国試

【全学年向け】デジタルノートを活用した勉強法

本日は,mediLinkGoodnotes5Ankiの3つのアプリを活用し,オリジナルのデジタルノートを作成することで見事116回国試合格を勝ち取った先輩の体験記をお届けします!

メディックメディア編集部に来てくださる医学生アルバイトさんの多くがデジタルノートを使っているようです.これからいよいよ国試勉強を本格化させようと考えている6年生の方も,どのように国試・CBTの勉強を始めようか迷っている5年生以下の方にも参考になるお話だと思います.ぜひ参考にしてみてください!


mediLink,Goodnotes5,Anki
既存のアプリのみでOK!デジタルノート
(S大学・Yさん)


デジタルノート作りに特別なスキルは要らない!

まずは私のデジタルスペックを紹介したいと思います.

・プログラミングは? → できません!
・PCは得意? → いいえ!なので,私はiPadとスマホで作成しました!

いかがでしょうか?思ったより普通じゃないでしょうか.今回の記事で一番伝えたいことは,「特殊な技能や機材が無くても使いやすいデジタルノートは作れる」ということです.そのコツは,「既存のアプリの機能を使う」ことです.今回はmediLinkGoodnotes5Ankiについて,私が実際に使った順に紹介していきます.

mediLinkのノート機能で、苦手問題暗記表をつくる(4年CBT)

私が初めてデジタルノートを作ったのは,4年生の時です.きっかけは,USMLE用の教科書内で,各種検査所見から想起すべき病名をまとめた表が記載されたページと出会ったことです.疾患の特徴と疾患名がまとめられているだけではなく,参照ページまでついていることで,時間がない時の復習にも使えますし,より詳しく調べたかったら参照ページに飛べばよいので非常に効率よく勉強が進められる資料でした.

私はこれを日本語版で,さらにはCBT用に作成したいと考えました.しかしながら,手書きは労力がかかりすぎるし,再現するためのデジタルスキルもない...そんな中で思いついたのがmediLinkアプリのノート機能を用いる方法でした.ノート機能を用いると,QBオンライン」の問題1問ごとにちょっとしたメモを残すことができます.そして作成したメモは,一覧にしてダウンロードすることも可能です.

QBオンライン ノート機能
mediLinkアプリでノートを一括ダウンロードしたときの画面
(編集部注:「QBオンライン(医学CBT)」アカウントはすでに失効しているため「QBオンライン(医師国試)」のノートをご提供いただきました)

疾患の特徴と疾患名,そして参照すべき問題番号がまとめられます.私の作ったノートはほとんど「QBオンライン」の問題文と解説文からコピぺしただけで,問題番号は自動でつくため,作る手間がほとんどかかっていません.問題演習にほんの少しの手間を加えるだけでこれだけのものが作れるのは,自分的にかなり嬉しかったです.CBT直前はこのノートを繰り返し復習していました.また,CBT本番はデバイスを持ち込めないため,印刷したものを持ち込んでいました.

mediLinkのノート機能
 メリット

  ・「QB」の演習と並行して作れる
  ・参照問題に飛びやすい

Goodnotes5のフラッシュカード機能(6年卒業試験)

みなさんは,Goodnotes5にフラッシュカード機能があることをご存知でしょうか?あるのは知っていても使っていない人がほとんどかもしれません.私は大学の卒業試験をこの機能で乗り切りました.私の大学では,卒業試験の過去問が大学から解説付きのPDFで6年生に配布されるのですが,その量が凄まじく多いのです.一回解いただけでは必要な知識を全て覚え切るのは至難の技,継続的な復習が必要でした.

そんな時に目をつけたのがGoodnotes5のフラッシュカード機能でした.PDFでもらった過去問の演習自体はGoodnotes5で行っていたので,問題演習中や解説確認中にした書き込みをそのままフラッシュカードにできたのがありがたかったです.

Goodnotes5 フラッシュカード
Goodnotes5のフラッシュカード機能(問題部分をタップすると解答が表示される)
(編集部注:卒業試験の問題は掲載できないため「QBオンライン」の問題で再現)

問題演習→解説確認→追加情報などの書き込み→スクショをとり,フラッシュカード用のノートに貼り付けるだけで作成できるので,Goodnotes5を使った学習に一手間という印象です.また,使うアプリはGoodnotes5だけでよいので他のアプリに課金しなくてもよいのは魅力的です.欠点は,フラッシュカード学習モードではズームができない(=細かすぎる)ことです.

Goodnotes5のフラッシュカード機能
 メリット

  ・Goodnotes5アプリさえあれば簡単にできる
  ・タイピング不要のため,
   PDFやスクショメインの勉強と相性が良い
 デメリット
  ・ズームができないため不便

Goodnotes5と「イヤーノート」,「病気がみえる」のコンビネーション(6年国試前)

国試前には,とにかく間違えた問題,苦手な範囲,そして各予備校の出題予想を繰り返し演習したいですよね.私は,Goodnotes5で国試直前ノートを作成していました.内容は,直近5年の過去問演習で間違えた事項やその周囲の事項を中心に,コピペとスクショを貼り付けたものです.元データはなんと言ってもアプリ版「イヤーノート,「病気がみえる」です!!スクショで全体を写すのはもちろん,アプリ版「イヤーノート」,「病気がみえる」の図や表はコピペ可能なので,自分に必要なものはガンガン貼りました.特に産婦人科のスコアリングなどの表は,国試本番の休み時間にも見たかったので率先して取り込みました.

Goodnotesと病みえとイヤーノート

 

関連事項を近くに小さく貼り付けても,ズーム機能でしっかり読めるのは大きな魅力です.もちろん「イヤーノート」,「病気がみえる」だけでなく,予備校のテキスト(私は「Q-Assist」でした)や模試の解説,大学の講義など自分が必要だと思ったものなら,なんでも貼っていけるので夢のコラボが実現します.私の場合はこのノートから8問分が国試本番で出たので,作ってよかったと思いました.また,mediLinkは通信圏環境が良くないと検索や閲覧ができないため,本番の会場が電波が悪いと詰みます(私の会場は悪かった...)が,Goodnotes5ならば作っておいたノートをオフラインでも見られるので,本番の休み時間にしっかり確認できました.欠点はアウトプットには向かないことです.また,作る手間はある程度かかってしまいます.

Goodnotes5とアプリ版「イヤーノート」,「病気がみえる」
 メリット

  ・自分の欲しい情報だけをガンガン貼れる
  ・ズームができて見やすい
  ・オフラインでも閲覧可能
 デメリット
  ・アウトプットには向かない
  ・作る手間がかかる

Ankiは短期間でも有用(6年国試前)

最後は,Ankiです.言わずと知れた単語帳アプリですね.Ankiの詳しい説明は他の記事でも書かれているものが多いのでここでは省略します.

今回私がお伝えしたいのは,Ankiは短期間でも有用であるということです.Ankiといえば,USMLEなどの資格試験で膨大な量の知識を忘れないように暗記カードを作りながら復習するなど,1年スパンで使うといったイメージではないでしょうか?実はそんなことはありません.私が国試用のAnkiを作成したのは国試の1週間前でした.先ほど紹介した,直前期Goodnotes5まとめの中でどうしても覚えられない事項や,「直前Assist」(「Q-Assist」の直前講座)でこれだけは覚えよう!となった事項をカード化していました.

Anki

直前期につくると約30カード分くらいになりました.1週間で覚え切ると考えると妥当な数だと思います.これを見ると,作らなくてもいいんじゃないかと思うかもしれませんが,やはりアウトプット作業は偉大です.同じ直前講座をとっていた友人数名と国試後に話した際に,「本番でわからなかった問題が実は直前講座に書いてあった.何回もテキスト読み返したのに」という意見が多かったのです.やはりインプットだけでは本番で思い出せないことを痛感した瞬間でした.短期間だけでもAnkiを作成し回すのは効果的です.

Anki
 メリット

  ・アウトプット形式で記憶に残りやすい
  ・直前講座と組み合わせれば1週間でも効果的
 デメリット
  ・作成に手間がかかる
   (タイピングが必要になるため)
  ・アプリ購入にお金がかかる
  ・慣れるまでは使いにくい

さいごに

今回紹介するものはこれで以上です.特殊なスキルや機材がなくてもデジタルノートが作れることは伝わったのではないでしょうか?皆様が自分にあったデジタルノートに出会う手助けになれば幸いです.


いかがでしたか.
Goodnotes5は今や多くの医学生さんが利用しているようですが,mediLink,Goodnotes5,Ankiの様々な機能を駆使し,場面に応じてやり方を変えて独自のノートを作っているこの勉強法は,とても画期的に感じました.

また,私はこんな使い方をしている!という方がいらっしゃいましたらぜひ教えてください!

それでは引き続き,体調に気をつけて,頑張ってください!

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