病気がみえるシリーズ
医学部5,6年生の皆さん,実習お疲れ様です!
病院での実習が始まって数ヵ月,そろそろ現場の流れや各科の雰囲気が掴めてきた頃ではないでしょうか.
実習が忙しくなると,どうしても国試対策が後回しになりがちです.
しかし,この時期の過ごし方が,6年生の冬(国試直前)の自分を助けるか,あるいは追い詰めるかの境界線になります.
今回は,国試を終えたばかりの6年生に,実習中から始められる国試対策についてまとめてもらいました.
実習と国試勉強を無理なく両立させるための現実的な戦略について詳しく語っていただきましたので,特に実習中の方,これから実習を控えている方は必見です!
ぜひご自身の学習に役立ててみてください.
実習中から始められる国試対策
日本医科大学 T・Hさん
みなさんこんにちは!初期研修医1年目のT.Hです.
私は先日無事に医師国家試験を終えたのですが,自分の経験をもとに,実習中の国試勉強の進め方についてお話しさせていただきます!
まず,全体を通しての目標としては,5年生終了時点で,
①「Q-Assist」(以下Qアシ)を全科目視聴していること
②「クエスチョン・バンク」(以下QB)1周目問題を完了していること
を目指すと良いと思います.
そのためには,実習の忙しさに合わせた無理のない学習計画を立てる必要があります.
ご存知の通り,ポリクリの負担は科によって全く異なります.全てを完璧にこなそうとすると挫折しがちなため,実習の強度に合わせて目標を柔軟に変えるのがコツです.
比較的自由に時間を使えるため,学習を進めやすいと思います.
その科のQアシは全編視聴し,QBの1周目問題も解き切ってしまいましょう.
間違えた問題の解き直しまでできれば理想的です.
楽ポリに比べると,やや学習時間が限られます.
Qアシの視聴とQBの1周目問題を両方完璧に行うことは難しい場合が多いため,
「どちらか一方だけ」を終わらせることに注力しましょう.
無理をして両方やろうとすると挫折しがちなので,
「余裕があればもう片方も手をつける」というスタンスで十分です.
学習時間の確保がかなり難しいため,受け持ち患者さんの疾患に集中して対策するのがコツです.
Qアシだったら,その科目の全編視聴はいったん諦め,受け持ち患者さんの疾患に関連する動画だけをピンポイントで視聴する.
その後,QBの疾患検索を使って,関連問題を数問解く.
これだけでも立派な対策になります.
特に自分が担当した患者さんの疾患は,患者さんのイメージとともに強烈に印象に残ることが多いですよね.
実習を活用して,ぜひその疾患の周辺知識だけでも埋めてしまいましょう.
①理解度に合わせて視聴速度を調節
CBT対策時に深く学んだ科については,動画は1.5〜2倍速で回して問題ありません.ダラダラ見るのではなく,限られた時間を使って集中して視聴するように心がけて下さい.
一方で,CBT時に勉強が手薄だった科や,完全に忘れてしまった科,もう一度学び直したい科は,焦って倍速視聴するより,初心に帰って1倍速で見ることをおすすめします.
②レジュメやまとめノートで知識の整理を
動画はただ視聴して終わらせるのではなく,実習で先生が解説していたポイントや,自分で調べた内容をレジュメに直接書き込んでおきましょう.
後で見返したときに,現場の記憶と知識がリンクして定着率が格段に上がります.
自分で新たにノートを作ってもOKです.
私は以下のようにレジュメに書き込んだり,理解が難しい箇所については新しくノートを作成して自分の言葉でまとめたりして,
実習中から知識を整理するように心がけていました.

↑Qアシのレジュメに書き込んでいる様子

↑新たに作ったノート
③中途半端に終わらせないことがポイント
先ほど,楽ポリやキツポリなど忙しさに応じた学習の違いについて説明しましたが,
その科での学習をどの程度まで進めるかは,実習の最初の数日で決めてしまいましょう.
一度手を出した科は,その実習期間内に決めた目標まで終わらせることが大切です.
国試直前期に,「あの科はQアシの動画は見終えているから,QBを解くだけでいい」と思える貯金を作っておくことは,国試直前に振り返った時かなり楽になりますし,
「自分で決めたことを一つ終わらせた」という達成感を得ることは,勉強を継続する上でとても重要です.
知識が抜けている状態で問題を解くのは効率が悪いので,まずはQアシでインプットしてから1周目問題に取りかかるのがいいと思います.
①スキマ時間を有効活用して学習を進めよう
実習中は忙しく,まとまった時間を取ることが難しいことも多いため,
スキマ時間を見つけてQBの演習を進めましょう.
私は,ポリクリ中の回診の待ち時間や移動などの細切れ時間に,スマホ版アプリで数問ずつでも解くように心がけていました.
②スマホ1つで手軽にできるインプット
立ち止まって問題を解く余裕がない時や,インプットをしたいが電車内などで動画を進められない時は,QBの解説を開いて,解説についている『イヤーノート』シリーズなどのリンクから,該当範囲を読み進めるだけでも効果があります.
さて,今までQアシやQBの効果的な使い方についてご紹介してきましたが,
机に向かって動画を見たり問題を解いたりするだけが勉強ではありません.
ぜひ,「実習中だからこそ得られる生きた情報」を大切にしてください.
同じ疾患や器具,手術であっても,画面や書籍で見るのと,
現場で患者さんに接し,実際の様子を目の当たりにするのとでは,記憶の定着度が全く違います.
五感をフルに使って学べるこの貴重な機会を,最大限に活用してください.
自分の経験でいうと,実習でニューモシスチス肺炎の患者さんを受け持ったことがあり,その方の胸部CT像で肺は真っ白なのに胸膜直下は正常だったことが強い印象として残っていました.
その知識から,ニューモシスチス肺炎に関する過去問演習では,ほぼ画像だけで診断できることが多かったです.
外科のポリクリでは,長時間の手術を見学する機会があると思います.
そのようなとき,手術中に何をしたら良いのか分からず,時間を持て余してしまうという方もいるのではないでしょうか.
手術中は,様子をただ眺めるのではなく,解剖学的構造や器具の名称・使い方を意識して観察してみましょう.
おそらく最初は何が何だか分からないと思いますが,一度,目の前の解剖構造を理解しようと努めると,オペ見学も面白くなってきますし,国試対策にもつながると思います.
実習中はカンファレンスに参加することも多いですよね.
先生方の議論についていくためには,実習の序盤にQアシの基礎講義だけでも見ておくのがおすすめです.
内容が理解できると実習自体の興味が湧き,学習の質も向上します.
5年生の今,各診療科を深く学ぶ機会はこれが最後かもしれません.
「国試までこの期間に得た知識で戦う」という意識を持てるかどうかが勝負です.
今のうちに,国試前に大きく勉強し直さずに済む科を一つずつ増やしていくゲームだと思って取り組んでみてください.
今作った貯金は,1年後の自分への大きなプレゼントになります.
今回っている実習先はどうですか?
もし具体的な学習プランの立て方に迷っている方がいたら,ぜひこの体験記を参考にして,状況に合った計画を立ててみてくださいね.
皆さんの実習,そして国試対策がうまくいくよう応援しています!