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第113回 医師国家試験分析(後編)

 

前編,中編に引き続き,今回も113回医師国家試験を分析していきます.

正答率などのデータは,メディックメディアで行った医師国試採点サービス「講師速報」で得られた情報を用いています.

 

 

■分野別出題数・正答率

 

分野別出題数ダントツ1位は?

まずは分野別の傾向を捉えましょう.

出題数の多い分野とはすなわち「配点の高い分野」ですから,

その分しっかりと勉強時間を割かなければいけません.

  

出題数の1位はダントツで公衆衛生です.例年この傾向は変わりません.

また,以前は一般問題での出題が多かった公衆衛生ですが,最近では臨床問題でも問われるようになりました.

勉強が先延ばしにされがちな公衆衛生ですが,秋ごろには(遅くとも11月くらいまでには)手をつけ始めることをオススメします.

 

さて,次に多いのが呼吸器,循環器,産科,

この他,例年,消化器(消化管,肝胆膵)や神経,感染症,小児科あたりも出題数が多く,勉強に重きをおくべき科目となっています.

 

そして,マイナー科目(眼科~放射線科)は全体の約17%を占めています(例年15%前後の出題です).

その中でも例年精神科が多く出題されています.

マイナーの中でも精神科は国家試験対策として特に重要な科目かもしれません.

 

また,近年は救急(研修医に必要な知識を主に)の問題も多く出題されるようになってきているため,対策を怠らないようにしましょう.

 

今年難しかった分野は?

分野別出題数と同じ表で,科目ごとの平均正答率もみてみましょう.

113回全問(採点除外を除く396問)の平均正答率が約82%でした.

今回平均正答率が80%未満となった科目は消化管,肝胆膵,中毒,産科,眼科,耳鼻咽喉科,整形外科,皮膚科,泌尿器科でした.

また,113回は比較的高かったものの,例年正答率が低くなりがちな分野としては,

代謝・内分泌,呼吸器,婦人科などが挙げられます.

そして,113回で39.0%と最も平均正答率が低かった科目は中毒でした.

【113D66】シンナー中毒の症状が正答率39.0%と,

出題数が極端に少なく,唯一の1問がX2形式と丁寧な暗記が求められるものだったことが原因として挙げられます.

 

正答率が下がる問題には「細かすぎるマニアック問題」もありますが,ほとんどが「臨床的に重要な内容だけど,初出・あるいは近年問われていなかった内容のため正答率が低くなった問題」です.

こういった問題は翌年以降,中編にてお話した類題として問われる可能性が高くなるので注意が必要です.

 

 

■画像問題

 

全体の4分の1以上は画像問題

113回国試でも,例年通り多くの画像問題が出題され,

全400問のうち,101問(25.3%)が画像問題でした.

ちなみに画像を1枚ずつカウントしたところ,総数は156枚でした.

特に臨床問題では,画像問題の出題率が高く(250問のうち91問),合否を分ける大きな要素となっています.

 

画像の理解が解答に直結する

画像問題で提示する画像は,単純X線写真やCT,MRI,超音波検査,内視鏡検査,病理像,病変の肉眼像,また,医療器具や診察の様子など多岐にわたります.

画像問題の中には症例文の情報のみでは解答できず,画像が何を示しているのかがわからないと解けない問題も多いため,学生さんの中には苦手意識をもつ人も少なくないようです.

そんな画像問題,どのように対策したら良いのでしょうか.

国試における画像問題を攻略するためには,できるだけ早いうちから勉強をするときに画像も見る習慣をつけ,画像慣れをしておくことが重要です.

まず,過去問で出てきた画像については必ず勉強しましょう.

問題集やネット講座を用いるのも良いですが,一歩進んで大学の先生に読影のポイントなども聞いてみるとなお良いです.

そしてなにより大事なのが,実習中に受け持ち患者さんの検査や治療を積極的にみせてもらい,単純X 線やCT などでは読影にチャレンジしてみることです.

特にCT,MRIなどで胸部・腹部の血管を追いかけ重要臓器を確認すると,解剖の復習にもなります(結構いいトレーニングになりますよ!).

ただし,見ることができる症例が限られているのが実習の弱点でもあります.

国試で出題される可能性がある画像を全てカバーすることはできません.

そこで,実習や国試勉強に合わせて,『year note ATLAS』や『病気がみえる』シリーズを活用してください.

また,インターネットで調べることも非常に有効な学習法になると思います.

 

 

■臨床問題の出題傾向

 

検査・治療を問う問題が最多

国試では,「症例文から診断名がわかるか(=診断型)」だけではなく,「個々の症例の全体像を理解できるか(=病態型)」,「個々の症例に対して適切な対応を選択できるか(=対応型)」ということも問われています.

その中でも対応型は最も出題数が多く,医師として患者さんを受け持ち,主体的に検査や治療を計画・実行していくための臨床的な思考力・判断力が求められていると言えるでしょう.

 

特に近年は,臨床実習に重きをおくながれがあり,実習での経験の有無によって解答可能か否かがわかれる問題に加えて,「研修医レベルの知識を問う問題」も年々増加しています.

他にも,患者によって対応が変わりうる問題も出題されます.

ぼーっと実習を受けるのではなく,意味をもって挑むようにしましょう.

 

 

■総評

 

以上,データをもとに113 回国試を分析してきましたが,お役に立てたでしょうか.

前編の最初にお話したとおり,国試合格に必要なことは「他の受験生が解ける問題が確実に解ける」ことです.

今まで合格してきた先輩や,周りの受験生の勉強法を意識し,同じような知識レベルと思考回路をもって本番に臨むようにしましょう.

114回国試に向けて,みなさん頑張ってくださいね!