イヤーノート2025 内科・外科編
【いいんちょーの僕です。】第1回 国試の準備,いつから始める?
はじめまして!
今月から連載コラムを担当することになりました,医学部4年生のI.O.といいます.
学校では国試対策委員長を担当していて,『みんなで進級しよう』をモットーに,これまで色々な活動をしてきました.
今回のコラムでは,『みんなで合格しよう』をテーマに,4年生の皆さんに向けて国試対策のお役に立てるような文章を綴っていけたらと思います.
…ちなみにコラムのタイトルは,同じ国対委員の友達がつけてくれたLINEグループの名前をそのまま使わせてもらいました(笑).
コラムのタイトルとなったLINEグループ
この連載が,皆さんの国試までの時間をすこしでも豊かにする一助となればうれしいです.
これからどうぞよろしくお願いします(^^)
実習期間は,差がつく期間
先日,第114回の医師国家試験が終わりましたね!
それと同時に,私たちの国試本番(第116回)までちょうどあと2年ということになりました.
この「あと2年」という時間.はたして長いのか,そうでもないのか?
なかなかとらえ方が難しいですよね.特にこれからの“5年生”という期間について,どうやって国試対策に時間を使うのか,なかなか曖昧なままでいるという方も多いのかなと感じています.
私たちの大学では,今年の1月から病院実習が始まりました(多くの大学でも同様ではないでしょうか?).慣れない環境の下,次から次へと診療科を回る日々はなかなか慌ただしく,気がつけばあっというまに1年が過ぎていきそうです.
…そんな中,先生や先輩から最近よく耳にするのがこんな言葉.
「この1年って,やる人とやらない人ですごく差がつくよ」
…ビクッ…これ,どうやら“実習期間に時間を見つけて勉強をする人とそうでない人では,国試に向けて大きな学力の差がうまれる”という意味のようです(ってわかるか苦笑).
そうはいっても,CBTが終わってからというもの,これまでのような強いプレッシャーを感じながら勉強を迫られる状況はしばらくないという方もきっと多いですよね.そんな状況では「勉強した方がいいと思うけど,まだ大丈夫でしょ」という気持ちが勝ってしまい,実習外の時間は特に何かをすることもなく過ごしてしまう…これ,無理もないことだよなぁと思います.
ただ,このように勉強しなくても何も言われない状況が長くつづくからこそ,気がついた時にはおどろくような差がうまれてしまうということなのでしょう.
国試 = ビリにならないためのレース?
ここからは持論なのですが,私は国試について
「人並みにやれば合格できる試験なのだから,なるべくラクな気持ちで本番に臨みたいなぁ」
と,そんなことを考えています.
これは過去5回分の国試合格率ですが,全体としてはずっと90%前後で推移していますね.
この数字をザッと解釈して言葉にしてみましょう.
“国試とは,「10人で競走して,最後の1人(=ビリ)にさえならなければ大丈夫」という,少なくとも合格率という側面からみた場合,かならずしも難易度の高いレースではない”…こんなことが言えると思います.
そして,ここが大変ありがたい点なのですが…
この国試レースでは,“よーいドン!”というスタートのタイミングを一人ひとりが自由に決めることができます.今から2年後のゴール地点(合格基準)はあらかじめ決まっているけれど,そこに向けてスタートを切るのは今日でもいいし,数週間後でも,半年後でもいい.それらは完全に,私たち個人に任されているわけです.
…そこで,私は皆さんに問いたい(真剣).
もし,何もせずにいる人たちを横目に,今からゴールに向けて少しずつでも走り始めることができたら,そこからは大きなアドバンテージがどんどん積み重なっていくと思いませんか?
言いかえると,今からちょっとした国試の準備を日々進めていくだけで,“10人中ビリになる可能性”を限りなく減らしていけると思いませんか?
私は,(重〜い腰を上げて)1月の途中から国試対策のスタートを切りました.それは重ねて,「人並みにやれば合格できるはずの医師国家試験を,なるべくラクな気持ちで臨み,そして合格したいなぁ」と思うからです.絶対に失敗したくない試験について,準備不足で直前に焦り,悔やむことだけはどうしても避けたいと.
私のQBオンライン進捗(2月4日現在)
そして走り始めてわかったことは,病院実習のペースに合わせて国試の勉強を進めるのは,本当に効率がいいということ.すくない時間と労力で知識は定着するし実習は楽しめるし…とにかくコスパ最高です.同じ勉強をするなら,心に余裕を持って楽しく取り組みたいですよね.
Take Home Message
今はまだ遠い先に思える2022年という未来も,やがて現在としてやってきます.私たちの国試本番がいよいよ近づいてくれば,結局のところ,準備してきた期間や習熟度にかかわらずほとんどの人達が焦りや不安と向き合うことになるでしょう(私はまず間違いなくそうなります苦笑).
ただ,その時.
「いまの自分は,10人中最下位を争うようなポジションを走っているのか?」
この問いかけへの
2年間の積み重ねに裏打ちされた回答は,
最後まで自身の精神を支える大きな助けとなるのではないでしょうか.
もしよければ,これから一緒に走り始めましょうー!
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■筆者プロフィール
I.O.:関東の医学生.1回目の大学で法学部を卒業後、会社員や音楽活動などを経て医学部へ入学.日本循環器学会関東甲信越支部Student Award最優秀賞.心電図検定3級.ディープラーニングG検定2020#1.
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–いいんちょーの僕です。目次–
第17回 国試の結果とご挨拶 (付録:Post-CC OSCE対策のコツ)
第11回 “Post-CC OSCE”という,事件.[後編]