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第113回 医師国家試験分析(中編)

 

前編に引き続き,今回も113回医師国家試験を分析していきます.

正答率などのデータは,メディックメディアで行った医師国試採点サービス「講師速報」で得られた情報を用いています.

 

 

■不合格者の内訳

 

今年は必修落ち,一般・臨床落ちが多かった?

113回「講師速報」に参加してくださった方のうち,全問解答入力した方(5,186名)の成績を用いて不合格のタイプを分析してみました.

まずはその5,186名の合格率をみてみましょう.

実際の合格率よりも高い数字が出ていますが,これは「絶対に落ちた!」と確信している場合は,「講師速報」に参加しない人が多いからと考えられます.

 

さて,「講師速報」上,不合格者は283人です.

その内訳は以下のとおりです.

上から3つは,複数タイプによる不合格者も含む人数および割合です.

 

「必修のみ落ち」以降の項目は,不合格のタイプをさらに細かく分類したものになります.

113回は禁忌肢を選びすぎて不合格となった人は少なく,全体的に問題が解けず不合格と なってしまった人が多かったようです.

 

ではここで,般臨において合格者と不合格者の間でどれくらいの点差があったのかみてみましょう.

合格者は合格基準よりも10%以上の余裕をもった得点率で合格となっています.

対して不合格者の得点率は合格基準にほんの1%達していないのみでした.

このことから113回国試ではギリギリのところで不合格だった方も多くいたと思われます.

合格基準スレスレを攻めるのではなく,ある程度余裕をもって合格できるよう勉強していきたいものですね.

 

 

■禁忌肢

 

禁忌落ちは本当にいるの?

一つ上の項目で,禁忌落ちの割合を提示しましたが,みなさん,禁忌肢落ちは都市伝説だと思っていませんか.

113回では不合格に結びつくことが少なかった禁忌肢…しかし前回の112回国試では,厚労省から送られてきた成績表上,禁忌肢を踏んでいたという方の報告が多数ありました.

そこで講師速報のデータと照らし合わせた結果,次のことがわかりました.

  • 113回では,禁忌肢問題は国試の全400問中,約10問
  • 禁忌肢問題は必修問題以外(総論や各論)からも出題されている
  • 禁忌肢問題は正答率によって左右されない
  • 禁忌肢問題は相対禁忌を含み,かつ禁忌の軽重によって左右されない
  • 113回では,禁忌肢を1問でも踏んだ人は受験生全体の約30%

その禁忌肢とみなされた問題はどの問題だったか,まとめた記事がありますので,

みなさんしっかり確認して114回の国試に備えていきましょう.

 

 

■国試の難易度

 

難問と割り切っていいレベルの問題数は?

113回では,不合格者のうち,61.8%の人が必修問題の合格点に届きませんでした.

いくら必修といえども,問題は簡単なものだけではなく,受験生が頭を悩ませるものも出てきます.

それでは必修問題では難問(平均正答率に対して著しく正答率の悪かった問題)はどれくらいあったのでしょうか.

必修の基準として,正答率90%以上は受験生なら誰でも反射的に答えられるレベル,70〜90%未満は受験生であればだいたいが知っているレベル,70%未満は「これ必修なの?」とざわつくレベルと言われています

必修問題は簡単だからとたかをくくっていると,今回のように必修落ちが大量に出ることになりますのでご注意ください.

 

では次に,113回の不合格者の最多原因となった一般・臨床問題の難易度です.

前編でお話したとおり,一般・臨床問題の合格基準は70.6%でした.

とすると,例年70〜75%を占める正答率70%以上の問題はできるだけ落としたくない問題ということになります.また,受験生の半分以上が間違える問題(正答率50%未満の問題)は1割程度です.当日の受験生であれば,この約1割の問題が解けなかったとしても「難しい問題だったから仕方ない」と頭を切り替えて,次の問題に進むのがよさそうです.

 

 

■類似問題

 

正答率が高めになるから落とせない!

類似問題はその名のとおり,過去の出題された問題とよく似た内容の問題です.

113回国試では類似問題が400問中80問,つまり,全体の20%を占めていました.

5問に1問は過去問とほぼ同じ問題ということになりますね.

では,この類似問題の正答率をみてみましょう.

113回全問(採点除外を除く396問)の平均正答率が約82%であるに対し,

直近3回(110~112回)の類似問題であった19問は正答率が特に高く,88.2%となっていました.

少なくとも,過去3回分の国試には一通り目を通しておきたいですね.

 

 

■割れ問

 

受験生の間で解答が分かれる

受験生の間で解答が分かれた問題を割れ問とよんでいます.

ただし,割れ問についての厳密な定義はありません.

今回は,最もたくさんの人に選ばれている解答の選択率が6割未満かつ,次に選ばれている解答の選択率が2割以上を割れ問と定義してみました.

113回では,採点除外となった問題を除く396問のうち,37問,つまり,約1割の問題が割れ問となりました.

国試当日の会場では,この割れ問をめぐって色んな所で議論が起こり,「あの問題間違えたかも…」と不安にさせられることが多々あります.

試験当日はあまり気負いすぎることなく,「たくさんの人が迷っている問題だし,気にせず次にいこう」と前向きに対応できるといいですね.

 

113回国試分析,中編はここで終わりです.

 

後編では分野別の出題傾向などを分析します.