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[読み物] 医学用語の正しい読み方,わかりますか?(第4回)

さて「医学用語の正しい読み方,わかりますか?」シリーズ.
今回は【第4回:読めない外国語 疾患・症候群編】です!

医学英語って難しいですよね.
英語というよりドイツ語や人名が多いという点が,特に混乱を招きます.
私も読み方を間違えて何度か恥をかいた記憶が・・・

そこで今回は,実習や国試でよく使われる医学英語の読み方を
ピックアップしてみました!

◆第4回:読めない外国語 疾患・症候群編◆

では早速問題です!

1.Horner症候群
2.Gilles de la Tourette症候群
3.Hirschsprung病
4.Virchow転移
5.Vogt-小柳-原田病
6.Reye症候群
7.Kasabach-Merritt症候群
8.Rendu-Osler-Weber病
9.Kartagener症候群
10.VIPoma

【解答と解説】

1.ホルネル症候群
2.ジル・ド・ラ・トゥーレット症候群
3.ヒルシュスプルング病
4.ウィルヒョウ転移
5.フォークト-小柳-原田病
6.ライ症候群
7.カサバッハ・メリット症候群
8.ランデュ・オスラー・ウェーバー病
9.カルタゲナー症候群
10.ビポーマ

どれも有名な疾患や症候群ですね.

1.Horner(ホルネル)症候群は交感神経の異常により起こる,瞳孔異常です.
スイスの眼科医である,Johann Friedrich Horner (ヨハン・フリードリッヒ・ホルネル)に由来します.
「ホーナー症候群」ではなく,rはしっかり発音しましょう

2.チックの重症なものであるGilles de la Tourette(ジル・ド・ラ・トゥーレット)症候群ですが,
フランスの神経内科医,Georges Gilles de la Tourette(ジョージ・ジル・ド・ラ・トゥーレット)からきています.
フランス語も難しいですね.

3.Hirschsprung(ヒルシュスプルング)病は中毒性巨大結腸症のことです.
こちらはHarald Hirschsprung(ハラルド・ヒルシュスプルング)というデンマークの小児科医の名前からきています.
ちょっと噛みそうな名前ですね.

4.Virchow(ウィルヒョウ)転移は胃癌の左鎖骨上窩リンパ節転移のことで,とても有名ですね.
vの発音がポイントになります.

5.Vogt(フォークト)-小柳-原田病は夕焼け状眼底で有名な疾患ですが,
こちらのポイントもvの発音です.
どちらもドイツ人の名前ですが,ドイツ語ではvはFと同様に発音します.
そのため,4.のVirchowはドイツ語だと「フィルヒョウ」に近い発音になります.
また,ドイツ語はgの後に母音がこないと,Kに近い発音になります.

6.インフルエンザや水痘罹患時にアスピリンを投与することが誘引となり,
発症するReye(ライ)症候群ですが,「レイ」ではなく「ライ」と読みます.
また,筋疾患の一つであるLeigh脳症,これも「レイ」と読んでしまいそうですが,
正しくは「リー脳症」といいます.

7.血管腫により凝固系の異常が生じるKasabach-Merritt(カサバッハ・メリット)症候群
ドイツ人の放射線科医のKasabachと小児科医のMerrittが報告した疾患です.
chで「ハ」と発音しますが,音楽家Bach(バッハ)と同じ発音なんですね.

8.日本語で「遺伝性出血性毛細血管拡張症」といいますが,どちらも長い!
そのため単にOsler病と呼ばれたりもします.
こちらもそれぞれ医師の名前が由来となっています.
Renduを「レンドゥ」と読んでしまいそうですが,「ランドュ」であることがポイントです.

9.Kartagener(カルタゲナー)症候群はドイツ人のKartagenerが研究し,報告した疾患ですが,
実は一番初めに報告したのはSiewert(シーベルト)という人でした
原発性線毛機能不全の中で,慢性副鼻腔炎,気管支拡張症,内臓逆位を3徴とする疾患群でしたね.

10.VIPoma(ビポーマ)はVIPを産生する腫瘍ですね.
WDHA症候群を呈します.
ちなみに,VIPは「vasoactive intestinal polypeptide(血管作動性腸ポリペプチド)」の略です.

以上,【疾患・症候群編】の問題と解説でした.

どの名称も臨床でよく聞かれる単語です.
今まで読み方があいまいだった方は,ぜひ参考にしてくださいね.

さらに,少々難しい疾患ですが,他にもこんな疾患の読み方が難しいようです.

Löffler症候群(レフレル症候群)
von Gierke病(フォン・ギールケ病)

なかなか難しいですね・・・
ですが,ö(「エ」と発音します)やvの発音の仕方を覚えておくだけで,
意外と簡単に読めてしまうものもあるので,ちょっとしたポイントは押さえられたら,と思います.

それでは今回はこれまで.

次回は「外国語編 その2」をお送りいたします.
お楽しみに!

(編集部A.M)

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(その1)利根川 進

(その2)カルロ・ウルバニ

(その3)E.T.コッハー

(その4)エリザベス・キューブラー=ロス

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