第117回医師国家試験問題解説
[6年生向け]【国試体験記】秋にメジャーが固まっていなかった私の超かけこみ型国試対策
こんにちは,編集部のK.Iです.
日ごとに秋の深まりを感じる今日この頃ですが,皆様いかがお過ごしでしょうか.
今回は,先輩の体験記をご紹介します.
「もしかして,やばい…!?」
夏の模試の結果で愕然としたところから始まった,怒涛の国試対策!
不安をきっかけに今まで以上に勉強に励み,見事国試に合格した先輩が秋からの勉強を振り返り,
・時期ごとに,どんな対策をしていたか?
・どんな勉強が有効だったと思うか?
を教えてくれました.
少しずつ国試の足音が近づいてくる今,
「まだまだ不安…どんな勉強をすればいいの?」「みんなより演習が進んでいないかも…」
という皆さんにとって,これからの国試対策のヒントになれば幸いです!
秋にメジャーが固まっていなかった私の超かけこみ型国試対策
(昭和大学,Y.A.さん)
私は,6年のスタートから周りに遅れをとっていました.
4月からダラダラとメジャーのQ-Assist動画の視聴(しかも問題演習はほぼなし…)を始め,6~8月はマッチング対策を理由に勉強から遠ざかり,みるみる周りと差が開いていきました.
心のどこかでは「結局冬までに帳尻合わせで追いつけるし,落ちても学年から1,2人だし」と,たかを括っていました.
しかし,夏の模試の結果が返ってきて愕然としました.なんと,学内順位下位5名に入っていたのです.やっと,自分は勉強がやばいと自覚しました.
●9月~11月前半(卒試前~卒試中)
やばいとはいえ,9月はマッチング終了の開放感で少し気が抜けており,遊びの予定を入れつつ,まだ見終わっていないメジャーと公衆衛生(マイナー,小児,産婦は見れず…)の動画と『クエスチョン・バンク』での1周目問題を進めていました.
昭和大学は国試形式(2日間)の卒業試験が10月半ばと11月半ばの2回にわたって行われます(合格基準を満たさなければ,難易度の高い再試を受けなければいけません).
出題範囲は全科目で,難易度は(科によって国試レベルを超えますが)国試ベースで対策していたら受かるものです.合格基準は,卒業試験1回目,2回目の合計で一般・臨床75%,必修80%以上でした.
私は,全く量をこなせないまま1回目の卒試を迎え,合格基準から5%ほど届かない結果に終わりました.
私の頭に不合格がよぎり,もうこんな思いはしたくないと,1ヶ月後にある卒試2回目に向けて本腰を入れて勉強を開始しました.遊ぶことなく,睡眠時間6時間で他は学校に行って勉強.頑張れば巻き返せるぞと自分に言い聞かせて毎日量をこなしていました.
具体的には
・毎日『クエスチョン・バンク vol.7 必修問題』を50問
・公衆衛生の問題集(国試過去問と模試過去問が記載された学校独自の冊子)を10ページ
・終わっていないメジャー(感染症と神経),マイナー,小児,産婦の動画
・メジャー,小児,産婦の1周目問題
を3週間ほどで終わらせ,残りの1週間で卒試の過去問と,国試直近3年分の過去問を詰め込みました.
勉強を避けて生きてきたツケが回ってきたのは分かっているのですが,この時期が本当に辛かったです.どれだけ量をこなしても,1回やっただけでは忘れてしまうことへの恐怖が襲いかかってきて,3週間目はスーっと静かに涙を流しながら勉強していました.
最後の1週間,問題演習の時に,当たり前ですが前回の卒試前よりできる感触に変わっており,少し安心しました.それでも国試の回数別演習で,1回やった分野なのに忘れていると気付く度に心が挫けそうになりましたが,やるしかないと自分を奮い立たせて復習していました.
●11月後半(卒試後)
卒試はギリギリでしたが,なんとか巻き返せました.しかし,卒試の合間に友人や同級生と会話して,みんなが解ける問題がどれなのか分かっていないことに気が付きました.
これはどういうことかというと,新問と過去問が混ざって出題される国試本番で,緩急を付けた時間配分ができないだけでなく,終始正解しているかドキドキしながら問題を解き進めることになるのです.
実際,私の卒試中のメンタルがそれで,吊り橋を渡る思いでした.時間もかかるし,緊張しっぱなしで,全てが負の方向に働くのです.
みんなが解ける問題が分かり,自分自身も解けるようになるためには,「1周目問題」演習が有効でした.
優先順位は,①メジャー→②産婦・小児→③マイナーです.ペースは,マイナー以外の科目は1日1科目,マイナーは1日2科目で,1周あたり2週間強で回していました.
この11月後半くらいから1月初めにかけて2週間に1回の頻度で模試がやってくるので,目安として2週間単位で計画を立てるのがオススメです.ちなみに,私はメジャーを12月までに固めたいと思い,メジャーと産婦の1周目問題を解き終わった状態で12月に突入しました.
●12〜1月(直前期)
12月は2週間補講に時間が取られ,隙間時間にマイナーの1周目問題と模試の間違えた箇所の復習を進めました.補講期間後は直前講座を進めつつ,2週間で1周目問題を回しました.
1月最後の模試を受けた後,ちょうど国試まで残り1ヶ月でした.
私は,一般・総論が苦手と分かったので,QBの絞り込み機能を活用して過去10年分の一般・総論(C,Fブロック)950問の問題セットを作り,1日100〜150問を進め一気に苦手を詰めました.総論は特に過去問の類似が出やすいので,過去問で対策して自信をつけました.
元々の問題演習が少ないために,周りと比べて不安になる瞬間が幾度もありました.だからこそ,苦手だなと思ったら,隙間時間に一気に問題演習を組み込み,「これだけやった」と自信を持てるようにしていました.
苦手意識がなくなるだけでもメンタルケアになります.直前期は気になることがあったら,惜しまず復習,時間がかかりそうな内容は友人に事前にアドバイスをもらったりとみんなで戦っていました!
1月最後の2週間は過去問5年分を演習しました.国試1年分を2日に分けて時間を測り,自分が復習したいことや悩んだ選択肢を問題用紙の余白にメモしながら進めて,まとめて総復習しました.
●2月(超直前期)
とうとう2月です.自分の詰めた知識を踏まえて,模試4回分を復習しました.時間がないので,間違えた問題と事前にマーカーで囲っていた解説で読んでおきたいところを一気に進めました.
「これだけ演習したんだから」という勢いと自信を持って本番に臨みました.
試験中,分からない問題はいくつかありましたが,1周目問題を回した甲斐があり,緩急つけて解き進められ,無事国試を終えることができました.
●最後に…
秋ごろに成績が出なくてやばいと焦ってる人は少数派ですが,絶対います.その時期からでも,優先順位を守ってひたすら演習して,諦めなければ,きっと最後には努力が実を結びます!
睡眠時間は守って,最後まで駆け抜けてください!!!
いかがでしたでしょうか.
今の時期,この先輩と同じような不安を抱えている方も少なくないのではないかと思います.
「勉強しなきゃ…」と不安を感じたあなた,今からでも間に合います!
もし勉強法に悩んだら,ぜひ先輩の体験を参考にしてみてくださいね.