イヤーノート2025(電子版)
[5,6年生向け]マッチング体験記①:ゼロから始めるマッチング
みなさん,こんにちは.編集部Y.Kです.
6月に入り,むしむしと暑くなってきましたね.
国試受験生にとって,夏といえばマッチングの季節!
今回から3回に分けて,マッチングに関する体験記をお送りいたします.
2020年のマッチング参加登録期間は6月11日(木)〜8月6日(木)14時となっています.
今週から登録開始です!
締め切りを過ぎるとマッチングに参加することができなくなりますので,忘れないうちに登録を済ませておきましょう.
なお,新型コロナウイルスの影響が気になるところですが,
医師臨床研修マッチング協議会は,臨床研修病院に対し以下のように呼びかけています.
・今年度のマッチングスケジュールは変更なし. ・実地選考・説明会が難しい場合は,インターネットなどを活用して積極的に実施すること. ・やむを得ず病院見学等に参加できなかった場合であっても,研修希望者の不利益とならないよう,選考にあたり配慮を行うこと. |
詳しくは医師臨床研修マッチング協議会ホームページを確認,
あるいは志望する臨床研修病院に問い合わせをしましょう.
(参考:医師臨床研修マッチング協議会)
さて,今回ご紹介する体験記は,マッチング活動の流れについてです.
◆◆◆
ゼロから始めるマッチング
(東邦大学 S.A)
◆◆◆
■はじめに
私は,早い時期から対策を始めたわけでもなく,実習が忙しかったため病院見学も多くは行けなかったのですが,それでも第一志望の病院にマッチすることができました.
この体験記では,私のマッチング活動の流れと,初期研修病院選びについての考え方などをご紹介できればと思います.
以下,おおまかな活動内容です.
4年生3月
レジナビ参加
5年生5月
市中病院Aの外科を見学
5年生2月
市中病院B・市中病院Cの救命救急科を見学
6年生6月
市中病院C・大学病院Dの病理診断科,大学病院Eの総合診療科を見学
マッチング参加登録
6年生7月
市中病院Fの病理診断科を見学
市中病院C・大学病院D・市中病院F・大学病院G(出身大学)に申込書類提出
6年生8月
市中病院C・大学病院D・市中病院F・大学病院G,採用試験
6年生9月
マッチング希望順位登録
6年生10月
市中病院C初期研修プログラム(第一志望)マッチ
■とりあえず行ってみたレジナビ
私がマッチングに関して動き始めたのは4年生の終わりでした.
私の大学では,学年の国試対策委員がマッチングに関する取りまとめを行っており,
委員会を介してレジナビなどのリクルートサービスの情報を得ることができたので,友人と誘い合って春のレジナビに参加しました.
この時はまだ大学の臨床実習が始まったばかりで自分の将来についての展望などはなく,研修病院選びについての基準なども持ち合わせていなかったので,
特に考えもないまま,人気病院や地元の病院を中心に説明を聞きました.
■実習が忙しくて見学に行けず…
5年生のGWに市中病院Aに初めての病院見学に行きましたが,それ以降は実習が忙しく見学に行く時間がありませんでした.
せめて,と思い5年生の冬頃にマッチング対策本を購入し,病院見学における礼儀作法・マナーや,病院見学で確認するべきポイント(病院の設備や勤務体系など)を学びました.
2月に少し時間ができたので,市中病院Bと市中病院Cの救命救急科を見学に行きました.
救命救急科を選んだのは,医師としての土台を築くうえでは,研修医のうちに救急外来で初期対応を学ぶことが大切だ,と考えたからです.
この段階では志望科はまだ決定しておらず,ざっくりと総合診療科・病理診断科などの科横断的な診療科か,外科に進みたいと考えていました.
■志望診療科決定!焦点を絞った見学を
6年生の5月に,病理診断科で1ヵ月間の実習があり,
そこで病理診断科の影響力や臨床医との連携に興味を持ち,病理医を志望することに決めました.
6〜7月は市中病院C,大学病院D,市中病院Fの病理診断科に実習・見学に行きました.
見学に行く病院選びは,病理学の教授に相談に乗っていただいたりもしました.
市中病院Cは,市中病院ながらも先進的・アカデミックな診療を行なっていて,活気溢れる病院という印象.
大学病院Dは,大学病院らしく大規模で病理医の人数が多く,研究も盛んに行われていました.
市中病院Fは,地元の病院ですが病理解剖の件数が国内随一で,トレーニングの場として良い環境だと思いました.
■採用試験は準備から始まる
さらにこの時期は病院見学と並行して,採用試験の申込に必要な提出書類をまとめました.
証明写真の撮影や,履歴書の記入など,意外とやることが多いです.
市中病院C・Fは,提出書類の中に志望理由や自分の将来の展望を述べる小論文を要求されていて,それらをまとめていく段階は自分を見つめ直すいい機会になりました.
私は友人に何回か小論文を添削してもらい,問答を繰り返すことで自分の中に考えなどを固めていきました.
■ココに行きたい!志望順位も大切
実際にマッチングシステムに順位登録をするのは9月なのですが,
採用試験にメリハリをつけたいと思い,7月の時点で志望順位を決めました.
「臨床との連携を図れる病理医」になるために,初期研修は多少忙しくても臨床経験を幅広くたくさん積みたいと考え,
志望順位は市中病院C,市中病院F,大学病院D,大学病院G(出身大学)の順になりました.
■いざ採用試験本番へ
採用試験の日程は,志望順位の高い市中病院C・Fが後だったので,大学病院2つは本命への練習のつもりで臨みました.
それでも本番は緊張しましたが,本命での面接時の振る舞い方を洗練するのに役立ったように思います.
第一志望の市中病院Cは一次試験が筆記,二次試験が面接でした.
筆記の配点は15%程度と聞いていたので特に対策はしませんでした.
面接対策は,マイナビが開催した練習会に参加し,基本的な挨拶やマナーを覚えました.
本番では主に小論文などの提出書類の内容から質問されたので,大体答えられたように思います.
一部予想外の質問をされ若干しどろもどろになってしまったときもありましたが,概ね自信をもって答えられました.
■第一志望マッチ!自分と病院の適性を知ろう
6年生の10月,無事第一志望の市中病院Cにマッチすることができました.
私がマッチング活動を振り返って重要だと考えるのは,『自分と病院の適性を正しく評価する』ことです.
そのためには自分のことを正しく知らなければなりませんし,病院のこともよく知らなければなりません.
自分はどのくらい体力があって,病院はどのくらい忙しいのか,それらが釣り合っているのか,など
どのような観点,項目があるかについては,他の体験記やマッチング対策本などの書籍に譲りますが,
この病院は自分とこういう点で相性が良いのだ,というポイントを掴むことが出来れば,採用試験でどのように自己アピールをすれば良いかが分かると思います.
■さいごに
この体験記を読まれている医学生の皆さんが,自分にぴったりの研修病院を見つけられることを願っています.
いかがでしたでしょうか.
マッチングには,病院選び,病院見学,採用試験,と様々なステップがあるのですね.
その中で,自分と病院のそれぞれを深く知っていくことが必要なようです.
ぜひ参考にしてみてください!
次回のマッチング体験記第二弾は6月15日(月)にお届けします.
(編集部Y.K)