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【平成30年版医師国家試験出題基準】新ワード紹介(19)医療事故調査制度

こんにちは,編集部Fです.連載でお送りしている,
「平成30年版医師国家試験出題基準」(適用は112回国試から)の新ワード紹介.
公衆衛生の第7弾は医療安全分野より,「医療事故調査制度」をお送りします.

 

目次

◆「医療事故調査制度」とは

◆112〜114回医師国家試験での出題状況は?

 

 

◆「医療事故調査制度」とは

 

●制度の目的

医療事故調査制度は,医療事故の再発防止,医療安全の確保を目的とした制度です.
2014年の『医療法』改正に盛り込まれ,2015年10月からスタートしました.

これにより,医療事故が発生した医療機関は,原因究明のため院内調査を実施すること,
その調査結果を遺族に説明した上で,第三者機関である医療事故調査・支援センターに報告することが義務付けられました.
(遺族が医療機関の調査結果に納得できない場合は,
センターに調査を依頼することができます)

なお,医療事故調査制度は,医師の責任追及を目的とするものではないため,
調査結果が警察や行政に届けられることはありません.

 

●制度の対象と問題点

報告の対象となる医療事故は,医療に起因,または起因すると疑われる死亡・死産で,
医療機関の管理者が予期しなかったものとされています.

2020年11月末までの医療事故報告件数は,累計1,908件となっています.

一般社団法人 日本医療安全調査機構「医療事故調査制度の現況報告(11月)」

https://www.medsafe.or.jp/uploads/uploads/files/houdoushiryo20201209.pdf

2020年は新型コロナウイルス流行に伴う患者の減少(予定手術・入院の減少)によって月ごとの報告が一時的に減少しましたが,現在はやや回復している傾向にあります.

 

◆制度の見直し◆

医療事故調査制度は,交付後2年以内の見直しが『医療法』に規定されており,
その期限である2016年の6月24日に,制度の改正に関する省令・通知が出されました.

この改正により,医療機関による院内調査を支援する医療事故調査等支援団体
意見交換を行う場として,支援団体協議会が新設されました.
協議会では,これまで各支援団体が個別にガイドラインなどを作り示していた
報告の基準や,院内調査の方法を統一することを目指しています.

また,センターに遺族の相談窓口が設置されました.

遺族がセンターに医療事故を直接報告することは認められていませんが,

医療事故として医療機関から報告があったものについて遺族から相談があった場合

センターが調査を行うことができ,その結果が医療機関と遺族に報告されます.

 

ただ,制度の問題はまだ残っています.

「予期しなかった死亡」の具体例が示されていないなど,基準が曖昧であり,

報告の対象であるか否かの判断が,医療機関の管理者に委ねられています.

より安全な医療の実現のため,今後も検討が重ねられ,

制度がより一層充実していくことが求められています.

より安全な医療の実現のため,今後も検討が重ねられ,
制度がより一層充実していくことが求められています.

 

医療事故調査制度についてより詳しく知りたい方は,
以下の厚生労働省や日本医療安全調査機構のウェブサイトもあわせてご覧ください.
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061201.html
https://www.medsafe.or.jp/modules/about/

 

 

◆112〜114回医師国家試験での出題状況は?

112回,113回国試で「医療事故調査制度」が出題されています!

医療事故が起こった際の調査の流れを確認しておきましょう!

mediLinkIDを持っている方はQBオンラインで問題を見ることができます!

https://qb.medilink-study.com/#/Answer/112B2

https://qb.medilink-study.com/#/Answer/113C2

https://qb.medilink-study.com/#/Answer/113C20

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

公衆衛生の新ワード紹介は,次回が最終回となります.
最終回は,地域医療に関するキーワードについて,お送りします!

(編集部F)

 

 

第1回:適用はいつから?
第2回:何が変わったのか~問題数100問減の影響は?~
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新ワード紹介(4)nephrogenic systemic fibrosis(NSF)
老年医学にかかわる新ワード4つ
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