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【第20回】心内膜下虚血の心電図 ST低下

 

 

みんなの心電図

〜非専門医のための読み方〜

 

第20回 心内膜下虚血の心電図 ST低下

 

 

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今回は,虚血を反映する心電図所見1つ,

ST低下について解説します.

心臓の虚血はどこから始まるのでしょうか?
この疑問を解決するには血管について考えることから始めましょう.

 

心臓は全身へ血流を送るポンプの役割を果たしますが,
心臓自身を栄養する血管は冠動脈と呼ばれ,
3本の枝(①右冠動脈②左前下行枝③左回旋枝
からなります(第14回).

 

 

冠動脈はまず心臓表面を走り,
心筋壁へは外膜側から貫くように内側へ向かいます
つまり,心筋の血流は外膜側が中枢
内膜側が末梢ということになります.

 

血流が低下すると末梢側から虚血は始まりますから,
虚血は「内膜側」から始まり

外膜側まで広がると「貫壁性梗塞」へと発展するのです.

 

さて,ST上昇の心電図を解説した際に,
虚血部は収縮期に過分極しやすいという特徴から
(正常心筋部と比べて)虚血部はマイナス
というルールを示しました(第16回).
これは虚血が外膜側まで及んだ「貫壁性梗塞」の状態です.

 

一方,まだ外膜側までは虚血に至っていない
心内膜下虚血では内膜側がマイナス
外膜側がプラスになるので,
電極からみて電流は逃げていきます.
逃げていく電流は下向きに触れるので
ST部分は低下するのです.

 

 

 

今回のまとめ
●心筋壁は内側から虚血が始まる.

●内膜下虚血ではSTは低下する.

 

 

著者:Dr. ヤッシー
内科医.心電図読影へのあくなき探求心をもち,
循環器非専門医でありながら心電図検定1級を取得.
これまでに得た知識・スキルを臨床現場で役立てることはもちろん,
教育・指導にも熱心.若手医師だけでなく,
多職種から勉強会開催の要望を受けるなど,頼られる存在.

 

 

→【第21回】ST変化の鏡面像(Mirror image)

 

 

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–「みんなの心電図」目次–

【第1回】連載のコンセプトと自己紹介
【第2回】初学者はなぜ,心電図を苦手と感じているのか?
【第3回】心電図でわかること,わからないこと
【第4回】近づく電気,離れる電気
【第5回】電極のつけ方と基本波形
【第6回】P波はⅡ誘導とV1誘導を見よ (刺激伝導系その1  心房の伝導)
【第7回】心房から心室へは1本道(刺激伝導系その2 房室結節の伝導)
【第8回】心室壁の高速道路と一般道 (刺激伝導系その3 ヒス-プルキンエ線維の伝導)
【第9回】心室壁はつっかえないように縮んで,伸びる(QRST波形理解の下準備その1)
【第10回】パッチクランプ法でみる細胞1粒の活動電位(QRST波形理解の下準備 その2)
【第11回】QRST波形の成り立ち(刺激伝導系その4 心室の興奮と弛緩)
【第12回】QRS波の胸部誘導でのグラデーションを感じよう
【第13回】心電図を確認する眼の動き
【第14回】冠症候群の診断は合わせ技1本
【第15回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (1)T波増高
【第16回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (2)ST上昇
【第17回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (3)異常Q波
【第18回】心筋梗塞の心電図の成り立ち (4)冠性T波
【第19回】心筋梗塞の心電図は出る順番が大切
【第20回】心内膜下虚血の心電図 ST低下
【第21回】ST変化の鏡面像(Mirror image)
【第22回】冠血流域と誘導の対応関係
【第23回】速読式 心拍推定
【第24回】速読式 QT延長推定と基礎疾患
【第25回】頻脈の読影が心電図では最も難しい
【第26回】頻脈性不整脈の分類 (1)上室性と心室性
【第27回】頻脈性不整脈の分類 (2)上室性頻脈の種類

 

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