イヤーノート2025(アプリ版)
[4,5年生向け]マッチング対策!病院見学のススメ①-見学先と日数の決め方
みなさん,授業や実習は順調ですか?
少しずつ授業や実習が進むにつれて,臨床医として働くイメージは湧いてきましたか?
6年の先輩は今まさに,マッチング登録を済ませ,研修病院の希望順位で悩む時期にいます….
4,5年生の皆さん!実はマッチングはもう気付けばもうすぐ…というところまできていますよ.
夏休みを控えた今のうちに,1度は病院見学にチャレンジしてみてはいかがでしょうか.
ということで!本日から1ヵ月かけて全6回の連載,「病院見学のススメ」をお届けします.
初期臨床研修を修了したメディックメディア社員が,病院見学のポイントを少しずつ解説していきます.
今回は1回目ということで,「病院見学の重要性」および「見学先と見学日数の決定」をテーマにお話していきます.
■ 4,5年生から病院見学に行く理由
5年生の方はもちろんのこと,実は4年生の方にも読んでいただきたいこのテーマ….
「4年から病院見学に行くのは早いのでは?」と思うかもしれませんが,そんなことは全くありません.
なぜそんな早くから病院見学に行くべきなのでしょうか.
それは,「マッチング」が医師になるための就職活動,つまり時間をかけるべきものであるにもかかわらず,病院見学に落ち着いて行くチャンスが実は限られているからです.
(マッチングについて詳しく知りたい方は医師臨床研修マッチング協議会のサイトをご覧ください.)
実際に5年生から病院見学を始めた場合,平日に病院見学に行くチャンスはどれくらいあるのでしょうか.
某大学医学部を例にすると,
・5年生の夏休み(1~2ヵ月)
・5年生の冬休み(2週間)
・5年生の春休み(3週間)
・6年生の夏休み(4週間.8月は各病院の試験がはじまる)
という具合です.
どうでしょうか?
皆さんの大学も,これと大きく違わないはずです.
また,長期休暇をまるっと病院見学に使えるとも限りません.
想定外にも追試で休みが短くなったり,なんてこともあるでしょう.
それに,病院の先生や事務職員の方のお休みを考えると,年末年始に見学というわけにもいきません.
ならば!ということで,ひと足早く4年生の夏から病院見学をはじめてみましょう.
大学の実習が始まっていない4年生の皆さんでも,これを読めば不安が解消し,やる気が出てくるはず!
もちろん「これから病院見学に行くぞ!」という5年生の方にも参考になる内容ですので,ぜひ読んでみてください!
■ 病院見学の重要性
―なぜ病院見学に行くのか?
その答えはズバリ,「自分に合った初期研修先を見極める必要があるから」です.
とはいえ,たまに「どこで研修しても同じだよ」なんていう人いますよね.
でも,その言葉,本当にそうでしょうか?
初期研修は医師としての土台が築かれる大事な時期であり,自分にあう病院を見つけることが重要です.実際に初期研修を始めてようやく「病院が自分にあっていない」と気づいても,それは時すでに遅し.
「2年間であまり伸びなかったなあ」と後悔した先輩は,皆さんが想像するよりもたくさんいます.
自分にあった研修先を見つけ,後悔しない就職をするためにも,この夏はぜひとも病院見学を始めてほしいと思います.
自分にあった研修先を見つけるには,まず自分にとっての優先順位を明確にすることです.
特に重要なのは次の3点.
1.大学病院か市中病院か,市中病院ならどこの大学の関連なのか
2.興味がある科を重点的に回るのか,初期研修のうちになるべく広く回るのか
3.就職する地域の制限や希望はあるのか
マッチング登録は複数できますが,上記の3点に関しての優先順位があやふやだと,就職先が結局あわなかった,なんてことになりかねません.
あとは,
4.病棟中心か,救急外来中心か
5.受け持ち患者数は多いか,少ないか
6.希望科の評判はどうか
7.(病床数ではなく実際の)入院患者数は多いか,少ないか
8.希望科の患者を当直で診る機会はどれくらいあるのか
(特に小児科や産婦人科希望の方はぜひ確認してみてください)
9.当直回数は多いか少ないか,1回あたりの当直は忙しいのか
10.指導体制や手技のチャンスは多いか,少ないか
11.給料の手取りは自分にとって十分か
12.居住地は病院の寮か,賃貸住宅か(+きれいか)
13.図書館や研修医室は充実しているか
14.休日や夜間も呼び出されることはどれくらいあるのか
15.結婚や育児をしている研修医にとってはどうなのか
などが,初期研修先を決めるにあたり確認したいことですね.
これらは,ホームページや合同病院説明会で分かる場合もありますが,多くは,実際に見学に行ってみないと分からなかったり,目の当たりにしてみると見学前に自分が思っていた様子と違ったりします.
見学を繰り返すことで,このような研修先の条件を吟味できるわけですね.
■ 見学先の決定
病院見学の重要性がわかったら,次は見学先を考えましょう.
そうはいっても,いきなり「自分にあいそうな病院」がどこかなんて,見当もつきませんよね.
ですから,とりあえず最初は,近くの病院や先輩がいる病院に見学に行くのがおすすめです.
見学の回数を重ね,研修医から話を聞くうちに,先ほど挙げた病院のチェックすべきポイントについて,
「自分は市中病院がいいかも…?」「寮が病院の敷地内にあるって,無駄がなくて好き!」
など,自分の中で何を求めているかがみえてきます.
そうすることで,より自分にあった病院を探し,見学に行くことができるようになるはずです.
■ 見学日数の決定
次は,見学期間は何日くらい希望すればよいのかについてです.
明確な正解はありませんが,意外と体力を要するので,まずは1日から始めてみてはどうでしょうか.
ただし,1日で得られる情報は限られるため,慣れてきたらもう少し長めに見学するのがよいでしょう.
数日~平日の5日間を使えば興味のある科を複数回ったり,じっくりお話を伺ったりすることができます.
また,夜間当直の様子を見たい場合には,金曜日から土曜日の朝にかけて泊まり込むのもおすすめですよ.
いかがでしたか?
連載「病院見学のススメ」第1回「見学先と見学日数の決定」はここまで!
病院見学は初期研修先を決めるにあたり非常に重要ですので,早め早めに取り組みましょう.
次回は,「見学の申し込みと準備」についてです.お楽しみに!
〈目次〉
第1回 「病院見学の重要性」および「見学先と見学日数の決定」
第2回 「見学申し込みと準備」
第3回 「見学中の学び方」
第4回 「見学中の情報集め」
第5回 「交流の場を大切に」
第6回 「見学後のお礼の伝え方」
(編集部M.T)