確かなものやまだ分かっていないことも多く,
ゼロから本で調べるのは大変なことです.
しかも図書館にある本は,出版年度が10年以上前のものも多く,
最新の情報かどうか,今もこれは正しい情報なのか,自分では判断できません.
インターネットではソースが不確かなものも多くあり,初学の医学生を惑わせるばかりです.

そんな中で,YNは,膨大な知識の入口に存在する羅針盤のような存在でした.
YNを入口にして調べ始めるのはとてもおすすめです.

 

◆最後に

こうして,5年生の前半に半信半疑で使い始めたYNでしたが,
結果的にこんなに使い込み,見た目も非常にパンパンに膨れ上がることになりました
(でもYNは頑丈で,崩壊はしませんでした.笑).


小児科,産婦人科,公衆衛生,マイナー科目はYNには載っていないので,
6年になってから,レビューブックシリーズ(RB)で同じようにやりました.

基本的に,YN以外の教材で学んだことはその都度YNに書き込んでいたので,
忙しくていろいろな教材を見直す時間がない時や,卒試前日,国試直前,模試直前などでも
YNだけを見るようにして,短時間で効率的に復習ができました.
そのため国試本番もYNとRBを持っていって,最後の最後まで活用しました.

卒業してからも,このYNとRBは捨てずに大切にするつもりです.

(T大学 M.A)

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