イヤーノート2025 内科・外科編
【国試体験記】イヤーノートはやっぱり必要!国試で9割得点した勉強法
みなさんこんにちは.編集部N.Aです.
5月も後半に差し掛かり,実習が再開された方,そうでない方,大学によっては様々な状況かと思います.
例年の先輩方とは違うスケジュールとなってしまい,不安な方も多いでしょう.
今日は,『イヤーノート』(以下,『YN』)での
①実習,②試験対策,③マッチング対策,④卒試対策勉強法
を114回国試を無事合格した先輩に伺いましたのでご紹介しますね.
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第114 医師国家試験【体験記】
合格への近道!『イヤーノート』で国試9割得点!
N大学・K.Sさん
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≪はじめに≫国試対策前,それまでは『レビューブック内科外科』で知識の整理を
はじめに,わたしの国試対策のご紹介をする前に,
数ある国試対策方法の中から,『YN』を主軸に使うようになったのか,そのきっかけ・経緯をご説明したいと思います.
わたしは4年生のCBT受験まで,主に『レビューブック内科外科』(以下,『RB内外』)を使っていました.
『RB内外』は,国試の知識で大事なところを抽出して書いてあり,赤シートを使った穴埋めで,基礎知識の定着ができました.
また,余白には大学の定期試験に出た内容を書いて勉強していました.
(編集注:『RB内外』を用いたCBT対策詳細についてはコチラ)
CBT後の4年生の秋から,クリニカルクラークシップが始まり,本をポケットに入れて持ち歩くようになりました.ですが,実習ではより臨床的なことを指導いただくので,先生から言われたことを書き足していくと,ますますスペースがなくなってしまいました…
(最初の方に,字を大きく書きすぎてしまったことがミスでした).
そんなこともあり,『RB内外』を網羅しており,より臨床的な情報のある書籍はないかと考え始めたのです.
『イヤーノート』には何でも載っている?!
そこで先輩からおすすめされた,『YN』を参照してみました.
すると,先生が言っていたことが全部書いてあり,「イヤーノートには何でも載っているのか?!」と感動してしまいました.
それもそのはずで,『YN』は国家試験で出た知識のほとんどが書いてあり,毎年新しい問題が出る国家試験も,『YN』は約94%もカバーしているそうです.
(編集注:内科・外科に分類される問題に対しての数値となります)
国家試験に出た内容だけではなく,内科専門医試験や外科専門医予備試験の内容も載っていて,
各科の専門医の先生が臨床で大事ポイントを記載してくれているようです.
実際,『YN』を使って勉強し始めたところ,先生から言われた知識箇所に,マーカーなどでチェックを入れれば,書き込むことも少ないので,効率よく勉強できるようになりました.
大学の進級・卒業試験対策でも活用
大学の試験では,「この消化器内科の先生は,『潰瘍性大腸炎』」とか「この呼吸器内科の先生は,『間質性肺炎』」といった,専門的な問題を多く出してきたりしますよね.
『YN』の該当疾患のページを過不足なくそのまま勉強すれば,十分な対策ができました.
逆に,『YN』に載ってない知識は覚えなくてもいいと割り切ることができました.
マッチング対策にも活用 第一志望にマッチング!
6年生になり,マッチング対策をしなければいけない時期がきました.
都内の倍率が高い病院を目指していたので,筆記試験の対策も必要でした.
マッチングの試験は,大学の試験よりも出題傾向が偏っていて,かなり深い知識も聞かれることがありました.
「この科目は専門医試験から出るみたいだけど,今からそんな勉強する時間なさそうだし,落ちたら時間もったいないし…」, そんな時私は『YN』を信じることにしました.
「イヤーノートに載ってないことはいらない!」,マッチング対策でも,過去問に出てきたことと『YN』の知識で十分な対策ができました.
(編集注:マッチング対策の詳細については後日ご紹介します.)
『YN』を使って,どうやって勉強すればいいの?
実習,試験対策,マッチング対策含め,様々なシーンで活躍した『YN』ですが,
『YN』を1ページ目から全部覚えるということは無謀です.
そこで利用したのが,①概念,②青字,③黒い太字,④網掛け部分です.
①概念
〔概念〕にはその疾患で最も大事なところが載っていたので,
音読して暗記しました.実習でも「この疾患ってどんな疾患?」と聞かれた時も,〔概念〕部分を答えるだけでとても褒められました.
例:食道裂孔ヘルニアの〔概念〕
②青字
青字は,今までの国家試験で出たところなので,
ここは最低限押さえなければと思い覚えました.
(編集注:青字は国試で正解選択肢として出題された情報です.最新版YN2021では,111~113回国試で出題された情報には「青下線」を追加し,より重要なポイントがわかるようになりました)
③黒い太字
私が特に使えるなと思ったのが黒い太字です.
国試にはまだ出ていないけど,臨床医の先生が大事だと思ったところを太字にしてくれているようです.
この部分は模試でも良く出ていましたし,実際の国試でも的中していました.
④網掛け部分
網掛け部分も臨床医の先生が大事だと思ったところがまとまっていました.
少し覚えるのは厳しいな…というところは目を何回か通すだけにしました.
マーク試験なのでそれでどうにかなりました.
例:②青文字,③黒い太文字,④網掛け部分の例「腹膜刺激症状」
わたしは,上記4点を中心に勉強しました.
「国試出題委員も臨床医なので臨床的に大事だと思うことは同じ!」だと考え,この4つを集中的に学習するだけでかなり点数が伸びました.
その他に,『補足事項』や『日常診療memo』 も軽い気持ちで目を通しておくだけで,模試に出題されて正答率が低い問題でも正解できたこともありました.
上記のポイントに絞って国試に挑んだ結果としていくつか例をご紹介します.
TTPの概念に記載があるADAMT13という言葉も114回で初出題でしたが,答える事ができました.
(問題番号:114A35 リンクはコチラ)
必修臨床の3点問題で出題された,インスリンの具体的な使用法も黒文字で強調されていました.
Don’tマークもあったので禁忌を踏まないよう気をつけることができました.
(問題番号:114E47 リンクはコチラ)
網掛け部分にあるMTX関連リンパ腫は114回の臨床問題に出題されました.
対処法まで目を通していたので迷わずに答えることができました.
(問題番号:114D51 リンクはコチラ)
麻酔科や老年医学はこの本以外ない
麻酔科や中毒,老年医学は,まとまった国家試験レベルの教科書がなく困っていましたが,
『YN』ちょうどいい分量が載っていたので,勉強しやすかったです.
国家試験直前期では
いざ,国家試験.
直前期になると,各種模試も増え,知らない知識もどんどん出てきました.
各予備校で出された予想問題などもあり,知識の波に溺れていきました.
そんな時に信じた言葉は「イヤーノートで国試の約94%が解ける!」です.
極論ですが,『YN』をすべて覚えておけば,
国家試験で約94%とることができます(実際わたしがそうでした).
模試で出た新しい知識なども,大事そうなところは書き込んだりしましたが,「これはイヤーノートに載ってないから覚えなくていいやー」と思いながら勉強していきました.
直前期,いろんなテキストに手を出す人がいましたが,
『YN』だけを信じることが,遠いように見えて一番の近道なのではないかと思います.
結局,模試や本番の合間時間も,『YN』の電子版で知識の確認をしている人ばかりでした(笑).
直前期は,大事なのに覚えていなかったことや,鑑別で大事なところにピンクマーカーを引き,重点的に覚えました.
◆Mallory-Weiss症候群と特発性食道破裂では,
胸痛の有無や吐血量が,鑑別ポイントになってくるので,ピンクマーカーで強調しました.
◆喘息の治療薬は大学の試験で詳しく問われていたので,
過去問で出たところを水色ペンで書き込みました.
近年のトピックである抗IgE抗体や抗IL-5抗体も『YN』に載っていたので,マーカーを引いておさえておきました.
◆直前の授業で先生が強調していたところをオレンジペンで書き込みました.
113回の原発性骨髄線維症の臨床問題の主訴が,「腹部膨満感」だったのでチェックして一般問題にも備えました.
実際に国家試験を受けてみて
114回国家試験を受けて感じたことは,過去問に出た90%の受験生が解ける問題を落とさないことが大事だということです.
また,合否を分けると言われる正答率60〜80%の問題は,臨床的に大事だと言われる問題も多く,全て『YN』(特に黒い太文字や網掛け箇所)に載っていました.
実際,この勉強法で,国家試験の一般臨床も9割を取ることができました.
『YN』で勉強していたので,間違い選択肢の知識もあり,自信を持って答えることができた問題も多かったです.
おかげで本番も,そこまでメンタルが追い込まれず,余裕を持って国家試験を終えることができました.
2,3月のQOLは大事です(笑).
この勉強法の注意点
前述でお伝えした①~④の勉強法を用いれば,誰でも国家試験9割とれると思います.ですが,ふたつほど注意点があります.
【1】CBTレベルの基本知識は最低限おさえていることが条件
Q-Assistのサブプリントやレビューブックの穴埋めが全然わからないレベルの人では,
知らない知識が多すぎて迷子になってしまうため推奨しません.
【2】「国家試験に向けて最低限の勉強でいいや」というモチベーションの人にはオススメしません.
わたしの勉強法は,結果的に,国家試験の合格や臨床医として働く上で一番の近道ではないかと思っていますが,
一見遠回りな勉強にみえるので心が折れてしまうかもしれません.
実際,『クエスチョン・バンク』の内科・外科範囲の演習で国家試験の7割は解けるので,コスパを求める人には推奨しません.
しかし,わたしたちの本当のゴールは「国試に合格」する先にある「臨床医として活躍できる人間になる」だと思います.
目先のことにとらわれず,先々のことも考えた勉強をし,未来の自分の糧にするのが良いのではないでしょうか.
ぜひ皆さんも『YN』を聖書にして,優秀な臨床医を目指しませんか?
(日本医大 K.S)
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新型コロナウィルスの影響は,当面の間,続くかもしれません.
しかし,国家試験は待ってはくれません.
手持ち無沙汰な今だからこそ,K.Sさんの勉強法をはやめにやってみるチャンスです.せっかくの時間を無駄にせず,早速国試対策を始めましょう.
皆さんも健康に気をつけてくださいね.
(編集部N.A)
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