国試

[6年生向け]公衆衛生で近年頻出なのは?
その1:トップは「疫学」注目は「医の倫理と患者の人権」

国試まで残り1ヵ月を切りましたが,皆さん公衆衛生対策は順調ですか?
公衆衛生は短期間でも集中して対策を行えば合格レベルに達することは可能なので,
他分野の対策に追われまだ十分に手を付けられていない方も,焦らなくて大丈夫です!

科目別出題数ダントツ1位とはいえ,公衆衛生は範囲が広いため,
アレもコレも…と色んな分野に深く首を突っ込むのは国試対策上,得策とはいえません.
時間が限られる中でもある程度ポイントを絞って効率的に対策を進められるよう,
今回は近年の公衆衛生の出題傾向(分野ごとの出題数)を紹介します.

● 過去5年でみると「高齢者保健」がトップ

国試全体の出題数が500問から400問へと減少した112回から最新の116回まで(過去5年)の公衆衛生の出題を,
メディックメディアの公衆衛生書籍(『QB公衆衛生』『レビューブック公衆衛生』『公衆衛生がみえる』)で用いている章分けによって分類・集計すると,以下のようになります.

なお,新型コロナウイルス感染症の流行で注目される「感染症対策」は第6位(15問)となっています.

以前から出題が多い分野であり,出題数自体は目に見えて増えてはいませんが,115回では3問,116回では4問,総論的事項から法律まで幅広く問われているので,しっかり対策しておきましょう.

出題数上位の分野には,以下のような特徴があるといえます.

  • 範囲が広い(疫学,産業保健)
  • 変化がめまぐるしい(保健統計,医療法と医療体制)
  • 近年特に重視・注目されている(医の倫理と患者の人権,高齢者保健)

第1位の「疫学」からは感度・特異度や検査前確率・検査後確率などの計算問題が毎年のように出題されるのが特徴です.
公衆衛生は知識問題が多いため,直前期でも点数を伸ばしやすいのですが,
疫学の計算問題は過去問演習を中心に“数をこなして慣れる”ことが大切です.

『QB公衆衛生』は極力内容が重複している問題の掲載を避けていますが,
疫学の計算問題に関しては類似問題や古い問題も意図的に多く残しています.
時間がない方もぜひ,計算問題は早めに・多めに解いておいてください

● 115回以降急増した「医の倫理と患者の人権」

特に注目したい分野をもう一つ挙げるとすると,「医の倫理と患者の人権」です.
インフォームド・コンセント,患者の自己決定権,医療と医学研究における倫理などのテーマが含まれます.
例年は1~2問程度の出題でしたが,115回では6問,116回では5問出題されたため,第4位に上り詰めました.

この分野は必修問題の割合が高いことが特徴であり,115回は6問すべて,116回では5問中4問が必修問題でした.

余談ですが,「医学教育モデル・コア・カリキュラム」には「医学生に求めたいこと」という項目があり,その項目は以下の一文で締められています.
「そして何より,一人の社会人として高い倫理観と教養を持つことを強く求める.」

言うまでもなく,倫理観は国試対策以上に医師となってから重要となるものですが,
学生のうちにしっかり身につけておきたいですね.

● 次回予告

最近の公衆衛生の出題をみると,出題テーマは過去問と同じでも+αの知識が求められる問題が増えています.
今後数回にわたって,今回紹介した頻出分野を中心に,押さえておきたいキーワードや過去問をピックアップして紹介したいと思います!

(編集部F)

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