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[5・6年生向け]平成30年版医師国家試験出題基準 特集
第10回(最終回):新ワード紹介(29)ロービジョンケア

こんにちは,編集Aです.
先日の配信で「今年最後」とお伝えしていましたが,
もう一通だけ,配信させてください(年末ぎりぎりに,すみません…).

 

平成30年版医師国家試験出題基準」(適用は112回国試から)に
新たに加わった用語をピックアップして紹介しているこの企画.
最後に「ロービジョンケア」という単語をご紹介して終わろうかと思います.

 

医学総論IX 治療の9C「身体障害のリハビリテーション」内,
「視覚障害(ロービジョン)」の【備考欄】に付け加えられた言葉です.
これまでも「視覚障害(ロービジョン)」自体は出題基準にありましたが,
ロービジョンについてや,視覚障害自体について,国試で深く問われたことはありません.
その概念と,今回付け加わった「ケア」までを含めて
一度,確認をしておきましょう.

 

 

◆ロービジョンケア

 

 

 

日本ロービジョン学会のサイトによると,「ロービジョンケア」とは,

 

『視覚に障害があるため生活に何らかの支障を来している人に対する
医療的,教育的,職業的,社会的,福祉的,心理的等すべての支援の総称.
発達・成長期にある小児に必要なハビリテーションあるいは
主に成人の中途障害に対応するリハビリテーションを目的とする』

 

とあります.

 

小児から成人まで,ケアの対象は広く,
また,高齢化に伴い,高齢者を対象としたロービジョンケアの重要性も高まっています.

 

視覚障害のケア(リハビリ)をする,という考えは比較的新しく登場してきたもので,
日本では1983年に,初めてロービジョン専門のクリニックが設立されました.
その後,専門で対応する施設が増え,2012年にはロービジョンに関する検査が初めて診療報酬に含まれました.

 

私も小学校低学年で視力が一気に低下したのですが,
親に「なるべく眼を使うな」「暗い所で文字を読むな,ゲームをするな」と強く言われた記憶があります.
「眼が悪いなら,眼を使わないほうがいい」という考え方は,いまだに多数派かもしれません.

これと対照的に,視覚を刺激・活用し,日常生活を支援する,という考え方にもとづいて行われているのが「ロービジョンケア」なのです.

ロービジョン学会では,ケアの内容について以下の具体例を紹介しています.

・よりよく見る工夫(例:視覚補助具,照明)
・視覚以外の感覚の活用(例:音声機器,触読機器)
・情報入手手段の確保(例:ラジオ,パソコン)
・その他の生活改善(例:点字図書館,生活訓練施設)
・進路の決定(例:特別支援学校,職業訓練施設)
・福祉制度の利用(例:身体障害者手帳,障害年金)
・視覚障害者同士の情報交換(例:関連団体,患者交流会)
等ができるよう情報提供し,諸種の助言,指導あるいは訓練を行う

引用:https://www.jslrr.org/low-vision(2017年12月閲覧)

 

眼科医だけでなく,多職種にわたる連携が必要であることがわかりますね.

 

そもそも,視覚障害(ロービジョン)の患者さんは
「身体障害者福祉法」により,障害の程度に応じた福祉援助が受けられます.
視力障害と視野障害によって障害の程度が決まることを,まずおさえておきましょう
(等級については「レビューブックマイナー2017-2018」R-13ページに表があります)

 

国試では近年,リハビリ関係の問題や
画像(写真)で補助具などを選ばせる問題が増えています.
ロービジョンケアに関しても,器具の画像などを一度は見ておいたほうがよいかもしれません.
ロービジョン学会から発行されている「視覚補助具ハンドブック」内では,
遮光眼鏡拡大鏡単眼鏡拡大読書器パソコンやタブレット端末などが紹介されているようです.

以下のサイト・記事でも補助具の画像が閲覧できるので,参考にしてみてください.↓

【インタビュー】ロービジョンケアとは―視覚障害によって日常生活が困難な方への支援|Medical Note
「高齢者の視覚障害への対応,ロービジョンケア」|日老医誌 2014;51:336-341
アイケアカンパニーのメガネスーパー,「ロービジョンケア」への取り組みを強化|株式会社メガネスーパー
ロービジョンケアルーム|株式会社アイベル

 

 

以上,昨年から2年続けて,
「平成30年版医師国家試験出題基準」に新たに加わった用語をいくつかピックアップして
紹介してきました.
出題基準に多くの用語が加わりましたが,
こうした新しい単語は,いきなり深い内容が問われるとは考えづらいので
(問われたとしても,みんな解けないので大丈夫です),
決してこれらを怖れるのではなく,
あくまで,王道の頻出疾患(メシュラン2つ星・3つ星級のもの)の勉強を中心に進めてくださいね.
そして余裕があれば,新ワードへの対策は
聞いたことがあるか/知っているかどうか/想像できるかどうか,が重要かと思いますので
これまで配信した記事を中心に,一度目を通しておいてもらえれば
それで十分かと思います.

(これまでの記事はこちら

 

年があけると,いよいよ112回国試の受験票が受験生の手元に届き,
時間割などが明らかになるかと思います.
メディックメディアでも新しい情報が得られしだい,発信していきます.
112回に向けて,皆でがんばっていきましょう!

 

来年もどうぞよろしくお願い申し上げます.

(編集部A)