
第116回医師国家試験問題解説
6月に入り,だんだんと気温も上がってきましたね.
さて,そろそろ今年度のマッチングの参加登録が始まります.
マッチングの準備,みなさんはどれくらい進んでいますか?
新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着くことを願うばかりですが,
まだまだ油断できない状況が続いています.
そんな中でマッチングの対策を進めていくことに不安を感じている方も多いのではないでしょうか.
そこで,今回はコロナ禍におけるマッチング対策を経験した先輩の体験記をご紹介いたします.
マッチングに不安を抱えている4〜6年生が「なるほど,こんな視点で取り組めばいいのか!」
と参考になる内容となっております.
ぜひご覧ください!
コロナ禍と同時に病院実習と就職活動がスタートしてしまった通称「コロナ世代」.
コロナの流行によってマッチングにどのような影響があったのか,
また,その中でどのように病院を選び,対策していったのかを
私の経験を元にご紹介していきます.
4年生
7月 対面でのレジナビに参加
3月 初の病院見学を試みるもコロナにより全て中止
※コロナ禍到来※
5年生
4月〜7月 オンラインでの病院説明会,研修医相談会,カンファレンス等に軒並み参加
8月 再び病院見学を試みるも中止
1月 初の病院見学
3月 病院見学を本格的に行う
6年生
6月 履歴書作成
7月〜8月 最後の追い込み病院見学
7月〜9月 就職試験
コロナ禍でまず困ったのは,病院見学が一時全面的に中止されたことです.
見学が再開した後も,県を移動しての見学だと一定の自宅待期期間が発生し,
実習への参加に支障が出る場合があり,非常に苦労をしました.
それでも何とか行きたい病院を回るために,まとまった休暇の時期が分かったらすぐ見学の申し込みをするなど,限られた時間に計画を綿密に立てました.
どうしても見学に行けない期間はオンライン説明会にひたすら参加しました.
その中から見学に行きたい病院を厳選し,
次の病院見学のチャンスに活かしていました.
コロナ禍の病院見学でまず困ったことは,
それぞれの病院がいつから見学を受け入れてくれるのかを把握するのが非常に難しくなったことです.
各病院の見学再開のタイミングを常に待ち構えなくてはならず,
また,一度見学が再開すると見学希望者が殺到する病院もあるので,
自分が特に関心のある病院には常にアンテナを張り続ける日々でした.
ちなみに一度イベントに参加すると,
以降見学再開のお知らせをメールなどで配信してくれる病院もあるので,
ぜひ活用すると良いでしょう.
コロナ禍とはいいながら,実際の面接は対面で行われることが多かったです.
他県からの受験者を考慮し,オンラインと対面の両方で対応して下さる病院もありました.
その場合,対面の方が場の雰囲気を感じやすく,
また私自身の人となりも伝わりやすいと考えたため,対面を選ぶようにしていました.
オンラインの場合は部屋の照明調節やスピーカーの準備,前日の動作確認等もあり,事前の手間がそれなりにかかりましたが,
卒業試験の直前直後に移動せず受験できることは大きなメリットだと感じました.
いずれの面接方法でも,事前に提出した履歴書に即して質問されるため,
履歴書にどれだけ自分のアピールポイントや話のネタを散りばめるかが特に大切だったように思います.
面接においては,本番こそが一番の成長の機会です.
実体験として,早い段階から多くの病院の面接を受けて慣れておいたことで
回数を重ねるごとに徐々に上手く自分をプレゼンできるようになりました.
そのため,一発目に大本命を受験することのない様にスケジューリングすることをオススメします.
ネットなどでの情報収集が容易な時代となり,情報過多によって
どの病院が一番自分に合っているのかを見極めるのが難しくなっているように感じます.
ネットの情報収集もいいですが,やはり一番有益なのは実地での病院見学です.
実際に研修医の先生方の仕事ぶりや病院の雰囲気をみて,
1年後2年後の自分がそこにいることを想像できるかどうかが大切だと思います.
一重に人気病院にマッチするのが良い,という訳ではなく,
自分に合った病院をみつけることが最も幸せな医師生活に繋がると思います.
忙しい医学生生活の中で就職活動も並行して行うことはとても大変ですが,
就職活動で大切なことは以下の3つだと考えています.
1.自分の軸を知る
2.計画的に行動する(特にコロナ禍だからこそ!)
3.最低限の社会人マナーを嗜む
これらを踏まえたうえで就活に挑み,
その結果マッチした病院こそがご縁のある病院なのだと思います.
依然大変な社会環境下にはありますが,気に負いすぎることなく,
皆様が自分に相応しい病院と出会えることをお祈りしております.
いかがでしたか?
マッチングは国試勉強とはまた違った大変さがあると思いますが,
ぜひ,今回の記事を参考に対策を練ってみてください.
みなさんが自分に合った病院を見つけられることを祈っています.
体調に気をつけて頑張ってください!
応援しています.
(編集注:今年度のマッチングのスケジュールは以下の記事を確認してみてくださいね!)
(編集M.N)